エミレーツ・グループ、2022年度上半期決算(4-9月)を発表

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  • グループ:売上高は128%増の563憶ディルハム(153億米ドル)。利益は、前年同期の57億ドル(16億米ドル)の損失から大幅に改善し、過去最高の42憶ディルハム(12億米ドル)。
  • エミレーツ:売上高は前年同期比131%増の501憶ディルハム (137憶米ドル)。前年同期の半期損失580億ディルハム (160億米ドル)に対し、本年度の半期利益は40憶 ディルハム (11憶米ドル)。輸送能力の増強とクオリティーの高いサービスで、各地域の旅客需要に対応し、収益を支えた。
  • dnata:売上高は倍増の73億ディルハム(20億米ドル)、利益は前年同期8,500万ディルハム(2,300万米ドル)に比べ、2億3,600万ディルハム(6,400万米ドル)。事業全体の原価高騰により、事業拡大にもかかわらず、業績が悪化。

エミレーツ・グループは、(本社:アラブ首長国連邦・ドバイ、会長:シェイク・アハメッド・ビン・サイード・アル マクトゥーム殿下)はドバイ現地時間10日、2022年度の上半期決算(4-9月)を発表しました。

グループ純利益は、42憶ディルハム(12億米ドル)で、半期業績としては過去最高となり、前年同期の57億ディルハム(16億米ドル)の損失から約100憶ディルハムの黒字に転換しました。

また、EBITDAは、153億ディルハム(42億米ドル)となり、前年同期の56億ディルハム(15億米ドル)から大幅に改善し、営業利益率の高さを示しています。

売上高は563憶ディルハム(153億米ドル)で、前年の247憶ディルハム(67億米ドル)から128%増加しました。これは、パンデミック関連の渡航制限がさらに緩和・解除され、世界的に航空輸送の需要が高まったことが要因です。

キャッシュポジションは、2022年3月31日時点の258億ディルハム(70億米ドル)に対し、2022年9月30日時点で326億ディルハム(89億米ドル)となり、高い状態を維持しています。グループは、負債の支払いやパンデミック関連の対応を含むビジネスニーズをサポートするために、自社の潤沢な手元資金を活用することができました。

エミレーツ・グループ会長兼最高責任者であるシェイク・アハメッド・ビン・サイード・アル・マクトゥームは次のように述べています。
「2022年度上半期における当グループの記録的な業績は、事前の計画、機敏な事業対応、そして有能で献身的な従業員の努力の結果です。

グループ全体では、多くの国が渡航制限を緩和・撤廃したことにより、事業の回復が加速しました。私たちは、確固たる事業計画、パートナー企業のサポート、人材・技術・製品・サービスに対する継続的な投資により、お客様の強い要望に応える準備を整え、いち早く対応することができました。

今後数ヵ月間、当社は引き続き、事業をパンデミック前の水準に回復させ、高いスキルを持つ人材を確保することに注力します。下半期も、当社の事業部門全体において、需要は堅調に推移すると見込んでいます。しかし、逆風がないわけではなく、インフレコストや米ドル高、主要市場の財政政策などのマクロ的な課題には注視しています。エミレーツ・グループは、通期決算時に黒字の実績に戻ることを期待しています。」

輸送量の拡大と事業の活発化に伴い、エミレーツ・グループの従業員数は2022年3月31日時点より10 %増加し、2022年9月30日時点で93,893名となりました。エミレーツ航空とdnataの両社は、今後の事業に適した要件に基づき、ターゲットを絞った採用活動に着手しています。

エミレーツ航空
エミレーツ航空は、ドバイのハブ空港を経由するグローバルな旅客ネットワークの回復と接続性向上に引き続き注力し、各市場のお客様の需要に応じたサービスの再開と増便を実施しました。

2022年6月には、新たな就航先であるテルアビブへの運航を開始し、2022年度上半期中は、エアリンク、エーゲ航空、ITAエアウェイズ、エア・バルティック、エア・カナダ、バンブー・エアウェイズ、バティック・エア、フィンエアー、ロイヤル・エア・モロッコ、スカイ・エクスプレス、サンカントリー航空、ユナイテッド航空の、12の航空会社とコードシェアおよびインターラインパートナーシップを締結し、接続性を向上しました。

2022年9月30日までに、ボーイング777の全機材とA380の73機を活用し、140の空港に旅客・貨物便を運航しています

2022年度上半期に、エミレーツは、CO2排出量を最小限に抑え、最新かつ効率的な航空機を運航するという長年の戦略の一環として、2機の新しいボーイング777貨物機を受領し、1機の旧型貨物機を退役させました。新しい旅客機の到着が2024年になる見込みであることから、エミレーツは今月、120機の航空機の内装を刷新する数十億ドルのプロジェクトを開始しました。

エミレーツ航空は、全てのクラスでメニューを充実させ、トレーニングとサービスを強化する新しいホスピタリティプログラムを開始するなど、「fly better」を実現するための施策を続けました。2022年8月には、ロンドン、パリ、シドニーへのフライトでプレミアム・エコノミーを導入し、満席となる好評をいただきました。エミレーツ航空は、高い人気を誇るプレミアム・エコノミーを事業年度末までにさらに5路線で導入する予定です

