【豊田高専・長野高専】学生主体のまちづくりワークショップで活発に議論!

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豊田工業高等専門学校(略称:豊田高専、愛知県豊田市、校長:山田陽滋)環境都市工学科と長野工業高等専門学校(略称:長野高専、長野県長野市、校長:江﨑尚和)環境都市工学科の学生が、豊橋技術科学大学(愛知県豊橋市、学長:寺嶋一彦)建築・都市システム学系都市計画研究室(浅野純一郎 教授・坪井志朗 助教)の主催する、長野県飯田市を対象とした地域のまちづくり課題を解決するためのアイデアを検討する「飯田シャレットワークショップ」に参加しました。飯田シャレットワークショップは今年で12回目の開催であり、2022年9月13日~17日の期間に、各機関の学生34名・教員7名の参加を得て実施しました。

 

市民と検討内容を議論する学生たち市民と検討内容を議論する学生たち

飯田シャレットワークショップについて
 飯田シャレットワークショップは、豊橋技術科学大学と飯田市との包括的連携協定をうけ、豊橋技術科学大学都市計画研究室(飯田サテライトラボ)が主催するもので、2011年度から毎年夏に4泊5日程度で実施しており、2022年度で12回目を迎える取り組みです。飯田市役所のバックアップを受け、飯田市民と議論する機会を期間中は定期的に設け、地域の実情を踏まえ、場所やテーマ、取り組み内容を変えて取り組んでいます。この取り組み開始当初から、豊橋技術科学大学からの参加の打診を受け、豊田高専・長野高専などをはじめとした高専の教員・学生の参加を得て取り組み内容が発展してきました。これまで、豊田高専・長野高専以外にも多くの高専の教員・学生が参加しています。
【飯田シャレットワークショップHP】https://iidacwstoyohashi.wixsite.com/since2011

今年度の飯田シャレットワークショップの概要
 2022年度の飯田シャレットワークショップには、豊橋技術科学大学20名・豊田高専2名・長野高専6名・福井高専1名のほか、前橋工科大学建築学科の学生5名の計34名が参加しました。2020年度・2021年度はコロナ禍でリモートワークによるグループ作業を中心としたワークショップを実施しましたが、今年度は3年ぶりに対面でのワークショップ開催ができました!
 

成果発表会の様子成果発表会の様子

 2022年9月13日~17日の4泊5日で飯田市内に滞在し、学生を3つのグループに分け、「making walkable city iida」をテーマとして、まちづくりへの具体的な提案を検討しました。また、今年度はじめての取り組みとして、期間中は毎日、各グループが飯田市民の方々との語らいの場として「まちづくりcafe」を開催し、様々な切り口でまちづくりについて議論しました。

今年はじめての取り組みである“まちづくりcafe”
 

学生が作ったまちづくりcaféのチラシ学生が作ったまちづくりcaféのチラシ

 各グループがその日のテーマを考え、市民の方々と様々な観点から飯田市のまちづくりを語り合う“まちづくりcafe”を開催しました。

・飯田アンチエイジングまち会議(9/13)
 飯田市民や来街者であるワークショップ参加者から「飯田のいいところ・悪いところ」を出し合い、立場や年齢などによる飯田市の捉え方の違いを表出させ、どのようにすると魅力的な飯田市を創ることができるか、考えました。

・あなたのお気に入りの「みち」はどこですか?(9/14)
 参加者がお気に入りの「みち」を紹介し合い、どのような「みち」が魅力的な「まち」を創っていくのか意見交換しました。飯田市には“裏界線”などの特徴的な「みち」があることなどを参加者で共有し、飯田市の隠れた魅力を活かす方法を考えました。

・飯田市の魅力を再発掘!みんなでデートコースを考えよう♡(9/15)
 参加者が思う「飯田市のおすすめスポット」を挙げ、それをもとに参加者で魅力的なデートコースを考えました。年代・性別・出身地などによって、魅力を感じるスポットには多様な場所があることがわかり、飯田市のいろいろなデートコースを考えました。
 

