【実証実験】天神明治通りテラス 第2弾『天神アートプロジェクト』12/5~16開催

この記事は約7分で読めます。
福岡市・天神エリアの街づくりを推進する「天神明治通り街づくり協議会(MDC)」では、天神中心部におけるオープンスペースの将来的な有効活用を見据えた実証実験イベント「天神明治通りテラス」第2弾として、九州大学⼤学院芸術⼯学研究院と協働で、オフィスビルの空き区画を活用したイベント『天神アートプロジェクト』を12月5日から12月16日までの期間限定で開催いたします。

「天神明治通りテラス」第1弾では、11月7日から11月18日までの期間中、明治通り沿いにある2か所の公開空地を活用して、屋外ビジネス空間の創出(電源・Wi-Fi環境の構築)やマルシェ・キッチンカーの出店、ビジネス交流イベント等を実施し、多くの皆さまにご利用いただきました。

今回の『天神アートプロジェクト』は、明治通り沿いにあるオフィスビル「福岡天神センタービル」1階の空き区画をアート空間に転用するものです。以前は銀行が入居していた区画だったストーリー性に着目し、芸術を専攻する学生の皆さんのアイデアによる唯一無二の世界観を演出いたします。また、天神地区は古くは武家屋敷が集積するエリアだったことから、武家社会の頃に始まった礼法である「折形(おりがた)」をテーマに、ご来場の皆さまが気軽に楽しくご参加いただける折形体験ブースも設けます。

“天神ビッグバン”に伴う建替えが相次ぐなど、まちの大転換期を迎える天神地区。MDCでは、ビルの機能更新にあわせて「集客」「交流」「創造」を生み出す機能の導入を目指しています。今回の実証実験が、天神都心部への将来的なアート要素導入のプロトタイプ的位置づけとなり、学生と来街者・就業者の交流、新たな文化の発信につながればと考えております。

 

  • 実証実験「天神明治通りテラス」第2弾 『天神アートプロジェクト』の概要

【開催日時】
2022年12月5日(月)~12月16日(金)※平日のみ
各日とも第1部/12時~15時、第2部/17時~20時

【場所】
福岡天神センタービル(福岡市中央区天神二丁目14-8)
1階区画〔銀行跡、約350坪〕

【主催】
天神明治通り街づくり協議会、齋藤俊⽂研究室(九州大学⼤学院芸術⼯学研究院)

【協力】
野村不動産㈱、㈱竹中工務店、We Love 天神協議会、福岡市(Fukuoka Art Next)、Artist Cafe Fukuoka、㈱齋藤事務所、九州大学総合研究博物館、福岡県立美術館、㈱インキューブ西鉄

【入場料】
無料

【目的】
・都心部の空き区画の有効活用
・アートの導入による街の付加価値向上
・天神来街者、就業者のリフレッシュ空間の創出
・天神のステークホルダーと学生との交流促進
・天神エリアの歴史性の再認識と、将来への期待感醸成

【展示コンセプト】
「街と⼈に思いを馳せる」
絶えず移りゆく天神の中で過ごす来街者や就業者が、本展⽰会場の⼟地の歴史の⽂脈から着想を得た「折る・重ねる」という⾏為を通じて「ありのままに⽴ち返る、街と⾃分との関係性を捉えなおす」きっかけとなる空間づくりを、複数の企画から総合的にアプローチしたいと考えています。
(九州大学アートコレクティブ 齋藤俊文研究室)

【内容】
①中央展示スペース
企画名「渦(うず)/流(ながれ)」 作品番号:TAP001

中央展示スペースイメージ(上:昼間帯、下:夜間帯)

②個別企画
「街と⼈に思いを馳せる」をキーワードに、展⽰全体に更なる広がりをもたせる個別展⽰を銀行跡地内で⾏います。※位置につきましては次頁資料をご参照ください。

 

