■なぜ金継ぎ(きんつぎ)の認知度調査を行なったのか?
株式会社つぐつぐ (本社:東京都渋谷区/代表取締役:俣野由季、以下「つぐつぐ」) は、コロナ感染症がまさに始まろうとしている2020年3月に金継ぎ専門の会社としてスタートしました。会社を始めるには大変厳しい状況と考えられる中、金継ぎ関連商品・サービスはむしろ世の中に受け入れられ急成長を遂げ、約2年で東京都内に2店舗目をオープンするに至りました。
つぐつぐが設立された数年前には、実はあまり知られていなかった金継ぎ。このようなニッチな事業を拡大できた最大の要因は、金継ぎが人々の心を捉えたたけでなく、コロナ禍にさまざまな媒体を通じて、急速に世の中に認知が拡大したからだと考えています。
つぐつぐ自身も、コロナ禍にテレビ・ラジオ・新聞/雑誌・SNS/ネット記事など多くのメディアから取材を受けており、テレビ取材だけでも国内8回、海外を合わせると10回程出演しています。そこで、この数年間に、世の中の金継ぎの認知度はどれだけ変化したのかを、根拠を持って社会に示したいと考えました。これまで以上に詳細な解析ができるよう、今回は前回の1.5倍以上の規模でアンケート調査を実施しました。
この統計データは、つぐつぐの今後のサービス向上に役立てるだけでなく、金継ぎに興味のある方、伝統工芸分野に携わる全ての方へ共有してご活用いただき、日本の文化の活性化に寄与したいと考えています。
■調査対象条件
東京金継ぎ認知度調査2019(第1回)
2019年10月3日、東京在住の女性111人を対象に、オンライン調査
回答者年齢分布:10代 1%、20代 18%、30代 38%、40代 28%、50代 12%、60代 3%、70代 1%
全国金継ぎ認知度調査2021(第2回)
2021年5月26日、日本全国の女性233人を対象に、オンライン調査
回答者年齢分布:10代 1%、20代 26%、30代 38%、40代 25%、50代 10%、60代以上 1%
全国金継ぎ認知度調査2022(第3回:今回)
2022年10月5日〜13日、日本全国の女性216人、男性151人(計367人)を対象に、オンライン調査
回答者年齢分布:
(男性)20代 14%、30代 16%、40代 28%、50代 17%、60代以上 25%
(女性)20代 15%、30代 32%、40代 19%、50代 19%、60代以上 16%
■全国金継ぎ認知度調査2022 結果
Q1. 金継ぎ(きんつぎ)を知っていますか?
全体で74%の人が「金継ぎを知っている」と回答し、2019年以来3回連続で認知度が上昇していることがわかりました。
今回初めて実施した男女別の解析では、金継ぎを知っていると回答した人は女性の方が約10%多いことがわかりました。
つぐつぐの金継ぎ教室に参加される生徒は女性が9割以上と圧倒的に多いため、仮説としては、男性の認知度は極めて低いことを予想していましたが、男性も半数以上の人が金継ぎを知っていることが明らかになりました。
また過去の調査との比較において、女性の金継ぎの認知度は、コロナ感染症流行前である2019年10月より36.3%上昇、2021年5月の調査からは21.3%と大きく飛躍しました。
- 金継ぎを知っていて、金継ぎをしたこと(または金継ぎ修理依頼をしたこと)がある…2.5%
- 金継ぎを知っているが、金継ぎをしたこと(または金継ぎ修理依頼をしたこと)がなく、やってみたい…39.8%
- 金継ぎを知っているが、金継ぎをしたこと(または金継ぎ修理依頼をしたこと)がなく、やってみたいと思わない…31.3%
- 金継ぎを知らない…26.4%
認知だけでなく、金継ぎに意欲的な回答は全体で42.3%に昇りました。金継ぎに興味を示す回答は当社の2021年の調査から約10%伸長しており、日本人に金継ぎの魅力が浸透してきていることが伺えました。
年代別にみると、年齢が下がるにつれ金継ぎの認知率は低下しますが(金継ぎを知っていると回答した人は、60代以上で81%に対し、20代で60%)、逆に、金継ぎをしたことがある、またはやってみたいと回答した割合は若年層で高くなる傾向がありました(20代で49%、60代以上で35%)。
このことから、若年層の金継ぎの認知を拡大することで、より多くの方に興味を持っていただける可能性が示唆されました。
Q1.1 「金継ぎを知っている」と答えた方は、いつ知りましたか?
