組織がサステナビリティー目標を推進できるよう、IBM Cloud Carbon Calculatorは温室効果ガス排出量への対処を支援

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ハイパフォーマンス・コンピューティング、人工知能(AI)、機械学習などのデータ集約型ワークロードを導入し、レジリエンシー、パフォーマンス、セキュリティー、コンプライアンス機能を備えたハイブリッドクラウドやマルチクラウドを活用してイノベーションを推進する企業が増えています。同時に、企業は、イノベーションとESG規制とのバランスを取ることにも努めています。世界的に炭素排出量の報告が一般化する中、IBMは、お客様がエネルギー需要や関連する炭素への影響に対処し、コストを削減するために役立つ、より多くの情報に基づいた意思決定を行えるよう支援することに注力しています。

より持続可能なコンピュート・インフラストラクチャーの構築に向けてお客様を支援するため、IBMは本日、IBM Cloudの利用に伴う、所定の算出基準に基づいた排出量データにわずか数クリックでアクセスできるように設計されたAI搭載ダッシュボード「IBM Cloud Carbon Calculator」を発表し、限定ベータ版を公開しました。IBM Cloud Carbon Calculatorは、IBM Researchの技術に基づくもので、企業が様々なワークロードの温室効果ガス(GHG)排出量をクラウド・サービスのレベルまで追跡できるようにすることで、サステナビリティー目標のさらなる推進を支援することを目指しています*1。

さまざまなワークロードの排出量をクラウド・サービス・レベルまで追跡
企業が運用の効率化と省エネルギーの実現に向け、ハイブリッドクラウドの採用を継続する中、IBM
は、クラウドおよびデータセンターのエネルギー効率は今後も重要性を増していくと考えています。今日、多くの企業がサステナビリティー目標に取り組むために、さまざまなITインフラストラクチャーにおけるエネルギー消費および関連するGHG排出量を追跡しています。しかし、Institute for Business Valueが最近実施した調査では、41%の経営幹部が、ESGの進展を妨げる最大の障壁として、データの不備を指摘しています*2。

IBM Cloud Carbon Calculatorは、お客様がサステナビリティー目標を達成するために必要なデータへのアクセスを容易にすることを目的としています。IBM Cloud上のワークロードの詳細な炭素排出量データへのアクセスを支援することで、お客様は、GHGプロトコルに従って、個々のクラウド・サービスや場所に関連するGHG排出量を可視化し、追跡できるようになります。

排出量のホットスポットと改善機会の特定
多くの組織が GHG 排出量に対する目標を掲げており、その中にはクラウド利用に関連する目標も含まれています。IBM Cloud Carbon Calculatorは、お客様が、月、四半期、年ごとにGHG排出量を分析できるように設計された機能を備えています。目標に対する進捗状況を定期的に確認することで、排出量の傾向やパターンに基づいて戦略を調整するために必要なインサイトを提供し、お客様の排出量削減を支援します。

ユーザーは、場所、クラウド・サービス、組織のワークストリームごとに、排出量を時系列で確認することができます。このツールは、データのパターン、異常値、外れ値を迅速に発見できるように設計されており、お客様は、特定のサービスやワークストリームといった、排出量が多いホットスポットを発見し、これらの洞察を利用して緩和策を決定することが可能になります。

また、このツールによる排出量データの細分化は、組織の報告書作成に必要なニーズに対応します。IBM Cloud Carbon Calculatorは、ユーザーが排出量データをIBM Envizi ESG Suite*3に統合できるように設計されており、これにより、さらなる分析の実施や報告が可能になります。

より持続可能な未来を築くために、力を合わせる
IBMにとって、より持続可能な未来を実現するために、環境負荷の低減は最優先事項であり、また、この考えは多くの組織で共有されていることだと考えています。IBMは、お客様がサステナビリティー目標をビジネス目標と合致できるようサポートします。

IBM Cloud Carbon Calculatorは、より持続可能な未来の創造するためのIBMの長年の取り組みに基づくものであり、お客様がサステナビリティーに対する熱意を行動に移し、よりエネルギー効率の高い未来を創造することを支援するための新しいマイルストーンとなります。また、IBM Envizi ESG Suite( https://www.ibm.com/jp-ja/products/envizi )、IBM Turbonomic( https://www.ibm.com/jp-ja/products/turbonomic )、IBM Planning Analytics( https://www.ibm.com/jp-ja/products/planning-analytics )、IBM LinuxONE( https://www.ibm.com/jp-ja/products/linuxone-4/sustainability )といったサステナビリティー・ソリューションやコンサルティングの専門知識からなるIBMの既存ポートフォリオを補完し、組織がESG目標を設定、運用、達成するのを支援します。

IBMは、IBM Cloudのデータセンターで使用する電力に再生可能エネルギーの採用を増やすなど、さまざまな分野でサステナビリティーの推進に注力しています。例えば、英国およびEU内(スペイン・マドリッドの新しいマルチゾーン・リージョン(MZR)を含む)におけるIBM Cloudの運営は、すでに100%再生可能な電力を使用したデータセンターのネットワークを使用しています。IBM Cloudの再生可能エネルギーの採用は、2025年までにIBMが世界中で消費する電力の75%を再生可能エネルギーから調達するという企業目標に、直接的に貢献します。

企業がハイブリッドクラウドを採用する中で、IBMは、サステナビリティーをサポートするための実践は、組織にとって直接的に定量的な利益をもたらすだけでなく、顧客や投資家に対して自社を有利に位置づけたり、人材を引きつけるものでもあると理解しています。このような目標を達成するために、IBM CloudはIBM Researchおよびパートナー・コミュニティーと緊密に連携し、お客様の二酸化炭素排出量の削減と全体的なエネルギー効率の向上を支援することを目的としたプログラムや活動を継続していきます。

IBMの将来の方向性や意図に関する記述は、予告なく変更または撤回されることがあり、目標や目的のみを表すものです。

当報道資料は、2023年5月9日(現地時間)にIBM Corporationが発表したブログの抄訳です。原文はこちら( https://newsroom.ibm.com/IBM-Cloud-Carbon-Calculator-Aims-to-Help-Organizations-Address-Greenhouse-Gas-Emissions-to-Advance-their-Sustainability-Objectives )をご参照ください。

*1:IBM Cloud Carbon Calculator(以下、Calculator)は、現在、次のIBM Cloudサービス向けにベータ版として限定的に提供されています:Cloud Object Storage、IBM Kubernetes Service、Virtual Server for VPC and Classic)。Calculatorによって提供される出力は、情報提供のみを目的として「現状のまま」提供され、お客様の IBM クラウド・アカウント上の、お客様によってプロビジョニングされたクラウド・サービスに関する情報に基づいています。出力は、GHGプロトコル標準に従ったフォーマットで提供されます。お客様は、お客様が適用される規制義務を遵守する目的で、またはその他の目的で、Calculatorの出力が正確かどうかを確認する責任を負います。
*2:2023年4月発行:IBM Institute for Business Value「The ESG Conundrum」
*3:Enviziのライセンスが必要

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