​ まちづくりcaféは初めての取り組みでしたが、多くの飯田市民の方にもご参加いただき、楽しく飯田市のまちづくりについて議論する機会となりました。各グループは、このまちづくりcaféで得たアイデアなども“making walkable city iida”での提案に活かしていました。

making walkable city iidaに対する学生グループの提案内容
 16日夜の市民の方々への最終報告会へ向け、各グループは“walkable”とはなにか、それを飯田市で具現化するためにはどのようなアイデアがあるか、を短期集中で考え、プレゼンテーションボードや建築模型など、市民の方々にもわかりやすい形で提示してくれました。

・商店街を結ぶ、歩いて楽しい空間の創出(A班)
 飯田市中心部の商店街において、現状の道路交通の妨げにならない形で複数の街路空間を統一的な機能やデザイン(ストリートファーニチャー等)で一体化させ、集客や回遊性を高めることを提案しました。

・飯田市美術博物館界隈でのWalkableな空間創出(B班)
 飯田市美術博物館・飯田市立中央図書館・飯田市立追手町小学校・柳田國男館などの教育文化施設が集積するエリアで、分散する駐車場を集約化して新たな公園を創出するとともに、除籍図書を活用して回遊できる・したくなる空間を創り出すことを提案しました。

・JR飯田駅と周辺複合施設から中心市街地への回遊性向上を目指す仕掛けづくり(C班)
 新たな集客拠点となった丘の上結いスクエアから中心市街地への回遊促進を目的として、低未利用地となっている青空駐車場の一部に地元スタートアップ企業の販売ブースや憩いの空間などを設けることで、回遊を促すきっかけを創ることを提案しました。
 

​ 9月16日の成果発表会では、ご参加いただいた地域住民の方々からは「地域でも受け入れやすい提案だ」と評価いただいた内容がある一方で、「どのように地域に落とし込めるかわからない」というご指摘をいただいた内容もありました。地域のまちづくりに反映するという観点では、地域課題の解決が容易ではないことも学ぶ機会となりました。ただ、学生グループが短期集中で取り組んだ成果として、地域住民の方もその内容を真剣に議論していただき、参加した学生も充実感を得ることができた発表会となりました。住んでいる地域や学ぶ内容の異なる学生がチームを組み、飯田シャレットワークショップを通して実社会の課題の解決策を模索する経験が得られ、参加した学生からは「普段の学校生活だけでは巡り合えない機会となった」という声も聞かれるなど、少なからず自身の成長につながる機会となったようでした。

【豊田工業高等専門学校について】
 高等専門学校(以下「高専」)は、社会が必要とする技術者を養成するために1962年(昭和37年)に設立されました。高専は、中学校の卒業生を受け入れて、1学科40名による5年間の一貫教育を行う高等教育機関です。
 豊田高専は1963年(昭和38年)に愛知県豊田市に設立され、幅広く豊かな人間教育を目指し、数学・英語・国語などの一般科目と実験・実習を重視した専門科目に基づくカリキュラムにより、実践的、専門的な技術者教育を行っています。
 卒業生は、約半数が国立大学の3年次編入学や高専の専攻科に進学し、約半数が多様な産業分野で実践的技術者として活躍しています。

【学校概要】

学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 豊田工業高等専門学校
所在地:愛知県豊田市栄生町2-1
校長名:山田 陽滋
設立:1963年
URL:https://www.toyota-ct.ac.jp/事業内容:高等専門学校・高等教育機関

【取組担当者】
豊田工業高等専門学校 環境都市工学科 准教授 佐藤 雄哉

【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
豊田工業高等専門学校 総務課 総務企画係
TEL:0565-36-5828(平日8時30分から17時)
e-mail:soumu@toyota-ct.ac.jp

 

​~2022年度、高等専門学校制度は創設60周年を迎えます~
https://www.kosen-k.go.jp/Portals/0/60th/

 

 

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