本協定は、地方創生を通じて個性豊かで魅力ある地域社会の実現などに向けた取り組みが進む中、兵庫県・宍粟市と小林製薬が相互に連携を図り、双方の保有する資源を有効に活用することにより、「日本酒発祥の地」である宍粟市の地方創生を推進することを目的に締結したものです。
調印式の様子
(左:小林製薬 執行役員 日用品事業部 事業部長 作田暢生)(右:兵庫県宍粟市長 福元晶三)
- 取り組みの背景
当社は「菌」による様々な問題を解決するため、抗菌・抗ウイルス性を併せ持った持続性抗菌剤「KOBA-GUARD(コバガード)」を活用し、繊維から硬質まで幅広い素材の製品に対して、抗菌加工を支援してきました。KOBA-GUARDは、「まもる、つづく、つながる」をブランドスローガンに掲げています。この度、“全ての菌を抗菌する”のではなく、“不要な菌だけを抗菌する”といった新しい菌との付き合い方をカタチにしていきたいと考えております。
そこで、当社が抗菌事業で培ってきた抗菌技術を活用し、人々の暮らしに良い影響を与えている菌を活用した日本酒文化・発酵文化の継承を支えることができないかと考え、「日本酒発祥の地」、「発酵のふるさと」である宍粟市の地域貢献に向けた新たな挑戦を行うことになりました。
その第一歩として本協定を締結し、KOBA-GUARDの抗菌技術の提供によって、宍粟市における日本酒や発酵食づくりの現場に悪影響を及ぼす「不要な菌」によるお悩みを解決し、酒づくりにかかせない菌である「麹」を活かす取り組みなどを推進してまいります。
- 宍粟市について
兵庫県中西部に位置する宍粟市は、総面積の約9割を森林が占めており、「しそう森林王国」と呼ばれる豊かな自然に溢れています。平成27年には兵庫県下で初となる森林セラピー基地に認定され、「森林(もり)から創(はじ)まる地域創生」をテーマに多様な取り組みを展開してきました。また、『播磨国風土記』の一節により、庭田神社で初めて「かび=麹」を使用した“庭酒”を作り、神様に献上したことから、日本酒発祥の地とも言われます。宍粟市は、「発酵のふるさと」として自然の恵みを古来から受け継ぎ、今も大切に発酵文化を育んでいます。
宍粟市ホームページ:https://www.city.shiso.lg.jp/
- KOBA-GUARD(コバガード)について
KOBA-GUARDに活用されている技術は、元々、潜水艦の閉ざされた空間でカビなどの微生物の増殖をコントロールするために開発されました。小林製薬による基礎研究においては、様々な細菌・カビ・ウイルスに対して効果を発揮するというデータも得られています。また、「KOBA-GUARD」には、繊維の種類や硬質などを問わず、様々な素材を加工できる可能性があり、これまでにもアパレル、い草製品、空気清浄機の加湿フィルターなどに活用されています。
KOBA-GUARDは、加工方法の検討や効果検証サポートなどの技術支援も可能で、お客様の困りごとの解決に並走させていただきます。これからも技術の進化を図り、公衆衛生などの社会課題解決を目指していきます。
「KOBA-GUARD」ブランドサイト:https://www.kobayashi-vs.co.jp/brand/koba-guard/
- 今後の展開
今後もKOBA-GUARDの抗菌技術の提供を通じて不要な菌のみを排除し、宍粟市が取り組む良い菌を用いた活動をサポートすることで、KOBA-GUARDのブランドスローガンである「まもる、つづく、つながる」の体現に努めていきます。
さらに長期的な計画として、「国見の森公園」や、「古民家ホテル」などの、宍粟市が保有する多様な地域資源の発展のためにも、KOBA-GUARDの提供や活用を通した支援を行っていきたいと考えております。