社会起点で目的・エコシステムの共創を推進するための「新産業共創に向けた政策提言」を実施

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100個の新産業の共創を目指す「新産業アクセラレーター」SUNDRED株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:留目 真伸、以下:SUNDRED)は、経済産業省関東経済産業局と共同で行った「令和3年度 越境人材を中核とした新産業共創エコシステム構築事業」の成果の一環として、「新産業共創に向けた政策提言」を実施しました。インタープレナー(越境人材)が自在に活躍し、様々な社会の単位において新産業の共創を推進することを可能にするため、<1>インタープレナーのコンセプトの社会・組織における実装と育成の仕組みづくり、<2>インタープレナーが活躍し、新産業を共創するための場づくり、<3>インタープレナーと場をつなぎ、活動を持続的・加速的に推進する仕組みづくり、の3つの柱でエコシステムを形成し、活性化することを提言の骨子としています。本件の詳細は「令和3年度 越境人材を中核とした新産業共創エコシステム構築事業」の事業報告書として、経済産業省関東経済産業局のサイトにて公開されています。

■「令和3年度 越境人材を中核とした新産業共創エコシステム構築事業」
SUNDREDは2019年7月の「新産業共創スタジオ」のローンチ以来、多様な社会の単位において課題を解決し「実現すべき未来」を共創していくためには、全てのセクターに潜在している「インタープレナー」の活躍が不可欠であると考え、インタープレナーを中核とした新産業共創に取り組んできました。インタープレナーとは、多様なセクターとの対話を通じて社会起点の目的を共創し、それぞれが動かせるアセットを動かし、個々の組織だけでは実現できない繋がったソリューション(エコシステム)の構築を進めて目的を実現していく、新しいタイプの自律した「社会人」のことです。社会課題の解決、新しい目的の実現と、個々の組織の事業や果たすべき機能を結び付け、継続的に発展・進化させていくことで、組織においても重要な役割を担っていきます。

「令和3年度 越境人材を中核とした新産業共創エコシステム構築事業」においては、SUNDREDの「新産業共創プロセス」を活用し、地域(栃木県那須地域、長野県伊那市と松本市を含む上伊那・松本地域)においてウェルビーイング(ハピネスキャピタル産業)、ドローン(フライングロボティクス産業)、遠隔診療(ユビキタスヘルスケア産業)等の新産業の共創を推進するとともに、自治体や地域企業・地域の活動体を含む多様なセクターのインタープレナーの発掘・組織化を進めてきました。また、インタープレナーの実態調査を実施し、その結果をもとに専門家・実践者と課題の本質の理解と解決策立案のための検討を行いました。各新産業プロジェクトの社会実装および新産業共創エコシステムにおける知財・法務に関する留意点についても専門家との対話を通じて洗い出しを行いました。

事業報告書のエグゼクティブサマリーは以下の通りです。

  • 社会起点で新しい価値を創造する新産業を創出するには、大企業、スタートアップ、地域企業、自治体、コミュニティ等の多様なステークホルダーが、一人ひとりのウェルビーイングや最大多様価値の実現といった21世紀型の価値創造の世界観と、それを実現するためのエコシステムの仮説を共有しながら、それぞれが提供する機能・製品・サービスをつなぎ合わせていくことが必要である
  • しかしながら、多様なステークホルダーが目先のビジネスから一旦離れて「実現すべき未来」や新たな目的、新産業のエコシステムの仮説を「対話」を通じて共創していく「場」はあまり多くない。そこからプロジェクトを組成し、ビジネスとして多くのアセットを巻き込みながら新産業の共創に取り組んでいる事例は更に少ない
  • 本事業では新産業共創の中心的な役割を「越境人材」が果たしていくという仮説に基づき、越境人材のコミュニティを構築するとともに、有効な越境人材を特定、新産業共創プロジェクトを組成し社会実装に向けて推進した。その結果、越境人材が更に新たな越境人材を巻き込み、短い期間で自律的にプロジェクトを推進していく基盤を地域において構築することができた
  • このことから、越境人材同士が適切なテーマについて適切な「場」で対話を行っていくことで、組織対組織の連携の模索を超え、目的志向で様々な知恵やアセットをつなぎ合わせ、新たな知識や価値を創造することが可能であると確認できた。むしろ越境人材が社会の中で行う目的共創・エコシステム仮説の共創を起点に、各企業のアセット等を活用していくことで、様々な社会の単位において多様な価値の創造が求められる、21世紀型の価値創造モデルに近づいていけると考える
  • 更に、本事業では活躍する越境人材の要件や、役割・機能の定義を行った。組織を超えて交流だけしていれば良いというものではなく、新産業共創において中心的な役割を担うためには、知識創造に貢献し、更にアセットを動かしていく力も求められる。越境人材として活躍したいと考える人は一定数以上存在することが確認できたが、その役割・機能についても社会や組織の中で十分に認知され、活躍のための仕組みが構築されているとは言えない
  • 越境人材(インタープレナー)を中核とした新産業共創の仕組みを社会として整備していくことで、最大多様価値の創造を可能にするだけでなく、21世紀型の価値創造のパラダイムをリードし、わが国が改めて存在感を示すことができるものと考える