- 今年(2022年)…10%
- 昨年(2021年)…10%
- コロナ感染症が始まって以降、同年内(2020年3月〜2020年12月)…12%
- 東日本大震災が起きて以降、コロナ感染症が始まるまで(2011年3月〜2020年2月)…26%
- 東日本大震災以前(2011年2月以前)…42%
約3人に1人がコロナ感染症が始まって以降金継ぎを知ったと回答し、ここ数年で急速に認知度が拡大したことがわかりました。
男女別で分析すると、女性はコロナ禍に金継ぎを知った割合が男性より6.1%高く、男性は東日本大震災以前より金継ぎを知っていた割合が女性より7.7%高い結果となりました。
年代別では、20代では48%の人がコロナ禍に金継ぎを知ったと回答し、60代以降では半数以上の人が東日本大震災以前から金継ぎを知っている結果となりました。
Q2. 破損した陶器を修復し、その割れ目をあえて金のラインで目立たせる金継ぎは、元の器の値段より高額であることが多いです。自分がとても大切にしている器が割れてしまったら、金継ぎで修復したいと思いますか?
- 現在破損した器をもっており、金継ぎで修復したい。 …5%
- 現在破損した器をもっているが、金継ぎで修復したいか分からない。…5%
- 現在破損した器をもっているが、金継ぎで修復したいと思わない。…4%
- 現在破損した器をもっていないが、将来もし大切な器が割れてしまったら、金継ぎで修復する可能性がある。 …59%
- 現在破損した器をもっていないし、将来もし大切な器が割れても、金継ぎで修復したいと思わない。…27%
全体で64%の人が、将来金継ぎする可能性を示しました。
また、現在破損した器を持っている人の割合は14%でした。
将来金継ぎする意欲のある人の割合は男性より女性の方が12%高く、さらに、破損した器を現在持っている割合も女性の方が4%高いことがわかりました。
Q3. (記述式回答)金継ぎをいつどのようにして知りましたか?金継ぎに対するイメージは?
金継ぎを知っている人の約半数が、テレビを通じて金継ぎを知ったと回答しました。他には雑誌やSNS、漫画などの媒体もあげられました。
女性において注目すべきは、金継ぎをしている友人や、金継ぎされた器を展示しているお店・金継ぎを体験できる場所を目にする機会が増えたことが知るきっかけとしてあげられていました。さらに身近なところでは、祖父母や友人の家、あるいはレストランで金継ぎされた器を目にしたことで金継ぎが話題になり知ったという回答も複数ありました。
男性の特徴としては、祖父母や母が金継ぎした器を持っていて家庭内で知ったという記述の他、漫画や本で知ったという回答が複数ありました。
一方、金継ぎに懐疑的な意見もみられました。男女に共通して「金継ぎは高額なので手が出ない」「金継ぎするほど高価な器を持っていない」「新しいものを買えば良いと思う」「割れ目を目立たせたくない」という声がありました。
しかし、コロナ感染症流行前の2019年の調査では「金継ぎ修理された後のデザインが気にいるかどうか不安である」「自分の大切な器を預ける職人が信頼できるか分からない」など金継ぎに対する不安の言葉が多くありましたが、そういった懸念を表す回答は減少してきており、金継ぎの認知度の上昇だけでなく、その意義が世間に理解されてきた印象を受けました。金継ぎがメディアに多く取り上げられ、目にする・耳にすることが増えたことだけでなく、実物を目にする機会も増え、金継ぎがより身近になり安心感を持っていただけるようになったと考えています。
つぐつぐは今回の調査結果から、金継ぎを一般の方に実際に見て触れていただける機会を増やし、その魅力をテレビやSNSなど様々なメディアに配信することに注力することで、老若男女問わず幅広い層に受け入れられるサービスを展開していきたいと考えています。
この記事は今回の調査結果の一部です。
下記のつぐつぐ公式ウェブサイトで、上記以外にも分析結果と考察を掲載していますので、ぜひご覧ください。
https://kintsugi-girl.com/kintsugisurvey2022
■つぐつぐの基本情報
株式会社つぐつぐ(東京金継ぎ教室 つぐつぐを運営)
恵比寿本店:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿2-21-2 akikito apt. 1階
浅草店:〒111-0034 東京都台東区雷門1丁目1番2号1階
公式サイト:https://kintsugi-girl.com/
金継ぎ写真がいっぱい!つぐつぐのインスタグラム:https://www.instagram.com/tsugutsugu_kintsugi/
今後もつぐつぐの活動を応援いただけるとうれしいです。