災害時すぐに放送局を立ち上げられる「臨時災害放送局」制度をどう活かすか。『雑草ラジオ──狭くて自由なメディアで地域を変える、アマチュアたちの物語』出版のお知らせ

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英治出版(本社:東京都渋谷区、代表:原田英治)は、阪神・淡路大震災直後の神戸からインドネシアの火山地帯まで、ラジオ放送の力で防災・復興に尽力した人々の物語をまとめた書籍『雑草ラジオ──狭くて自由なメディアで地域を変える、アマチュアたちの物語』(瀬戸義章著)を2023年1月18日に発売いたしました。
近年、さまざまな災害が激化していると言われます。そんななか、携帯電話のような通信障害が起きず、手回し充電などで停電時のバッテリー問題にも対応できることが多い「ラジオ」は、災害時に最も役立つメディアのひとつだとされています。

本書は、各地でラジオ放送を使って防災・復興、さらには混乱した被災地における異文化共生や地域づくりに取り組んできた先駆者たちのストーリーが綴られ、地域の防災に関心を持つ人たちにとってのヒントが詰まった1冊です。
 

■電話申請だけで開局できる。災害時に活躍する「臨時災害放送局」
日本には、災害時に市町村がFM放送の電波を利用したラジオ局を臨時で開局できる「臨時災害放送局」制度があります。緊急時には、電話にて口頭で免許申請ができ、放送に必要な機材一式を無償で貸与してもらうことができます。この仕組みは、阪神・淡路大震災の経験などを踏まえて1995年2月に制度化。2011年3月に起きた東日本大震災の被災地では、のべ35の臨時災害放送局が開設され、被災者の生活安定に寄与する情報が流されました。日本のこの制度は、2021年にインドネシアでも制度化される際に参考にされたと言われています。
▼参考:臨時災害放送局 開設・運用の手引き(総務省 信越総合通信局)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000647897.pdf

■専門知識も経験もない人が災害ラジオ局を立ち上げるための知恵
緊急時に災害ラジオ局を立ち上げる際には、放送経験者がいないことも。本書には、ラジオ放送の経験も専門知識もなかった人々がラジオ局を立ち上げて奮闘するエピソードが多数描かれています。また、2016年4月に発生した熊本地震の際に益城町役場が開局した「ましきさいがいエフエム」(熊本県益城町)の事例も取り上げられており、地震発生から臨時災害放送局の開設・運営までの具体的な流れを知ることができます。

■もしもラジオ局すら破壊されてしまったら──「持ち運べるラジオ局」という提案
大災害の際には、ラジオ局の設備すら破壊されてしまう可能性も。著者・瀬戸義章氏が中心となって制作した「バックパックラジオ」は、機材一式をコンパクトに収納して持ち運べるラジオ局です。本書では、このプロダクトの開発からインドネシアの火山地帯で実用化するまでのストーリーも語られます。

■国内の自治体向けに、臨時災害放送局を開設・運用する支援・訓練も実施
著者が所属する特定非営利活動法人BHNテレコム支援協議会は、臨時災害放送局の開局支援や、平時からの災害ラジオ放送の訓練を提供しています。検討したい自治体の方はぜひお問い合わせください。
▼お問い合わせ先
https://www.bhn.or.jp/inquiry/

■書籍概要
タイトル:雑草ラジオ──狭くて自由なメディアで地域を変える、アマチュアたちの物語
著者  :瀬戸義章
発売日 :2023年1月18日(水)
出版者 :英治出版
定価  :1,980円(10%税込)
ISBN     :978-4-86276-328-0

■目次
PART 1 先駆者たちの伝記
1 ⼩さなラジオ局、⽕⼭の村を変える
2 復興から、多⽂化共⽣へ
3 ラジオ局同⼠をつなぐ
PART 2 「持ち運べるラジオ局」への挑戦
1 合宿&発明コンテスト
2 インドネシアと⽇本の知恵
3 熊本地震の体験から
4 そして社会実装へ
5 災害ラジオの未来
6 おわりに ナローキャストを始めよう

■購入リンク
Amazon https://amzn.asia/d/dTfD404

■著者略歴
著者:瀬戸義章 Yoshiaki Seto
作家・ライター
特定⾮営利活動法⼈BHNテレコム⽀援協議会 プロジェクトオフィサー
1983年⽣まれ。神奈川県川崎市出⾝。⻑崎⼤学卒業。物流会社でマーケターとして勤務後、フリーに。著書に『「ゴミ」を知れば経済がわかる』(PHP研究所)、共著に『ルポ ⼀緒に⽣きてく地域をつくる。』(影書房)。

所属組織:特定非営利活動法人 BHNテレコム支援協議会
1986年ITU(国際電気通信連合)独立委員会の報告書「ミッシングリンク」における「情報通信の先進国への偏在を是正することがこの事業に関連する人々の使命である」という宣言を実現するために、1992年9月に設立。情報通信技術(ICT)を活用し、開発途上国や国内外の被災地の人々の安全・安心を守り、生活環境の改善や社会的課題の解決を目指す。(HP https://www.bhn.or.jp/

■著者への取材に関するお問い合わせ
著者・瀬戸義章氏は以下のようなテーマで講演・執筆の実績が多数あります。

・災害時ラジオ放送の国内外における歴史や実践事例
・バックパックラジオの構造、技術、開発経緯、導入状況 など

著者への取材・寄稿などのご相談は以下のお問い合わせ先までお寄せください。

英治出版株式会社
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-9-12 ピトレスクビル4F 
Tel: 03-5773-0193 FAX: 03-5773-0194
Mail:editor[アット]eijipress.co.jp(担当:上村)
URL:http://www.eijipress.co.jp
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