国連広報センターの気候変動対策のアクションを呼び掛けるキャンペーン「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」

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株式会社博報堂DYホールディングスがクリエイティブ・ボランティアとして参画する国連広報センターが呼びかけたキャンペーン「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」が今年6月から始動。9月~11月にかけて多数のメディアで気候危機や脱炭素、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて“1.5℃に抑えること”の重要性が取り上げられました。
キャンペーン活動およびメディアでの紹介等によって、気候危機や脱炭素について生活者の意識や行動に変化が起きたのか調査を実施。その結果複数メディア・媒体での情報接触と、身近でできることの啓発が重要ということが浮かび上がってきました。
(調査実施日: 2022年11月19日-20日、調査対象:全国15~79歳男女 計1,400名ずつ
<調査結果の詳細><「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」キャンペーンとは>
国連広報センターが「SDGメディア・コンパクト」に加盟する日本のメディア有志108社とともに開始した本取り組みは活動を通して賛同を集め、最終的には146メディアとともにメディアでの情報発信を実施。なぜ世界の平均気温上昇を産業革命以前と比較して1.5℃に抑える必要があるかについての理解促進、地球温暖化をはじめとする気候変動に歯止めを掛けるための具体的なアクションの提示、個人や組織に行動変容を促すことを狙いとして、2022年6月17日に始動し、推進強化期間を9月19日から11月18日として展開されました。

<調査結果のポイント>

【“1.5℃に抑えるべき”という情報発信に触れた人(情報認知者)は、33.9%】

 

  • 9月~11月のキャンペーン期間中(以下期間中)に多くのメディアで取り上げられた内容のうち、“1.5℃に抑えるべき”という情報や本キャンペーンのロゴに触れたと回答した人は(情報認知者)は33.9%。9月時点から7.6ポイント(以下pt)増加している。
  • 気候危機に関する情報について見聞きしたメディアを聞くと、情報認知者ベースでTVが76.5%、新聞が45.1%、インターネットニュースサイトが35.8%と高くなっている。またテレビ番組のジャンルではニュースやワイドショー、ドキュメンタリーなどが上位となっている。
【キャンペーンの関連情報に触れた人ほど、気候危機や脱炭素への関心が大きく高まる】
  • 期間中に“1.5℃に抑えるべき”という情報発信に触れた人(情報認知者)と、触れていない人(非情報認知者)を比較したところ、情報認知者は気候危機への危機感はTOP2で96.3%、非情報認知者はTOP2で68.3%と差が大きく、同様に今までより意識して行動したいかと聞くと情報認知者はTOP2で96.7%、非情報認知者はTOP2で68.4%と差が大きい結果となった。
  • 国連が推奨する、気候危機の抑制のために個人でできる10の行動「ACT NOW」について、情報認知者は非情報認知者よりも実践度が10%以上も高い。特に「環境に配慮した製品を選ぶ」や「周囲の人に参加してもらうように呼び掛ける」などは20 pt以上高くなっている。

<ACT NOWとは>
温室効果ガスの排出量正味ゼロの社会をつくるため、私たち個人による気候変動対策をグローバルに呼びかける
国連のキャンペーンです。移動手段から使用する電力、食べ物、そして声を上げることに至るまで、気候危機に
立ち向かうための10の行動です。詳しくはこちらをご確認ください。
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/climate_change_un/actnow/

 

【複数のメディア・媒体で情報接触するほど意識は高まる傾向。身近にできる情報発信を。】
  • 情報認知者が“1.5℃に抑えるべき”という情報と接触したメディア数は、1つが30.7%、次いで2つが27.9%。3つ以上は41.1%で、複数メディアによる情報認知者が約7割を占める。
  • 情報認知者は、接触メディアが多いほど意識変化や行動変化が高くなる傾向がある。情報接触量・回数が多いほど意識や行動に与える影響が高い。
  • 「複数の記事や番組への接触」「深刻度や内容への理解」「自分でもできることへの気づき」がキャンペーン認知により脱炭素への興味が高まった理由として上位にあがってきた。また、「1.5℃の約束」という具体数字やメッセージが強いインパクトを与えたことも影響している。理由としては、「複数の記事や番組で報道されていたから」が44.2%と高く、「長い間、何度も触れたから」が35.1%、「日々の買い物など、身近でできることがある」29.5%などが理由の上位となっている。

