- サステナブルテック(SDGs・ESG経営サービス)カオスマップ 2022
- サステナブルテック(Sustainable Tech)とは
サステナブルテック(Sustainable Tech)とは、メディア、コンサルティング、評価サービス、情報管理サービスなどを幅広く含む、SDGs・ESGというキーワードに着目して企業の経営や自治体の運営におけるSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)をサポートするためのテクノロジーです。今回は、SDGs・ESGによる持続可能な経営や地⽅創生を加速させるために、サステナブルテック領域で活躍するスタートアップや認証制度を展開する⾃治体を中⼼にピックアップしています。スタートアップのみならず、⾃治体発の「地⽅創⽣SDGs登録・認証等制度(注1)」についても整理することで、本カオスマップがサステナブルテック領域の更なる発展および官民連携の促進につながることを願っています。
- 本カオスマップの背景
世界では、2006年に「責任投資原則」(PRI:Principles for Responsible Investment)が提唱され、投資家が投資の意思決定をする際に財務的な情報だけではなく、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の観点を考慮すべきだと定められています。責任投資原則への署名機関は年々増加しており、世界中で機関投資家を中心にESG投資の流れが加速しています。機関投資家が運用する資産のうちESGに充てられる割合も徐々に増加しており、2025年には全投資額の3分に1に相当する53兆ドル(約7,700兆円)と達すると推定されています(注2)。
日本では、2015年に「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)が「責任投資原則」に署名したことがきっかけで知られるようになりました。さらに、2021年に岸田内閣が発足し「新しい資本主義」(The new Form of Capitalism)の実現を看板政策として掲げました(注3)。また、⽇本でもサステナブルテック領域のサービスやプロジェクトが増えてきており、地方創生SDGsに取り組む地域事業者などに対して登録・認証などを行う制度についても、既に複数の自治体で構築されており、地域事業者などの「見える化」を通じて、地域の自治体と経済団体・金融機関・大学など様々なステークホルダーとの連携促進や、企業の経営計画などにおけるSDGsの活用が進められています(注4)。
- 本カオスマップの特徴
1. ESGメディア
ESGに関する情報を発信しているメディアは日々増加しています。既存のwebメディアや新聞社がESGに関する記事などを発信している場合に加えて、ESGに関する情報を専門に扱っているメディアも登場してきました。本カオスマップでは、ESGに関する情報を専門に扱っているメディアを中心にピックアップしています。
2. ESGコンサルティング
企業にとって、①サステナブル経営の実践、②サステナビリティ(ESG)情報の適切な開示は、もはや必須となってきました。しかし、ESGというキーワード自体が古くも新しい概念であるため、企業内に専門家となる人材が不足している場合も珍しくありません。そのようなニーズに応えるべく、ESG経営に特化した知見を持つコンサルティングサービスが登場してきました。
3. ESG評価機関
海外機関投資家を中心に、投資家は、企業が開示するサステナビリティ(ESG)情報をもとにして、経営評価および投資判断を行うようになってきました。ESG評価機関は、企業におけるサステナブル経営やサステナビリティ(ESG)情報開示について、点数化やランキング化などにより評価・公表することで、投資家が経営評価および投資判断を行う際の参考になっています。
4. ESG情報管理
企業の規模が大きくなるにつれて、扱う情報の量が加速度的に増加していきます。そして、サステナビリティ報告書や統合報告書などを作成するにあたり、企業内にどのような情報が存在しており、どの情報をどのように開示するのかを決定しなければなりません。社内に遍在している様々な情報を1ヶ所にまとめて管理しておくようなサービスが登場してきました。
5. SDGs自治体認証機関
地方創生SDGsに取り組む地域事業者などに対して登録・認証などを行う制度については、既に複数の自治体で構築されており、地域事業者などの「見える化」を通じて、地域の自治体、金融機関、大学など様々なステークホルダーとの連携の促進や、企業の経営計画などにおけるSDGsの活用が進められています。
- 代表者/役員メッセージ
株式会社Scrumy・CEO(最高経営責任者)
笹埜 健斗 / Kento Sasano