 
■新産業共創に向けた政策提言
「令和3年度 越境人材を中核とした新産業共創エコシステム構築事業」を通じて、多様なセクターのインタープレナーが覚醒し、繋がり合うことで新産業の共創が加速していくことが明らかになりました。また、インタープレナーとして活躍したいと考えている人は各セクター、地域に相当数存在するものの、様々な障害が存在することにより本格的にその機能・役割を果たせているわけではない、という実情もわかってきました。
これらの実情を踏まえて、インタープレナーが自在に活躍し、様々な社会の単位において新産業の共創を推進していくことを可能にするため下記の提言を行いました。
 

3つの柱でエコシステムを形成し、活性化することを政策提言の骨子とする。

1. インタープレナーのコンセプトの社会・組織における実装と育成の仕組みづくり
2. インタープレナーが活躍し、新産業を共創するための場づくり
3. インタープレナーと場をつなぎ、活動を持続的・加速的に推進する仕組みづくり

これらを通じて、インタープレナーが中核となり、あらゆる社会の単位において目的と、それを実現する新産業を共創し、持続的に社会をより良い方向に進めていく世界を実現する。

 

インタープレナーを中核とした新産業共創エコシステムの構築は、社会における新しいタイプの経営資源(ヒト:インタープレナー、モノ:急速に創造されていく知識、カネ:未来志向のファイナンス、場所:リビングラボ、等)を明確化し、新しい価値創造のパラダイムへの社会変革を推進することにつながります。社会・組織の最小単位である個人がインタープレナーとして覚醒し活躍していくこと、社会・組織としてインタープレナーの活躍する仕組み・場を実装していくことで、様々な社会の単位における「実現すべき未来」を共創していくことが可能になると考えます。

政策提言の詳細については、経済産業省関東経済産業局の下記のサイトをご参照下さい。

令和3年度越境人材を中核とした新産業共創エコシステム構築事業 事業報告書
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/open_innovation/data/r3_ecosystem_houkoku.pdf

■政策提言をベースにした今後の活動等
今回の政策提言をもとに、SUNDREDでは更に多くの有識者・実践者、関連する主体との対話・連携を行い、知識創造と実証・実装を繰り返していくことで「インタープレナーを中核とした新産業共創エコシステムの構築」を推進していきます。具体的には以下のようなアクションを予定しています。
 

  • 「インタープレナー研究会」の立ち上げ(グローバル)

Topos Conference(https://futurecenteralliance-japan.org/whatsnew/16)のメンバーを中心としたグローバルの有識者を巻き込んだ「インタープレナー研究会」を立ち上げ、グローバルおよび各国での潮流と照らし合わせた上で、「インタープレナー」の定義、社会における役割の共通認識を固めていく。
 

  • 「インタープレナー研究会」の立ち上げ(日本)

ONE HR(https://onehr.amebaownd.com/)等の専門家・実践者コミュニティと連携し、日本社会および各組織において具体的にどのようにインタープレナーを活用し、新産業の共創を推進していくと良いか、研究と検証を行い、「インタープレナーを中核とした新産業共創」を日本発の新しいイノベーション・モデルとして確立していく。
 

  • インタープレナーを中核とした新産業共創の実践と各種ツール類の開発

多様なセクターのインタープレナーを巻き込んだ新産業共創プロジェクトをエコシステムに関わる企業群(スタジオパートナー)とともに推進していくとともに、新産業の共創を有効に進めていくためのツール、ソリューションを開発・提供していく。
 

  • インタープレナー・コミュニティの活性化およびインタープレナーシップ実践プログラムの展開

関連コミュニティとの連携を含めてインタープレナー・コミュニティの活動を一層活性化し、対話・知識創造を加速する。また、活躍するインタープレナーに求められるコンピテンシーを座学・コミュニティ活動・プロジェクトでの実践を通じて獲得・強化していくプログラム「BEYOND BORDERS」を広く展開していく。
 

  • シニア世代・ミドル世代のインタープレナー化の促進

 毎年100万人にも及ぶ定年退職者のインタープレナー化を社会における貴重な人的資本活用の機会と捉え、マイインターン株式会社(https://www.myintern.co.jp/)等、関連する領域の事業者と連携し、人生100年時代を見据えたシニア世代およびミドル世代のインタープレナーとしての覚醒・活躍のモデルを確立していく。
 

