日本曹達(二ホンソーダ)、海外販売が拡大中の医薬品添加剤「NISSO HPC」生産能力増強のお知らせ

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当社は、医薬品添加剤「NISSO HPC」(ヒドロキシプロピルセルロース)の世界的な需要拡大に対応するため、生産能力の増強を決定いたしましたので、お知らせいたします。
  • 本件の目的

 「NISSO HPC」は、医薬品添加剤、とりわけ固形製剤の結合剤として使用されており、錠剤の硬度を高める結合力や、溶けにくい有効成分の溶解性改善、徐々に有効成分を放出する徐放性など、高い機能を有しております。医薬品の市場は世界的に拡大傾向にあり、医薬品生産量の堅調な伸びに伴い、「NISSO HPC」の販売は着実に増加しております。 また、成型が困難な天然材料を多く含有する製剤が可能になることから、健康食品錠剤などの食品分野向け(製品名「セルニー」)における採用も拡大しております。

参照URL:日本曹達株式会社❘化学品事業部 医薬品部 ( https://www.nissoexcipients.com/jp/ )

上記の旺盛な需要に対応し、安定的な供給体制を確保するために、「NISSO HPC」製造設備の生産能力増強を決定いたしました。 今般の増産体制の整備により、お客様のニーズにあわせて取り揃えた多様な銘柄の効率的な生産が可能になります。あわせまして、国内外のお客様より評価を得ている、「高度な品質管理」と「グローバルテクニカルサービス」のさらなる強化により、「NISSO HPC」の中長期的な販売拡大に取り組みます。

当社グループは、長期経営ビジョン「かがくで、かがやく。 2030」、ならびに3ヵ年の中期経営計画「かがくで、かがやく。 Stage I」(2021年3月期~2023年 3 月期)( https://www.nippon-soda.co.jp/about/pdf/vision.pdf ) において、強固な事業基盤の構築に向けた取り組みを進めております。 同計画では、成長ドライバーを核とした既存事業の拡大により事業収益力の向上を図ることとしており、今般の生産能力増強はこれらの取り組みの一環として、当社グループのさらなる企業価値の向上に貢献するものです。

 

  • 能力増強の概要

(1) 対象工場  二本木工場(新潟県上越市)
(2) 生産能力  現状の1.5倍に増強
(3) 投資金額  100億円
(4) 完成時期  2026年度上期営業運転開始(予定)       

          <「NISSO HPC」製造設備(2021年7月に竣工した増産設備)>

 

  • 「NISSO HPC」について

 日本曹達は、成長ドライバーである「セルロース誘導体事業」の拡大を進めています。その中でも医薬品添加剤「NISSO HPC」は、セルロースに酸化プロピレンを反応させて得られる誘導品で、主に医薬品の錠剤を成型する結合剤として使用されています。水、アルコールに溶解する数少ない添加剤で、錠剤の硬度を高める結合力や徐々に有効成分を放出する徐放性など、高い機能を医薬品に付与できることから、医薬品製造に欠かせない添加剤として幅広く支持されています。例えば、その高い結合力を利用した錠剤の小型化や、優れた徐放性による服薬回数低減、有効成分の血中濃度を一定に保つなどの特性に富み、お客様の用途における課題に対し、高い機能性を提供しています。また、日本曹達グループでは、極めて高い品質管理レベルに準拠した製造設備・管理体制を持っており、「品質」に対する信頼は「NISSO HPC」のブランド力となっています。               

 

                <「NISSO HPC」の用途は多岐に渡ります>

 世界の医薬品市場では年率8%程度(2021年実績)で成長しています。国内ではトップレベルの業界浸透率を誇りますが、欧州や北米、そして生活水準の向上が進むインドや中国などの新興国市場でも「NISSO HPC」の需要が拡大しています。「NISSO HPC」の拡販を加速するとともに、新規医薬品添加剤の上市と製品の高機能化、製剤技術の支援サービスにより、中長期的な事業拡大を推進します。
 また、同製品は「セルニー」の名称でサプリメントなどの食品分野での採用も伸長しています。その高い結合力から成型が困難な天然材料を多く含んだ製剤が可能となり、摂取するサプリメントの量や摂取回数を減少することができます。 

 

 

  • 「NISSO HPC」の代表的な特長5つ

 1. 優れた結合力を持つ
 2. 水や極性有機溶媒に溶ける
 3. GMP管理下で製造
 4. 様々な粘度、粒子径の銘柄が存在する
 5. ロット間の品質のばらつきが小さい

 

  • 「セルローステクニカルアプリケーションセンター(CTAC)」の紹介  

千葉県市原市に位置する「セルローステクニカルアプリケーションセンター(CTAC)」では、同施設をお客様と「NISSO HPC」の新たな価値を共創する体験型のコラボレーション施設として位置づけ、「NISSO HPC」の用途拡大を図るための研究開発にも注力をしています。研究開発では、従来の製品にはなかった特性を持つコーティング剤を開発し、サンプルの提供を開始しているほか、3D印刷や連続生産による製剤技術などの最先端の分野においても、共同開発の推進により「NISSO HPC」の標準化を目指しています。また、同センターでは、医薬及び食品の製剤関係者の方々を対象とした研修コースやセミナーを受講したり、立ち合い実験に参加することも可能(※全て事前予約制)です。【予約ページ】:( https://www.nissoexcipients.com/hpc-j/ctac/ )                      

        <千葉県市原市のセルローステクニカルアプリケーションセンター(CTAC)>

 ■日本曹達株式会社について

 

日本曹達は1920年の創立以来、独自の技術とノウハウを蓄積し、農薬、医薬品、特殊化学品など高機能・高付加価値の化学製品を提供してまいりました。また、化学物質を取り扱う企業として、レスポンシブル・ケアの考え方を常に意識し、環境、安全、健康に配慮した事業活動を行ってまいりました。これからも独創的な技術や製品を通じて、新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献していきます。

参照URL:日本曹達株式会社 ( https://www.nippon-soda.co.jp/ )

【お問い合わせ先】
  日本曹達株式会社 総務部 広報・IR課
  TEL:03-3245-6053  Email:info@nissogr.com

 

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