世界に278名のKaggle Grandmasterがアイリス株式会社から2名同時に誕生

この記事は約7分で読めます。
アイリス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:沖山翔、以下:アイリス)に所属するAIエンジニア有安祐二(以下:有安)と吉原浩之(以下:吉原)は、Googleが主催する世界最大のAIコンペプラットフォームKaggleにてGoldメダルを受賞し、世界で278人(※1)しかいないKaggle最上位のランクである「Grandmaster」を獲得しました。

アイリスでは、AIコンペティションに参加することで得られる知識・経験が社内の技術力向上・事業の発展に繋がるという考えから、AIチームメンバーのKaggleへの参加を積極的に支援しています。業務時間の20~40%をKaggleへの参加に充てることを推奨する社内制度があり、優秀なエンジニアの成長に繋がっています。また、国立研究開発法人産業技術総合研究所のAI専用のスーパーコンピュータ「AI Bridging Cloud Infrastructure(ABCI)」を用いてAIを開発しており、アイリスには、世界トップレベルのAIエンジニアを育成していく環境が整っています。今回Grandmasterに認定された有安・吉原ともにAIエンジニアとしての実務経験がほぼない中でアイリスに入社し、社内制度の活用によって成長を続けてきました。アイリスは数少ないGrandmasterが2人在籍するテクノロジー企業です。

KaggleにおいてGrandmasterに認定されるためには「単独またはチームでのGoldメダル5枚及び単独でのGoldメダル1枚以上の獲得」という厳しい規定があります。約20万人のKaggle参加者のうち、Grandmasterに認定されているのは日本で約20人とされ世界でも278人です。

有安と吉原の2名は、検診用マンモグラフィーにおける乳がんの発見をゴールとしたコンペティションRSNA Screening Mammography Breast Cancer DetectionにおいてGoldメダルを獲得したことで規定を満たし、Grandmasterに認定されました。3月6日現在のランキングでは、Kaggle参加者の約20万人中、有安は98位(※2)、吉原は120位(※3)と、上位0.05%に入る高い技術力を示しています。アイリスは今後もKaggle参加支援を続け、力のあるAIエンジニアが技術研鑽し事業に還元できる仕組みと組織体制を整えて参ります。

■有安祐二のコメント

Grandmasterは1つの目標だったのでとても嬉しいです!吉原とともに医療画像で金メダルを取れたのも非常に感慨深いです。
Kaggle参加を支援してくれているアイリスには感謝してもしきれません、引き続きKaggleで得た知見を事業に生かしていきたいと思います!

■吉原浩之のコメント

乳がんのスクリーニングという重要なテーマのコンペで、同僚の有安とともにチームで取り組み、そして金メダルを獲得できたことは本当に嬉しいです。Kaggleを始めた当初はGrandmasterというランクは雲の上のような存在に感じられましたが、いざそこに辿り着くとまた新たなスタートラインに立ったよう気分になりました。今まで私たちのKaggleでのチャレンジをサポートしてくれたアイリスに感謝しつつ、今後も引き続きKaggle等で自己研鑽に励みたいと改めて思いました。

■CTO福田敦史のコメント

唐突ですが、私のマネジメント思想を形成する上で、大きな影響を与え続けている人物がいます。

彼の名前は、エイブラハム・フレクスナー。歴史上彼の名前が表舞台に出ることはありませんが、プリンストン高等研究所の初代所長を務め、アインシュタインは彼がいなければ、偉業をなし得なかったとも言われています。
フレクスナー自身は元々は高校の教師であり、博士号は持たず、学術論文の成果もありませんでした。
ただ、若い研究者の眠れる才能を見いだし、それを圧倒的スピードで成長させる能力に長け、数多くの一流の研究者を輩出しました。

ここで、私自身のアイリス入社当初の過去を振り返ると、1人目のソフトウェアエンジニアとして入社し、当初は私独りでAI開発を行っていましたが、なかなか思ったような精度が出ず、苦難の日々を送っていました。

