ナウマンゾウの100年に渡る研究成果のまとめが海外誌Historical Biology(Online版)に公表されました

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 ナウマンゾウは日本を代表する、約34万~3万年前に生息していたゾウです。 滋賀県では、多賀町を流れる芹川から18点の臼歯や切歯化石が見つかっているほか、大津市石山の瀬田川からも発見されています。 このナウマンゾウの基準となる標本(ホロタイプ)は、1921年に静岡県浜松市の浜名湖近くから発見されました。 これ以降100年あまりの間に研究が進展し、その地理的分布、生息年代、形態、生態などが明らかになってきました。しかし、こうした研究の多くは、日本語で書かれていたことから、世界の研究者が知りたい情報を手にいれることができませんでした。 
 今回、滋賀県立琵琶湖博物館 高橋啓一館長(専門:古脊椎動物学)が、古生物学の海外誌Historical Biologyに英文でこれまでの研究成果を発表しました。このことによって、日本の研究が海外に紹介され、この分類群の系統や進化の研究に世界的な貢献をすると思われます。
 なお、ナウマンゾウ研究に関する300頁以上におよぶ日本語の論文『ナウマンゾウ研究百年』も、今年中に琵琶湖博物館の研究報告として公表される予定です。

・雑誌名:『Historical Biology』
・論文題名:『An overview of Palaeoloxodon naumanni, the Palaeoloxodon
(Elephantidae) of the far east: distribution, morphology and habitat』
 (日本語訳:極東のパレオロクソドン属(ゾウ類)ナウマンゾウの概観:その分布、形態、生態)
・著者:高橋啓一(琵琶湖博物館館長)
・発行:2022年10月29日(Online版)
・ページ数:18ページ

 

・表紙イメージ
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/08912963.2022.2132857?journalCode=ghbi20

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