<調査結果を踏まえて>

気候変動対策のアクションを呼び掛けるキャンペーンである「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」は、“1.5℃という具体的な基準”を設けて、多様なメディアが生活者に呼び掛けたことが有効であったことが伺えます。
複数のメディアから、脱炭素と気候危機が関連しているという「具体的な危機感の醸成」と我々生活者も取り組む身近な問題であるという「自分事化の促進」が継続的に発信されたことで、ある程度の情報量に複数回接触することになり、生活者の意識変化や行動変化が高くなる傾向が見られました。今回のキャンペーン結果から、脱炭素社会の実現に向けて認知はしつつも、行動までは至っていない腰の重い生活者を動かす手掛かりが見えてきました。(分析担当)
博報堂SDGsプロジェクトは、脱炭素に関する生活者の意識やアクションを継続的に調査・分析しています。

先日発表した「第三回生活者の脱炭素意識&アクション調査」の結果はこちら(https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/101098/
今回は、第三・四回生活者の脱炭素意識&アクション調査の一部として、国連のクリエイティブ・ボランティアとして参画した「1.5℃の約束キャンペーン」がどの程度生活者の脱炭素に関する意識を高め、行動につながったのかを調査・分析しました。

<調査概要>
調査手法 :インターネット調査
対象者  :15-79歳の男女1,400名
※分析時は、人口の性年代構成比に基づきウェイトバック集計を実施。本資料掲載の数値はウェイトバック後のものを使用。
対象地域 :全国
調査時期 :2022年9月3日-4日(第三回)、2022年11月19日-20日(第四回)
調査委託先:(株)H.M.マーケティングリサーチ

<実施主体>
本調査は、企業のSDGsへの取り組みを支援する全社プロジェクト「博報堂SDGsプロジェクト」が実施しました。

■博報堂SDGsプロジェクト
SDGsの視点からクライアント企業のビジネスイノベーションを支援する全社的プロジェクト。マーケティング・ブランディング、PR、ビジネス開発、研究開発、クリエイティブなど、SDGsに関する経験と専門性を持つ社員で編成。次世代の経営のテーマとなる、企業の経済インパクトと社会的インパクトの統合に資するソリューション開発や経営支援、事業開発支援、マーケティング支援などを行います。
https://www.hakuhodo.co.jp/news/info/82711/

<調査結果の詳細>
■“1.5℃に抑えるべき”という情報発信に触れた人(情報認知者)について

  • 9月~11月のキャンペーン期間中(以下期間中)に多くのメディアでの露出が行われたが、“1.5℃に抑えるべき”という情報発信や本キャンペーンのロゴに触れたと回答した人は(情報認知者)は33.9%。9月時点から7.6 pt増加しており、2か月という期間の中で、一定以上の認知があることが伺える。気温上昇を「1.5℃に抑える必要があること」については26.9%となり11月は9月より+8.2%上昇。

  • 期間中に“1.5℃に抑えるべき”という情報発信に触れた人(情報認知者)のうち、キャンペーン認知経路は「テレビ」が76.5%でトップ。次いで「新聞」45.1%、インターネットニュースサイト35.8%と続く。
  • テレビ番組のジャンル別では、「ニュース・報道」93.1%、「ワイドショー」 51.1%、次いで「ドキュメンタリー・ノンフィクション」 44.7%と続く。事実をしっかりと伝える番組での認知が高い結果となった。

■“1.5℃に抑えるべき”という情報認知者と非情報認知者の意識や行動の比較

  • 期間中に“1.5℃に抑えるべき”という情報発信に触れた人(情報認知者)と、触れていない人(非情報認知者)を比較したところ、情報認知者は気候危機への危機感はTOP2で96.3%、非情報認知者はTOP2で68.3%と差が大きく、今までより意識して行動したいかと聞くと情報認知者はTOP2で96.7%、非情報認知者はTOP2で68.4%と差が大きい結果となった。

  • 国連広報センターが推奨する、気候危機の抑制のために個人でできる10の行動「ACT NOW」について
    聞くと、情報認知者は非情報認知者と比べ実践度が10%以上も高い。特に「環境に配慮した製品を選ぶ」や「周囲の人に参加してもらうように呼び掛ける」などは20pt以上高くなっている。

  • 情報を認知したメディア数は1つが30.7%、次いで2つが27.9%、3つ以上は41.1%となっている。2つ以上のメディアで情報認知した人は約7割を占める。

  • 情報認知者は、接触メディアが多いほど意識変化や行動変化が高くなる傾向がある。情報接触量が多いほど意識や行動に与える影響が高い。

  • 「複数の記事や番組への接触」「深刻度や内容への理解」「自分でもできることへの気づき」がキャンペーン認知により脱炭素への興味が高まった理由として上位にあがってきた。また、「1.5℃の約束」という具体数字やメッセージが強いインパクトを与えたことも影響している。理由としては、「複数の記事や番組で報道されていたから」が44.0%と高く、「長い間、何度も触れたから」が30.0%、「日々の買い物など、身近でできることがある」30.6%などが理由の上位となってい

     

 

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