トルコ・シリア地震-農民に今すぐ支援を

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2023年2月6日にトルコとシリア・アラブ共和国を襲った地震による甚大な被害が明らかになるにつれ、国際連合食糧農業機関(FAO)は、両国の農村地域のニーズに焦点を当てた支援活動を拡大しています。農村地域では、近隣の町や都市からの被災者の受け入れなど、厳しい状況下に置かれていますが、その現状はまだあまり知られていません。

FAOは関係当局と協力し、状況を注意深く監視し、農業及び食料サプライチェーンへの被害を調査しています。食料生産を迅速に再開し、食料バリューチェーン全体を回復するために、被害の程度を把握し、優先的に支援すべき分野を特定しています。

FAOは、トルコにおいて政府と緊密に連携し、灌漑施設、道路、市場、貯蔵能力などの被害を受けた農業インフラの復旧に向け、対応策を検討しています。また、FAOはシリアの被災地において緊急評価を行い、作物と家畜の生産能力に大きな混乱が生じ、現在及び長期の食料安全保障が脅かされていることを示しました。その中には、家畜、農業機材、温室・灌漑・貯蔵施設等のインフラ、食料・飼料生産施設等への被害や損失が含まれます。

トルコ、シリア両国でFAOが優先して取組むべき事項は、最も被害が大きかった農村地域が基本的な食料生産を維持・回復できるようにするために、さらに地元当局が農業被害及びニーズをより広範に評価できるよう支援することです。両国において、FAOは今後1~3ヶ月の間、農業投入財(動物飼料、種苗・苗木、肥料、燃料、農機具、農業資材)の配布、獣医医療(家畜の治療とワクチン接種)支援、無条件の現金給付の供与に重点を置いた支援を行っていきます。被害・ニーズ評価及び復興計画は、今後の活動にも反映される予定です。

FAOは13年にわたり、シリアにおいて、今も続く紛争の影響下にいる農村部の人々を支援してきました。2023年のシリアに対する人道支援計画では、FAOは約300万人を支援するために、すでに約1億2,260万ドルの支援を求めていましたが、これらの人々の多くは被災地で暮らしており、今回の地震で新たな打撃を受けたことで、ニーズはさらに増え、資金需要が高まることが見込まれています。

 ・国連のシリア・アラブ共和国フラッシュ・アピール
FAOは今後3カ月にわたり、困窮する約30万人の農村部の人々を対象に、現金給付、家畜支援、及び夏作物栽培のための農業支援を行うため、1,000万ドルを必要としています。

トルコにおいても、FAOはシリアの避難民や被災者を受け入れている地域において、人々の雇用創出や生計維持に焦点を当てた支援を行ってきました。FAOはシリア難民回復計画のもと、7,180万ドルの資金で約25万人を支援することを目指しています。

・国連のトルコ・フラッシュ・アピール
FAOは今後3カ月間、被災した全10州の農村部の約90万人に緊急の生活支援と無条件の現金給付を行うため、2,500万ドルを必要としています。

FAOは、引き続き人々の生活と農業分野への地震の影響を評価する活動を支援するとともに、地震の影響を受けた農家を支援するため、速やかに支援を行っていきます。

関連リンク
・英文プレスリリース Türkiye-Syria earthquake: farmers are in need of immediate assistance
https://www.fao.org/newsroom/detail/türkiye-syria-earthquake-farmers-are-in-need-of-immediate-assistance/en
・United Nations Syrian Arab Republic Flash Appeal
https://reliefweb.int/report/syrian-arab-republic/flash-appeal-syrian-arab-republic-earthquake-february-may-2023
・United Nations Türkiye Flash Appeal
https://reliefweb.int/report/turkiye/flash-appeal-turkiye-earthquake-february-april-2023
 

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