日本(岡山)出身。高校時代に生死の境を彷徨い、哲学に目覚める。哲学オリンピック金メダリスト、京都大学法学部、東京大学大学院情報学環・学際情報学府を経て、全5種類の法人役員等を歴任。2021年4月、株式会社Scrumy代表取締役に就任。2022年4月、一般社団法人サステイナビリティ協会代表理事に就任。現在、資本主義のSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)に向け、サステナビリティ学に関する研究と事業を行う。
Scrumyは、⽇本⼀の「ゼブラ企業」を⽬指している専門家集団です。資本主義のSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を掲げ、サステナブル経営を実現するためのワンストップサービスを提供しています。私たちと同様の想いを掲げられているサービスやプロジェクトとともに、サステナブルテック領域全体の活性化を図り、持続可能な資本主義を実現したい熱い想いから、 本カオスマップの作成に⾄りました。
株式会社Scrumy・CSO(最高サステイナビリティ責任者)
石井 明日夏 / Asuka Ishii
フランス(パリ)出身。横浜市立大学国際総合科学部(国際関係論)卒業後、経営コンサルタント、国際NGO駐在員を経験。VCの財団設立アドバイザリー、CDP会社でデータサイエンティストなど業務経験を広げつつ、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科専攻HSPを修了後、Scrumyに参画、サステナビリティ事業の開発を担当。
2030年までのSDGs達成および気候変動緩和のため、サステナビリティを考慮した経済活動は必要不可欠であることが近年著しく認知されるようになりました。そのため全てのアクターがあらゆる面において、実の在る貢献を行い、その恩恵を享受し、社会と共創していく未来を実現する必要があります。本カオスマップを通して、事業者や自治体の皆様にとってよりサステナブル(持続可能)な事業を行うための手立てになることを願い作成しました。
- Scrumyについて
Scrumyは、GaaS(サービスとしてのガバナンス)を提供するゼブラ企業(Zebras)として、資本主義のSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を推進しています。企業におけるサステナビリティ(ESG)情報などの非財務情報を一元管理することで、多種多様なステークホルダーと協働するためのセキュアなSociety 5.0基盤を提供します。魅力的なUI/UXデザインに基づくことで、企業の担当者様にとっても機関投資家をはじめとした株主様にとっても、利用しやすいインパクト投資プラットフォームを活用していくことができます。また、デジタル・ガバメントに「コーポレート・ガバナンス」や「データガバナンス」の考え方を取り込むことで、新しい資本主義における企業と政府・自治体の懸け橋となるべく、更なる共創文化を創造していきます。
- 会社概要
会社名 :株式会社Scrumy / Scrumy Inc.
所在地 :東京都中央区銀座一丁目22番11号2階
代表者 :代表取締役CEO 笹埜 健斗
設立日 :2021年4月1日
資本金 :47,499,750円(資本準備金を含む)
事業概要: サステナブルテック事業
⑴ ESGマネジメント支援サービス事業
⑵ ESGファイナンス支援サービス事業
会社HP:https://www.scrumy.co.jp/
※1:2020年10月に内閣府が発表した「地方創生SDGs登録・認証等制度ガイドライン」で検討を進めている制度を指し、3つの制度モデル(➀地方創生SDGs宣言制度、②地方創生SDGs登録制度、③地方創生SDGs認証制度)の総称をいう。
※2:Bloomberg Intelligence (2021), “ESG assets may hit $53 trillion by 2025, a third of global AUM”, available at: https://www.bloomberg.com/professional/blog/esg-assets-may-hit-53-trillion-by-2025-a-third-of-global-aum/ (accessed 30 October 2022).
※3:The Prime Minister’s Office of Japan (2022), “Speech by Prime Minister KISHIDA Fumio at the Guildhall in London”, available at: https://japan.kantei.go.jp/101_kishida/statement/202205/_00002.html/ (accessed 30 October 2022).
※4:2020年10月に内閣府が発表した「地方創生SDGs登録・認証等制度ガイドライン」9頁では、「地方公共団体によるSDGs登録・認証等制度の取組」について紹介されている。