その結果、全国のこども食堂は1,317箇所増え、7,000を超える7,331箇所であることがわかりました。コロナ禍以降(2020年2月以降)において、最も多い増加数になります。
「2018年以降は認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ、および地域ネットワーク団体調べ、2016年は朝日新聞調べ」
むすびえは「こども食堂が全国のどこにでもあり、みんなが安心して行ける場所となるよう環境を整える」ことをミッションとしており、2025年には、全小学校区(現在18,851校。文科省「令和4年度学校基本調査」による)に対して1つ以上のこども食堂がある状態を目指しています。本調査は、その実現のための調査研究事業として、2018年より毎年行なっています。
本調査は、むすびえが全国のこども食堂地域ネットワーク団体、県庁、県社会福祉協議会など、こども食堂に関わるあらゆる関係者にご協力いただいて実施したものです(2022年9月〜11月)。必要に応じて、個々の市町村・社協に電話をかけて確認することもありました(都道府県ごとの回答者は別表1参照)。
ただし、自治体等への届出を要しない民間活動であることから、すべてを網羅できていない可能性は残ります。
その意味で「少なくともここまでは確認できた」という数字になります。
- こども食堂の箇所数は2021年より1,317箇所増え、7,331箇所となった。
2018~2019年の1,432箇所増に次いで過去2番目の増加数であり、コロナ禍以降(2020年2月以降)においては最も多い増加数でした。
もっとも箇所数が多いのは、東京都(839箇所)、次いで大阪府(613箇所)、神奈川県(396箇所)。上位2都府は2021年と変わらず、上位3番目は兵庫県から神奈川県になりました。逆に、もっとも箇所数が少ないのは、秋田県(30箇所)、富山県(37箇所)、福井県(40箇所)でした。
昨年度からの増加数では、大阪府(143箇所)、次いで愛知県(101箇所)、東京都(92箇所)。増加率では、島根県(184.00%)、徳島県(80.00%)、鹿児島県(58.67%)が上位となりました。
また、小学校区に対するこども食堂の充足率(校区実施率)は、沖縄県(55.89%)、次いで滋賀県(49.54%)、鳥取県(43.97%)が上位となりました。一方、充足率が低いのは、秋田県(11.36%)、長崎県(12.14%)、岡山県(12.43%)でした。
さらに、充足率(校区実施率)は重要な指標であるものの、他方で小学校の統廃合が進んでいる都道府県ほど充足率が見かけ上高く出るという不都合も生じかねないため、人口比指標(人口10万人あたりのこども食堂数)も併せて発表しています。人口比は、沖縄県(19.79箇所)、次いで高知県(13.12箇所)、鳥取県(12.69箇所)が上位となりました。一方、人口比が少なかったのは、秋田県(3.14箇所)、長崎県(3.18箇所)、岡山県(3.30箇所)であり、人口比2位の高知県のみ充足率と順位が異なる結果となりました。
- 今年度、増加率で1位だった島根県の 島根県社会福祉協議会 地域福祉部 地域福祉係長 檜谷春彦氏は、箇所数調査の結果を受けて、次のようにコメントしました。
2020年にむすびえから発表された子ども食堂の全国箇所数調査の結果に衝撃を受けたところから私たちの活動が本格化していきました。
島根県では、食を通じた居場所づくりがこれまでも多くの地域で取り組まれていましたが、2020年の調査結果では子ども食堂数は18でした。
この調査結果が発表される前から子ども食堂の取り組みを推進するため様々な取り組みについて検討していましたが、2021年度より島根県からの委託を受けて「子ども食堂サポート事業」がスタートしました。コロナ禍ではありましたが、むすびえをはじめ関係機関・団体のみなさまのご協力をいただいた結果、2020年度と比べて3倍以上となる子ども食堂が活動をしています。今後も引き続き子ども食堂の立ち上げや運営を支援するとともに、子ども食堂がない地域への広がりや県民が子ども食堂を応援できる仕組みづくりを進めていきたいと考えています。
(社会福祉法人 島根県社会福祉協議会 地域福祉部 地域福祉係長 檜谷春彦)
他地域の受け止めコメントは資料3を、ご覧ください。
- 調査資料
・資料1:こども食堂全国箇所数調査2022結果のポイント
https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2022/12/beca0d09c154d4dfdbdd5ec989758e1e-1.pdf
・資料2:都道府県別箇所数・充足率等一覧
https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2022/12/3ec502ac1e03cbb537f012ed536a7377.pdf
・資料3:各県からのコメント
https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2022/12/11d4f4b19d966a117c4490be0d10a5a2.pdf
・別表1:都道府県別_回答主体および充足率・人口比内訳
https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2022/12/e2f7aff25a88a8de7bde2030f6c9448a.pdf
・別表2:調査指標別_都道府県順位
https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2022/12/eeb288026e18c5a8d44ed20550769099.pdf
【その他:2022年12月15日発表時の資料】
・今日もっともお伝えしたいこと
https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2022/12/5d0b2dd7bbc9385a65ee83185f99b21c.pdf
【認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ について】
代表者 : 理事長 湯浅 誠(社会活動家・東京大学特任教授)
所在地 : 東京都新宿区西新宿1丁目20番3号 西新宿髙木ビル7階
設立:2018年12月(2021年5月認定NPO法人取得、10月グッドガバナンス認証取得)
むすびえは、ビジョンである「全国に広がるこども食堂を通じて誰も取りこぼさない社会をつくる」ために、こども食堂が全国のどこにでもあり、みんなが安心して行ける場所となるよう環境を整え、こども食堂を通じて、多くの人たちが未来をつくる社会活動に参加できるように活動しています。具体的には、こども食堂の実態を明らかにし普及・啓発する調査研究、各地域のこども食堂ネットワークを支援する地域ネットワーク支援事業、企業・団体とこども食堂支援を行う企業・団体との連携事業を行っています。
コロナ禍では2020年3月5日に「新型コロナウィルス対策緊急プロジェクト」を立ち上げ、「むすびえ・こども食堂基金」の創設や感染症対策の動画コンテンツ等を作成し発表。2021年度は、のべ796団体に約2.7億円の助成を行った他、のべ42企業等からの物資等支援をのべ12,503団体へ仲介した(売価計算で約7.6億円)。
https://musubie.org/
【こども食堂 について】
地域食堂、みんなの家などという名称にかかわらず、子どもが一人でも安心して来られる無料または低額の食堂。「子どもの貧困対策」と「地域交流拠点」の2つの大きな軸があり、制度の裏付けはありませんが、箇所数は7,331(2022.12)発表。むすびえ、地域ネットワーク団体調べ)あることが明らかになってます。(参考:全国の小学校は約2万校、中学校は約1万校、児童館は約4,000カ所。)
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