上半期の全体的な輸送能力は、多くの国が渡航規制を緩和したことに伴い、フライトプログラムが拡大し、40%増の228億トンキロ(ATKM)となりました。有効座席キロ(ASKM)による旅客輸送容量は、前年同期比123%増加、一方、有償旅客キロトン(RPKM)は、265%増加し、平均座席利用率は、前年同期の47.9%から78.5%に回復しました。

エミレーツ航空は、2022年4月1日から9月30日の間に、前年同期比228%増の2000万人の旅客を輸送しました。貨物輸送量は、「ミニ貨物機」の容量を旅客運航に戻したため、今年度上半期は936,000トンと上昇し、前年同期比14%減となりました。

2022年度上半期のエミレーツの利益は、前年同期の58億ディルハム(16億米ドル)の損失に対し、40億ディルハム(11億米ドル)の新記録を達成しました。不利な為替環境にもかかわらず、その他の営業利益を含むエミレーツの売上高は501億ディルハム(137億米ドル)で、前年同期の217億ディルハム(59億米ドル)に比べて131%増加しました。好調な業績回復は、各市場における国際線に対する強い需要によるもので、エミレーツ航空は、需要に対応するための先行的な計画と輸送量の増強、高品質のサービスと価値提案により、業績回復を成し遂げました。

エミレーツの運航費用は、全体の輸送容量40%増に対して73%増加しました。主に、燃料費が前年同期比で3倍以上と大幅に増加し、運航の増加に伴い燃料費が65%増加、この期間の平均原油価格が2倍に上昇したことが原因です。燃料はパンデミック前のエミレーツの運航費用の最大の構成要素を占め、本年度上半期も運航費用の38%を占め、昨年度上半期の20%と比較して、過去最高となりました。

エミレーツのEBITDAは、本年度上半期の著しい需要と運航増加により、前年同期の50億ディルハム(14億米ドル)に対し、約3倍の147億ディルハム(40億米ドル)へと増加しました。

dnata
市場全体の航空・旅客輸送量の増加に伴い、dnataの貨物・グランドハンドリング(航空機地上支援業務)、ケータリング、小売り、旅行サービスの各事業は大幅に稼働を伸ばしました。このため、2022年度上半期は大幅な増収となりましたが、dnataの全体的な業績は市場全体のインフレと費用増により低下しました。

2022年度上半期、dnataはザンジバル(dnata airport operations)とラアス・アル=ハイマ(Alpha Catering)でサービス提供のための新しい長期利権契約を結び、拠点を拡大しました。空港事業は、ケルン・ボン貨物センターの独占運営会社であるヴィスキルヒェン・ハンドリング・サービスを買収してドイツ市場に参入し、ブラジルのグランドハンドリング事業は残りの30%の株式を取得して、完全所有権を取得しました。

安全で高品質なサービスをお客様に提供するため、dnataは事業全体でグリーンテクノロジーと環境対策を実施するために1億米ドルを投入し、イラクのアルビールの事業に対し、高度なクールチェーン施設、バスメンテナンス施設、新しい貨物倉庫を含む1700万米ドルの投資を行いました。

その他の営業利益を含む dnata の売上高は 73億ディルハム(20 億米ドル)で、前年同期の 37 億ディルハム(10 億米ドル)に比べ 2 倍になりました。

dnata社の総利益は、昨年の8,500万ディルハム(2,300万米ドル)に対し、2億3,600万ディルハム(6,400万米ドル)です。

dnataの空港事業は、特にUAE、米国、イタリア、英国において顧客需要の回復が続き、前年同期比37%増の35億ディルハム(9億4,400万米ドル)となり、収益への最大の貢献となりました。 事業全体では、航空機の取扱数は前年同期比 56% 増の 347,581機 となり、貨物取扱量は旅客業務に重点を置くようになったため 2%減の140万トンとなりました。

dnataのフライトケータリングおよび小売り事業の売上高は212%増の24億ディルハム(6憶5,100万米ドル)となりました。オーストラリア、英国、米国での需要に対応するため大幅な増産を行い、本年度上半期に提供した機内食の数は昨年度の1660万食から204%増の5,005万食に急拡大しました。

dnataの旅行部門は、中東と英国の事業における旅行需要および予約の力強い回復を主な要因として、前年同期の1億4,700万ディルハム(4,000万米ドル)に対して708%増の 12億ディルハム(3億2,300万米ドル)のグループ収益に貢献しました。総取引額(TTV)は、前年同期の7億2,600万ディルハム(1億9,800万米ドル)に対し、47億ディルハム(13億米ドル)となりました。

*本参考資料は、現地時間2022年11 月10日にエミレーツ・グループが配信したリリースの抄訳です。当資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。 
資料につきましては以下のエミレーツ航空メディアサイトからご参照ください。 
https://www.emirates.com/media-centre/emirates-group-announces-record-half-year-performance-for-2022-23/

エミレーツについて  
エミレーツ航空は、2002年に日本就航を開始。成田国際空港、東京国際空港(羽田)と関西国際空港からドバイをはじめとする世界各地へ、快適な空の旅を提供しています。2022年のスカイトラックス・ワールド・エアライン・アワードでは、「ワールド・ベスト・エコノミークラス」「ワールド・ベスト・エコノミークラス・ケータリング」のほか、17年連続で「ワールド・ベスト機内エンターテイメント」の3部門で受賞するなど、提供する商品やサービスで数々の賞を受賞しています。  

お問い合わせ先  
エミレーツ・グループ 広報  
Redhill株式会社  
Email: ekjapan@redhill.asia 

 

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