【国際協力NGO ADRA Japan】エチオピア北部で紛争被災者への支援を開始

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本活動は2020年11月に始まったエチオピア北部紛争の被災者に必要な支援を届けることを目的としており、戦闘によって破壊された給水設備の修繕、学校のトイレの修復、衛生用品(ポリタンク、洗面器、バケツ、石鹸、生理用ナプキン)の配付、衛生啓発研修に取り組みます。
認定NPO法人ADRA Japan (アドラ・ジャパン、 所在地:東京都渋⾕区神宮前1-11-1 理事長:柴⽥俊生)は、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(東京都千代田区)の助成を受けて、2022年11月30日より「エチオピア アムハラ州北ウォロ県紛争危機対応水衛生支援」を開始しました。

エチオピアでは2020年11月よりティグライ人民解放戦線(TPLF)と連邦政府の間で武力衝突が続いており、2022年11月2日に双方が和平合意に調印するまでに、人々の生活に甚大な被害をもたらしました。
戦闘の激しかったティグライ州や近隣州から多くの人々が避難し、国内外で避難生活を強いられています。 また、学校、病院や診療所といった保健施設、給水設備など、あらゆるインフラが破壊されました。さらに、農作物や家畜、田畑、家屋なども大きな被害を受けています。

 この紛争に加えて、エチオピアを含む「アフリカの角」と呼ばれるアフリカ東部で深刻化している干ばつのほか、世界で起こっている戦争の影響を受けた食糧価格の高騰、さらにエチオピア国内の物価の高騰が人々を苦しめています。

 このような状況の中、現在エチオピアで何らかの支援を必要としている人の数は2000万人にのぼり、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、この紛争と干ばつによって国内で避難を強いられている人(国内避難民)が272万人、戦闘の停止後に避難先から戻り、生活の立て直しが必要な人(帰還民)が約200万人います。このほか、ティグライ州内にも、支援を必要としている人が多く残っています。

メルサ国内避難民滞在施設メルサ国内避難民滞在施設

 

メルサ国内避難民滞在施設メルサ国内避難民滞在施設

戦闘の停止と和平合意を受け、食料や飲料水、医療サービスといった緊急支援に加え、破壊されたインフラの修繕や帰還支援のような復興支援が必要になる中で、ADRA Japan はティグライ州の隣に位置するアムハラ州北ウォロ県の3つの村にて、水衛生分野の支援活動に取り組みます。

 北ウォロ県では、戦闘によって給水設備が破壊され、人々は安全な水を手に入れることができません。衛生的なトイレを使える人も限られ、野外排泄による衛生状況の悪化により感染症が流行しています。水衛生分野の支援は人間が健康に尊厳をもって生きるためにもとても重要です。具体的な活動内容は以下の通りです。

 

事業の概要
(1) 給水設備の修繕
給水設備が破壊されたために、住民は毎日数時間かけて水を汲んだり、安全ではない川の水などを使用したりしており、水汲みによる身体的な負担のほか、感染症の発生などの健康被害が出ています。紛争によって破壊され、水を汲み上げることができなくなった井戸にソーラーパネルを電源とする揚水設備を建設することで、住民の負担を減らし、健康を守ります。また、住民が主体となって設備を管理し、整備や修繕していけるように人材育成や組織支援にも取り組みます。

 

修繕予定の給水設備修繕予定の給水設備

(2)学校のトイレの修繕
紛争によってトイレが破壊されてしまったため、児童は野外で排泄をせざるを得ない状況にあります。児童の尊厳を守り、学校の衛生環境を向上するため、3村の学校でトイレの整備を行います。これにより、合計900人の児童が安全にトイレを使用できるようになり、安心して学校に通える環境をつくります。

(3) 避難民のための簡易トイレの建設
活動予定の3つの村には、戦闘が激しかった ティグライ州内や州境地域から避難してきた人々が住んでいます。公園や公共のスペースで生活している人も多く、使用できるトイレがないため、野外で排泄せざるをえない状況です。衛生環境の悪化のほか、特に夜間は性的被害にあう危険性が高まります 。衛生環境の悪化を食い止め、人々の尊厳と安全を守るため、避難生活を強いられている人々が利用できる簡易的なトイレを建設します。

(4)  衛生啓発活動の実施
紛争によって被災した地域ではコレラやマラリア、腸チフスや赤痢といった感染症が発生しています。また、衛生的な生活習慣と適切な対処方法を知っていれば発生を防ぐことができる感染症や下痢症によって子どもたちが生命の危機にさらされています。そこで、衛生知識の普及や衛生習慣の獲得・向上を目指す啓発活動に取り組み、感染症をはじめとする病気の予防に貢献します。

(5) 衛生物資の配付
紛争の被災地域では食料や医薬品を含む様々な物資が不足しています。その一つが衛生的な生活を送るのに必要な物資です。衛生啓発活動だけでは補えないニーズを満たし、衛生習慣の改善を促すため、ポリタンク、洗面器、バケツ、石鹸、生理用ナプキンといった衛生用品を配付します。

担当スタッフの声
鈴木昌則(すずき まさのり・神奈川県出身)
ADRA Japanプログラム・オフィサー 事業担当
「紛争の被害を受けた人々が、安全に水にアクセスでき、衛生的な生活を送り、下痢症といった感染症を予防できるように活動を実施していきます。まだまだ現地の治安状況は先き行きが不透明なため、スタッフの安全を日々確認しながら、確実に支援を届けてまいります。」

 守屋円花(もりや まどか・静岡県出身)
ADRA Japanプログラム・オフィサー 事業副担当
「私たちが普段心配する必要もない、水やトイレの使用。そんな当たり前を、エチオピアの方々にも届けられるよう活動していきます。」

ADRA Japanは、厳しい毎日を強いられながらも前を向き、生活を立て直そうとしている方々一人ひとりに寄り添い、支援活動に取り組んでまいります。この事業の活動状況はADRA JapanのブログやSNSを通じて発信してまいります。下記のリンクからお読みいただけますので、ぜひフォローや「いいね」での応援をお願いいたします。

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アドラ・ジャパン(ADRA Japan)は、世界中約120ヶ国に支部を持つ世界最大規模の国際NGO、ADRAの日本支部です。各国ADRA支部や国連等のパートナー団体と連携し、「ひとつの命から世界を変える」をモットーに人種・宗教・政治の区別なく、紛争や自然災害の被災地また途上国において、一人ひとりに寄り添い、自立を助ける支援に取り組んでいます。

 

 

 

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