目次
1. なぜ岸和田リハビリテーション病院が栄養補助食品を開発するのか
2. きぷチョ・ソイまるについて
3. 今後について
4. 協力会社紹介
1.なぜ岸和田リハビリテーション病院が栄養補助食品を開発するのか
入院患者さまの体の特徴
回復期リハビリテーション病院(以下回復期リハ)に入院している患者さまは、ほぼ全員が急性期病院から転院してこられます。急性期病院の役割は、危機的な状態を乗り越えるための治療の実施です。よって、身体活動や食事が制限される方も少なくなく、低栄養状態になる傾向にあります。一方で、回復期リハでは土日も休むことなくリハビリテーション(以下リハ)が実施されることが多く、一日でも早く自宅に帰れるよう体の機能の回復に努めます。中には多くの時間をリハに費やすものの、食事が進まなかったり、食事を完食しても病気以前の体重に戻らず、痩せていく方が少なからずおられます。
美味しいと思える補食がない
低栄養や体重が増えづらい患者さまには栄養補助食品が提供されます。しかし、そのほとんどはドリンクタイプかゼリータイプであり、高齢者の口に合わないことが多く、味についても人工的で美味しいとは言えません。
夢のコラボレーションが実現
きっかけは岸和田リハビリテーション病院の北岡医師が自作した生チョコレートでした。「おやつのように食べることができる、家族といっしょに楽しめる、嚥下障害の方でも安全に飲み込めるような栄養補助食品を作りたい」との思いで製作したそうです。
看護師や療法士、栄養士に試食してもらい好感触だったことから栄養補助食品開発プロジェクトが立ち上がりました。食材の性質上、院内生産が困難だとわかり、大手メーカーに問い合わせるも生産不可能と一蹴されました。ですが、北岡医師は諦めませんでした。担当していた患者さまが病院の食事は食べず、家族からの差し入れのお菓子は喜んで食べることから「栄養価の高いお菓子を作りたいんです」と家族に伝えたところ、非常に興味をもっていただきました。そのお相手が本プロジェクトチームの一員となる中塚さん(食育アドバイザー・栄養士、はなみずきYuu代表)でした。また、中塚さんから植松さん(パティシエ・ファーマーシェフ、株式会社フラワー代表取締役)をご紹介いただき、医師、栄養士、パティシエという夢のようなコラボレーションが実現しました。
2.きぷチョ・ソイまるについて
高タンパクなチョコレート「きぷチョ」
嚥下障害のある方でも食べられる美味しいおやつです。高タンパク、高カロリー、各種ビタミンも含んだ「生チョコ」です。4個でタンパク質5g以上を実現しました。名前の由来は「きしわだ」「プロテイン」「チョコ」の頭文字をとって「きぷチョ」です。
大豆成分を活かしたクッキー「ソイまる」
甘いものが苦手な方にも美味しい栄養補助食品を提供したい。高タンパク、高カロリー。優しい味のクッキーが生まれました。ひと口サイズで食べやすく、5枚でタンパク質5g以上を実現しました。名前の由来は「大豆(ソイ)」を使用した「丸(まる)」型クッキーなので「ソイまる」です。
3. 今後について
きぷチョ、ソイまるの効果検証は来年3月頃の終了を予定しております。検証開始後、数日にも関わらず患者さまから「おいしい」といった評価や「これなら食べることができる」といった意見を頂いております。
一方で、栄養補助食品の大半は甘いものが多い印象です。今回開発したきぷチョやソイまるも同様です。今後は、味のバリエーションを増やし、できるだけ多くの人が、飽きずに、長い間食べたくなる高タンパク商品を開発していきたいと思います。
最後に、プロジェクトチームの植松さんが経営するパティスリーフラワーで一般販売を予定しております。お近くの方はぜひご賞味くださいませ。「これは、うまい!」と思っていただける自信があります。
4. 協力会社紹介
医療法人えいしん会岸和田リハビリテーション病院
住所 大阪府岸和田市上松町2丁目8番10号
URL https://www.eishinkai.hospital/
株式会社フラワー
住所 大阪府羽曳野市軽里2丁目73-1
URL http://www.cf-flour.jp/
はなみずきYuu
URL http://ginga.site/hanamizukiyuu/profile.html
生和会グループ SDX研究所
住所 大阪府堺市堺区南向陽町2丁3番6号
URL https://seiwakai-dx.jp/