IMSグループ 医療財団法人 明理会 東京大和病院 婦人科でのロボット支援下手術対応を開始。泌尿器科に続き、低侵襲かつ患者さんにも影響をあたえにくいロボット支援下手術で女性の健康を支援

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IMS(イムス)グループ 医療法人財団 明理会 東京大和病院(所在地:東京都板橋区本町36-3、代表者:明樂重夫、以下「当院」)は、泌尿器科で導入の実績があったロボット支援下手術を、この度婦人科での手術でも対応・実施することを決定いたしました。すでに婦人科でも行っている腹腔鏡手術と合わせ、女性のQOL向上に貢献してまいります。

■ロボット支援下手術について

 導入を決定したロボット支援下手術は、人間の目と手の限界を超えた細かい手技が可能で、手術を精密に行っていくことが可能です。当院が得意とし、執刀例も豊富な腹腔鏡手術と同様に傷が非常に小さいため、術後の痛みが少なく早期の社会復帰が望めるのもメリットです。

 ロボット支援下手術以外にも手術設備を備えており、骨盤臓器脱治療に対するロボット支援下での仙骨膣固定術も行っています。

 ロボット支援下手術以外にも婦人科では、腹腔鏡手術も対応しており、こちらは傷が小さく身体への負担が少ないのがメリットです。しかし、子宮筋腫の手術の場合、筋腫の場所や大きさ、数によっては出血量が増えるなどのリスクが高まることがあります。

 一方、開腹手術は傷は大きいものの筋腫による制限がなく、筋腫の取り残しが少ないメリットがあります。また、粘膜下筋腫の場合、子宮鏡手術によって体に傷が残らない、極めて体に優しい方法で取り除けることがあります。

 当院では患者さんの状態や術後の生活に合わせ、最適な治療が行えるよう、日々設備等を拡充しております。
 

・明樂 重夫 病院長
1983年日本医科大学卒業、1987年同大学大学院修了。東部地域病院婦人科医長、日本医科大学付属病院産婦人科病棟医長を経て、2011年より日本医科大学産婦人科教授。2022年4月より現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。生物学的な視点で医学を考えたいと産婦人科医師に。女性医療、女性ヘルスケア領域の確立に尽力。
 

・明理会東京大和病院
「全ての患者さんを笑顔にする医療・看護の提供」を基本理念とする。令和4年4月、病院名を明理会大和病院とし、これまでの腎泌尿器センターの専門性を維持させながら内科、消化器科、整形外科、皮膚科などを充実させた総合病院へ。内視鏡手術やロボット支援下手術をはじめ、高度かつ身体にやさしい質の高い医療サービスを提供。先端医療と人間力で患者さんを支え、地域に愛される病院を目指しています。

●女性医療の現場から~明理会東京大和病院「その不調、“子宮冷え”ではありませんか?」【医師監修】●

 冬は体調を崩しやすい季節ですが、中でも女性に多い悩みとして聞かれるのが“冷え性”です。
 ところで、女性特有の臓器である子宮にも“冷え性”があるのをご存じですか?“子宮冷え”と言われ、子宮周りにある子宮動脈の血流が滞ることを指す言葉です。医学的な定義ではありませんが情報番組で取り上げられて話題になりました。
 子宮冷えの原因は、意外にも座ることが多い現代の生活習慣が関係していると言われています。長時間座っていることで足の血管が圧迫されて血行が悪くなるためです。

■たかが冷えと油断しないで!
 血行不良やホルモンバランスの乱れにつながる冷え性は、頭痛や疲労感、肩こりなどさまざまな不調をもたらすことがありますが、血液が滞ることによって起きる“子宮冷え”も女性にとっては大敵です。月経痛や月経不順につながるだけでなく、放っておくと「子宮内膜症」や「子宮筋腫」といった子宮関連の疾患を引き起こす原因になり得ることも考えられます。

 頭痛や肩こりといった冷えがもたらす体の不調だけではなく、たとえば階段を上ると息苦しさを感じるなどの症状がある場合、子宮内膜症や子宮腺筋症により月経血量が増え貧血になっている可能性もありますので、より注意が必要です。

■女性の生活の質の維持・向上のための包括的な医療
 残念ながら、婦人科系の不調があっても婦人科や産婦人科を受診するのは敷居が高いという方は少なくありません。そのため、従来の産婦人科医療に求められた「周産期」、「腫瘍」、「不妊」といった領域だけではなく、思春期医療、更年期医療をはじめとして、女性心身医学、女性内科、女性スポーツ医学といった「QOL(生活の質)の維持・向上のために、女性に特有な心身にまつわる疾患を主として予防医学の観点から取り扱うことを目的とする(日本産科婦人科学会による定義)」医療に取り組まれている病院もあり、当院もその一つです。
 冬の不調を感じたら、自分をいたわる機会と捉え、婦人科や産婦人科を受診されてみてもよいかもしれません。

