- りんごの黒星病に対する新規殺菌剤「ミギワ20フロアブル」の開発の背景
・2016年に青森県下で、当時使用されていた黒星病防除薬剤に対する感受性低下(薬剤耐性菌の出現)が原因でりんごの黒星病が大発生し、一刻も早い新規系統の殺菌剤の開発・販売が望まれた。
・2018年に青森県より日本曹達の新規殺菌剤「ミギワ20フロアブル」の早期登録要望書を農林水産省へ提出、続いて当社より優先審査の希望書の提出を行い、優先審査が開始される。
・2020年7月に新規登録薬剤では初めての優先審査での登録認可。
・2021年2月より、青森県を皮切りに先行販売開始。(2022年12月全国販売開始)
「ミギワ20フロアブル」は、通常では農薬の登録申請から登録認可まで約3年かかるところ、1年3カ月という短期間で登録が認可されました。本製品の早期登録・販売が可能となったのも三村知事をはじめ関係団体から農林水産省へご要望いただいたことによるものと感謝いたしております。
現在「ミギワ20フロアブル」はりんごの黒星病の主要防除薬剤としてご使用いただいており、今後も引き続き青森県をはじめとした各地のりんご生産の一助となれば幸いです。また2022年12月より全国販売を開始したことにより、りんごのみならず、なしやぶどうなどの各種果樹の病害防除にご活用いただけるよう、普及を進めてまいります。
- 殺菌剤「ミギワ20フロアブル」の特長
・新規有効成分キノプロール(一般名:イプフルフェノキン)を
20.0%含有します。
・新規の作用機構(殺菌剤分類:52、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ〔DHODH〕阻害)で既存剤の耐性菌にも有効です。
・黒星病、うどんこ病、晩腐病などを対象とした広い殺菌スペクトラムを有します。
・予防効果主体の殺菌剤で、浸透移行性も示します。
【製品ページ】( https://www.nippon-soda.co.jp/nougyo/seihin/migiwa20.html )
- 今後の展望
有効成分キノプロール(一般名:イプフルフェノキン)は、国内で広く使用されているDMI剤やストロビルリン系剤に耐性のあるリンゴ黒星病菌に卓越した効果を示すほか、ストロビルリン系剤に耐性のあるブドウ晩腐病菌にも有効であり、農業生産現場における耐性菌の問題を解決する新剤として期待されております。また、豆類や野菜などの灰色かび病や菌核病などの病害にも有効であることから、これらの作物・病害を対象とする「ミギワ10フロアブル」を開発中であり、2023年内の販売開始に向けて鋭意準備を進めております。
さらに、韓国においては日本と同じ20%フロアブル剤の登録を取得し2023年の販売を目指しているほか、米国、欧州やブラジルにおいても開発を進めています。特に米国では原体登録を取得し、Reduced Risk(リスク低減の可能性のある製品)に認定され、薬剤の安全性と必要性が認められており、早期の販売開始に向けて準備を進めております。今後さらに多くの国々でグローバルに開発を進めてまいります。
日本曹達は今回の栄誉を励みとし、引き続き効力に優れ、安全性が高く環境に配慮した農薬の開発を通じて、食糧安全保障と持続可能な農業に貢献してまいります。
■【日本曹達 農業化学品事業部 公式ホームページ】( https://www.nippon-soda.co.jp/nougyo/ )
■日本曹達株式会社について
日本曹達は1920年の創立以来、独自の技術とノウハウを蓄積し、農薬、医薬品、特殊化学品など高機能・高付加価値の化学製品を提供してまいりました。また、化学物質を取り扱う企業として、レスポンシブル・ケアの考え方を常に意識し、環境、安全、健康に配慮した事業活動を行ってまいりました。これからも独創的な技術や製品を通じて、新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献していきます。
参照URL:日本曹達株式会社 ( https://www.nippon-soda.co.jp/ )
【お問い合わせ先】
日本曹達株式会社 総務部 広報・IR課
TEL:03-3245-6053 Email:info@nissogr.com
以 上