作品番号、企画名 概要
TAP002 内面鏡 明治通りを歩く人々に向けた対話型の作品。物体認識技術を応用し、識別した振る舞いに応じて、PCの判断したオノマトペ(擬音語、擬態語)をモニターに表⽰する。
TAP003 remember. 天神ビッグバンで変化するこの⼟地が、今も変わらず「⿎動」しつづける様を、経済学における銀⾏のたとえ、「⼼臓」になぞらえて表現する作品。⽴体的に浮かび上がった「⼼臓」は、カメラが認識したその場の鑑賞者の⼈数に応じて⿎動の速さが変化する。
TAP004 エイプリルフールに「私は幸せです」を持ってもらう エイプリルフールに、「私は幸せです」と書かれたプレートを持った⼈々の姿から、どんな意味を⾒出すか来場者に投げかける鑑賞型映像作品。
TAP005 マグミー 銀行の設備だった鉄格⼦の特性を利⽤した作品。鉄格⼦の中⼼に配置された⽅位磁針は、モーターによって制御されており、さまざまな方位を指し続けている。モニターには、鉄格⼦内をリアルタイムで撮影した映像が映し出されている。影の様な物の蠢き(うごめき)が確認でき、絶えず空間に“存在”を表現する。
TAP006 原洋 奥まった閉鎖的かつ照明を落とした⾮⽇常空間で、天神都心部で採集された “天神の⾳”を、限られた光とともに提示する。光と⾳の同期に包まれた空間全体で天神という都市の⿎動を演出する。
TAP007 途次にて 街ゆく人々に同期して発する「音」。窓枠ごとに基準線を設け、カメラによって、通りを通過した歩行者や車を画像認識し、変換して音を発生する。その瞬間だけに生まれる音の掛け合わせによって、天神の流動的な装いを表現する。
TAP008 天神サロン 九⼤博物館から借⽤した什器を設置し、昭和通りが⾒える⼤きな窓を前に、誰もが⼀息つける場づくりを⾏う。さらに参加者同⼠の交流、会話を喚起するためのコンテンツを展⽰(予定)
TAP009 言葉の取引所 鑑賞者が持ち寄った⾔葉 (感情、思惑、テーマなど)を⼊⼒し、為替市場のような形で取引を行う。⾔葉や気持ちの循環及びコミュニケーションの促進を⽬指す。
TAP010 折(おる)

折形体験ブース

鑑賞者に和紙を折り重ねた作品を⾃由に制作してもらい、出来上がった作品を天井から吊るしていくことで完成する、鑑賞者参加型の作品。※折形・・・人に金品を贈る時に、感謝の気持ちを込めて和紙で包む手法で、六百年以上の歴史を持つ武家社会の礼法。金品を包む「折形」と「銀行跡」という場所の親和性に着目しました。

個別企画イメージ

TAP005「マグミー」

 

TAP008「天神サロン」

【その他】
「天神明治通りテラス」のネーミングには、居心地の良い空間を想起させる“テラス(terrace)”と、新たな居場所としてスポットを当てる“照らす” の2つの想いが込められています。
 

  • (参考)『天神アートプロジェクト』会場レイアウト

 

(明治通り側)
 

  • (参考)天神明治通り街づくり協議会の概要
天神明治通り街づくり協議会

天神明治通り地区(約17ヘクタール)における老朽建物の建替え推進を目的として2008年に発足した地権者組織です。“アジアで最も創造的なビジネス街“の実現に向け、地区の将来像を描いた「天神明治通りグランドデザイン」に沿った街づくりを推進しています。

 

  • (参考)齋藤俊⽂研究室(九州大学⼤学院芸術⼯学研究院・コミュニケーションデザイン)の概要

場に応じた豊かなコミュニケーションの醸成を目的として、多様な専門分野、得意分野を持つ学生たちが集まりアートコレクティブを結成。企画・デザインから制作・社会実装までを行っています。オーディエンスの“気づき”を誘う新しいコミュニケーション表現、ユニークなメディアデザインをつねに求めています。齋藤俊文はクリエイティブディレクターとして、文化庁「文化力」プロジェクト、TOKYO GUNDAM PROJECT、GUNDAM FACTORY YOKOHAMA、NHK爆問学問、宮若国際芸術トリエンナーレ他、社会・文化・教養に関わる数多くのコミュニケーションを手掛けています。

  • (参考)天神アートプロジェクトロゴマークについて

2020年に閉館した天神コアのロゴ(デザイン:福田繁雄氏)を彷彿とさせる「天」の文字から、Artの「A」が浮かびあがります。それは未来への道筋を示すパースペクティブ(遠近法)であり、神社の鳥居のようにも見えます。
(c) Toshifumi Saito Laboratory, Kyushu University Faculty of Design

タイトルとURLをコピーしました