株式会社CICS(リゾートトラスト株式会社の連結子会社)、悪性黒色腫と血管肉腫を対象としたホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の国内第Ⅰ相臨床試験の主要評価に関する観察期間完了

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リゾートトラスト株式会社の連結子会社である株式会社CICS(代表取締役社長:古川哲也、本社:東京都江東区、以下「CICS」)及びステラファーマ株式会社(代表取締役社長:上原幸樹、本社:大阪市中央区、以下「ステラファーマ」)が実施しているBNCT(Boron Neutron Capture Therapy: ホウ素中性子捕捉療法)について、悪性黒色腫※1及び血管肉腫※2を対象とした国内第Ⅰ相臨床試験の主要評価に関する90日間の観察期間が完了したことをお知らせします。

本試験は、悪性黒色腫及び血管肉腫に対するCICSの加速器(CICS-1)とステラファーマのホウ素薬剤(SPM-011)を用いたBNCTによる治療の安全性及び忍容性を検討することを主目的としていました。その結果、治療の安全性ならびに実施した照射線量(皮膚線量18Gy-Eq)に関する忍容性が認められ、効果安全性評価委員会(委員長:川崎医療福祉大学 医療技術学部 診療放射線技術学科 平塚純一先生)でもその評価が支持されました。

また、本試験の奏効率は60%と高い結果が得られました。今回実施した第Ⅰ相試験は、局所進行もしくは局所再発の患者様で、他に有効な治療選択肢がない患者様を対象に行った試験です。特に血管肉腫は、有効な治療の手立てがまだ確立されていない疾患のため、今回得られた結果は今後のBNCTの適応拡大に貢献すると期待されます。

詳細につきましては、別紙(https://www.cics.jp/information/detail_41.html)をご覧ください。なお、本件に関する今期当社連結業績への影響は、軽微です。

CICS及びステラファーマは本試験結果を受け、年内開始予定の国内第Ⅱ相臨床試験に向けた活動を推進してまいります。

 
リゾートトラスト株式会社は、1994年にメディカル事業に参入し、会員制医療倶楽部の運営支援を開始。山中湖クリニックにて当時研究用装置であった陽電子放出断層撮影(Positron Emission Tomography、以下「PET」)をがん検診に導入しました。国内のPET普及に大きく貢献したほか、大学病院と画像診断や先制医療等の研究活動も推進してきました。現在は検診はもちろん、治療におけるソリューションを拡大し、当社グループでがん先端免疫治療の施設も運営支援しています。
当社グループが、BNCTをがんの治療法として確立することを目指し取り組む背景には、「がんで大切な人を亡くさない社会をつくりたい」という、がん検診・治療に関わってきた思いがあります。

リゾートトラストグループは新たな技術の開発で、がん治療に新たな光をもたらしていきたいと考えています。

 

※1 悪性黒色腫について
悪性黒色腫は皮膚がんの一つで、黒色腫又はメラノーマと呼ばれることもあります。皮膚の色と関係するメラニン色素を産生する皮膚の細胞で、表皮の基底層に分布しているメラノサイト又は母斑細胞が悪性化した腫瘍と考えられています。

※2 血管肉腫について
血管肉腫とは、血管の内皮細胞から発生するがんのことです。体のいたるところにできる可能性があり、皮膚に生じることが多いがんです。

                                               以 上

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