●知ってほしい!「子宮筋腫」と「子宮内膜症」●
 ここからは、子宮の疾患として多い「子宮筋腫」と「子宮内膜症」を取り上げ、明理会東京大和病院の明樂重夫病院長が解説します。明樂病院長は、患者様とじっくり向き合い、数多くの選択肢からベストな治療法を提示するという治療方針のもと、女性医療、女性ヘルスケア領域の確立に尽力しています。

■子宮筋腫
 子宮の平滑筋に発症する良性の腫瘍で、卵巣から分泌される女性ホルモンによって大きくなるため、閉経後は小さくなるのが特徴です。子宮の内側にできる「粘膜下筋腫」、子宮の筋肉の中にできる「筋層内筋腫」、子宮の外側にできる「漿膜下(しょうまくか)筋腫」の3つに分類されます。腫瘍は単体でも、複数でもできることがあります。

・子宮筋腫がもたらすリスク
 筋腫ができた場所で症状は違います。「粘膜下筋腫」の場合、何度もナプキンを変えるほど月経血量が増え、場合によっては鉄欠乏性貧血を起こすことも。一方、「筋層内筋腫」や「漿膜下筋腫」は子宮の外側で大きくなるため特に症状もなく気づかないこともあります。また、筋腫が巨大になると臓器が圧迫されて頻尿、乏尿などの尿トラブルや便秘を引き起こしたり、足の血管に血栓症ができたりすることもあります。

■治療について
 基本的に良性筋腫は症状がなければ放っておいてもよいのですが、不妊症や不正出血、月経困難症の原因になるようだと治療をお勧めします。

 治療は、女性ホルモンを抑えて閉経に近い状態にすることで、子宮筋腫の病変を小さくさせるための「ホルモン療法」や、止血剤によって月経血の量を減らすことで症状の軽減を図る「対症療法」、そして「手術療法」の3つになります。手術療法は、日常生活に大きな支障をきたしている方のみ行います。

 子宮筋腫は、治療法が多い上に閉経によって症状が治まっていくという複雑な側面があるため、主治医と信頼関係を構築した上で適した方法を選ぶことが大切です。

●子宮内膜症
 子宮の内側にある子宮内膜は、妊娠の準備のために卵巣ホルモンにより厚みを増しますが、妊娠しなかった場合は剥がれて腟から外に流れます。しかし、さまざまな原因で剥がれた子宮内膜の組織が子宮以外の場所で増殖することがあります。これが子宮内膜症です。この内膜組織は体外に排出されないため、慢性の炎症による痛みや癒着を引き起こします。

●子宮内膜症がもたらすリスク
 子宮内膜症は妊娠中や閉経後は発症しません。逆に初経年齢の早い人、月経周期の短い人、妊娠をしないことで、発症しやすくなります。

 月経痛が初発症状のことが多く、子宮内膜症ができた場所によっては不妊の原因になったり、排便痛や性交痛などの痛みや卵巣がんを発症することがあります。

●検査について
・問診、内診:問診でさまざまな症状の確認後、内診をします。子宮、ダグラス窩や卵巣の動きや痛みをチェック。骨盤深部に子宮内膜症がある場合は、直腸診で病巣の位置や進行具合を診ることもあります。
・経腟エコーと経直腸エコー:病巣のサイズや可動性、癒着の程度など多くの情報が得られる検査です。

・MRI:病変が子宮内膜症か、がんかの判別に有用です(当院では2023年7月より導入予定)また、補助的検査として血中の腫瘍マーカー測定も実施しています。

 

 子宮内膜症は命に直接かかわることはありませんが、女性のQOLを著しく障害する疾患です。どんな治療法でも完治は難しく、症状をコントロールしながら患者さんのライフステージに応じた適切な治療法を選択していく必要があります。治療を迷う方も多く、当院では、症状、年齢、妊娠希望の有無、家庭環境や閉経後の生活も含めて、患者さんがベストの治療法を選べるように提案しています。
 

 

●手術について
 子宮内膜症の手術のポイントは子宮・卵巣を元の状態に戻し自然妊娠しやすい状態をめざすこと。卵巣の病変を不用意に除去すると卵巣機能を損なう恐れもあるため、当院では病巣の完全除去と機能を残すことのバランスに留意して、卵巣に優しい手術を心がけています。また、病変が骨盤深部に及ぶと子宮と卵巣、腸の癒着がひどくなり、無理に剥がすと腸管に穴が空いて人工肛門になる恐れもあるため、尿管や直腸を剥離して十分なサージカルスペースを作った後に、病変の切除を図るという系統的な手術を実践することが大切です。当院では子宮内膜症の専門医師がいるため、一般的には難しい手術も安全性を考慮した上で積極的に取り組んでいます。

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