  • インタープレナー関連イベントの企画・実施

インタープレナー関連のイベントをシリーズで企画・実施し、インタープレナーのコンセプトの普及や、活躍するインタープレナーのロールモデルの紹介を進めていく。まずは7月6日(水)に西日本電信電話株式会社と共同で「インタープレナー交流会@QUINTBRIDGE」(※)を開催予定。(https://quintbridge-interpreneur.peatix.com/

※「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」はNTT西日本が運営するオープンイノベーション施設です。西日本・大阪 京橋から企業・スタートアップ・自治体・大学等のパートナーと共に、「業界・地域課題の解決」と「未来社会の創造」をめざし、つながりでWell-beingを実感できる社会を実現していきます。(https://www.quintbridge.jp/
 

  • リビングラボの開発促進

多様なセクターのインタープレナーが集い、具体的なソリューションの共創・実装を進める場としての「リビングラボ」を複数地域にて開発し、リビングラボの開発・運営プロセスの体系化を進めていく。一般社団法人Future Center Alliance Japan(FCAJ)(https://futurecenteralliance-japan.org/)と共同で、新しい時代に求められる「リビングラボ」のあり方、開発・運営プロセスについての研究を行う。
 

  • 新産業共創におけるインタープレナーの関わり・契約体系、および知財管理の仕組みの整備

インタープレナーの新産業共創への関わり方・契約体系(バリエーション)、および多様な主体と共創を行う際の知財管理の仕組みに関して、考え方を整理するとともに具体的なプロジェクトにおいて実装を進めていく。

これらの活動にとどまらず「インタープレナーを中核とした新産業共創エコシステム」の実現に向けて、様々な活動を展開していきます。新産業共創エコシステムの構築や、組織におけるインタープレナーの育成・活用にご興味ある方、インタープレナーとして活躍していきたいと考えているは是非、お問合せ・ご参画下さい。

■SUNDREDの新産業共創プロジェクト
SUNDREDでは2019年7月の新産業共創スタジオのローンチ以来、「ユビキタスヘルスケア産業」「フィッシュファーム産業」「ハピネスキャピタル産業」等の約12個の新産業プロジェクトを推進中です。その最大の特徴は個社単独での新規事業の開発ではなく、社会起点での新産業の共創を推進していくことで結果として各社の事業機会・投資機会の創出を進めていくというコンセプトにあります。社会起点の目的を多様な社会人との対話の中から共創し、駆動目標となるエコシステム仮説に落とし込み、エコシステム構築の中核となる事業(トリガー事業)を創出し成長を加速していくことで、エコシステム構築を進めていきます。アカデミアの知見とプロジェクトの実践を融合させた「新産業共創プロセス」、目的志向で行動する社会人「インタープレナー」のネットワーク、各所で推進されているイノベーション活動を集約して社会実装を進める「リビングラボ」の開発・運営を通じて、新しいパラダイムに求められる新産業の創出・社会実装を加速しています。

■これからの社会を牽引する「インタープレナー」について
SUNDREDはこれからの社会を牽引する人材として「インタープレナー」の開発に取り組んでいます。インタープレナーとは、組織の枠を超えて社会起点で発想し、オープンでフラットな対話を通じて目的を共創し、仲間とリソースを集めてプロジェクトを進め、目的を達成していく「社会人」のことです。全てのセクターに顕在・潜在している「インタープレナー」達が、新しい時代の価値創造の仕組みを理解し、自らの生き方について考え、動き出していくことによって新産業の共創が加速されると考えています。
SUNDREDのインタープレナー・コミュニティは、大企業、中小企業、スタートアップ、政府系公務員、自治体職員、大学研究者、医療者、教育者、プロフェッショナル、学生など各セクターから集まったインタープレナー約1,500人が参集・参画し、新産業のテーマや「実現すべき未来」について継続的に対話を行っています。昨年度は経済産業省関東経済産業局と共同で「令和3年度 越境人材を中核とした新産業共創エコシステム構築事業」を推進し、「インタープレナー(越境人材)」の育成についての政策提言を実施し、今後も益々加速させていきます。

インタープレナー
https://www.interpreneur.jp/

■会社紹介
企業名:SUNDRED株式会社
設立  :2017年3月設立
代表者:留目 真伸
本社  :東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー
オフィス :東京都港区北青山3-6-7 青山パラシオタワー11階
概要  :100個の新産業の共創を目指す「新産業アクセラレーター」。「新産業共創スタジオ」を運営し、エコシステムのデザインを起点に成長領域にリソースを集約し、新産業を共創していく。
URL  :https://sundred.co.jp

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