そこで、入社後1年が経とうとする頃、1人のインターン生、吉原と出会いました。
吉原は入社当初は機械学習はほぼ未経験であったものの、私と日々議論を重ねる中で、様々な機械学習の手法を学び、驚異的なスピードで成長してゆきました。

彼が自分の能力を易々と凌駕していく姿を目の当たりにして、私は一流のプレーヤーではなく、フレクスナーのような指導者となり、若い技術者の下支えとなって彼らの才能を爆発させ、世界に唯一無二の価値を与えうる、最高の知的集団を作りたいと確信するようになりました。

今回、乳がんのスクリーニングという医療画像のコンペで、有安、吉原の2人が金メダルを獲得し、同時にGrandmasterのランクに認定されたことは、世界的に見ても極めて希な出来事であり、2人のような若手の技術者が、経験が少ない中でアイリスに入社し、大きな成長を遂げたことは、私の個人の圧倒的成長と事業への貢献を両立させるというマネジメント思想が実を結んだ、一つの象徴的なイベントと考えています。

これからも、フレクスナーを師として仰ぎながら、アイリスに所属するエンジニアの才能を最大限に引き出し、アイリスの事業だけでなく、広く社会に貢献し、一流の技術者・研究者として成長を遂げられるような組織作りに懸命に取り組んでゆきたいと思います。

Kaggleとは
Kaggle(カグル)とは、Google社が運営し世界各国のデータサイエンティストが登録・参加する最大規模のデータサイエンティストコミュニティ・機械学習コンペティションプラットフォームです。Kaggle上にはNASA(アメリカ航空宇宙局)やCERN(欧州原子核研究機構)、マイクロソフトなどの世界的企業・政府機関から投げかけられるデータ・課題が集まり、世界中のデータサイエンティストが競い合いながら解析に挑み英知を共有しています。医療分野では製薬大手のメルク社が創薬コンペティションを開催するなど盛んに活用されており、分野全体に技術革新をもたらしています。
https://www.kaggle.com/

■アイリス株式会社について
アイリスは、「みんなで共創できる、ひらかれた医療をつくる。」をミッションに掲げ、深層学習(人工知能)の技術を活用し、医師のもつ匠の技をデジタル化するAI医療機器を開発しています。現役医師でもある創業者沖山翔(東京大学医学部卒、アイリス代表取締役)をはじめ5名の医師を含む8名の医療従事者、厚生労働省・経済産業省出身者、AI医療領域に特化したデータサイエンティスト、大手医療機器メーカー出身者など多数のプロフェッショナルが揃い、医療現場、技術(ハードウェア・ソフトウェア・AI)、法規制を深く理解したうえでAI医療機器をスピーディに開発する体制を構築しています。ファーストプロダクトnodocaは、2022年12月より販売を開始しました。2019年には経済産業省推進の「J-Startup」に選出され、2022年にはForbes Japanより「世界&日本のインパクト企業100」に、東洋経済より「すごいベンチャー100」に選ばれるなど高い評価を受けており、2022年までに総額約40億円の資金を調達し、これまでの開発を進めてきています。

▼会社概要
会社名:アイリス株式会社(Aillis, Inc.)
事業内容:医療機器の研究開発・製造、機械学習の技術開発
設立日:2017年11月
代表者:沖山 翔
所在地:東京都千代田区有楽町1丁目10番1号 有楽町ビル 11階
ホームページ:https://aillis.jp

▼お問い合わせ先
アイリス株式会社 広報 田中・塩田
e-mail:info@aillis.jp

▼医療関係者のお問い合わせ先
https://nodoca.aillis.jp/contact

※注釈
(1)https://www.kaggle.com/rankings?group=competitions&page=1&pageSize=20のデータを元に当社が確認する限りの情報(2023年3月6日現在)
(2) https://www.kaggle.com/yujiariyasu
(3) https://www.kaggle.com/analokamus

タイトルとURLをコピーしました