アフリカにおける日本の保健ODAの在り方についての調査報告書が完成ー31ヵ国105件の回答をまとめ、日本政府などに提言

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NPO法人アフリカ日本協議会(共同代表稲場雅紀・玉井隆)は、日本の保健分野における援助が、アフリカで草の根レベルで保健に取り組むNGO(非政府・非営利で公益のための活動に取り組む団体)にどの程度届いているか、アフリカで活動するNGOを対象に、アンケートとインタビュー調査を行いました。その報告書をウェブサイトで公開するとともに、8月23日にTICAD公式サイドイベントとして、ウェビナーを開催します。
調査は、2022年4月から6月にかけて、アフリカで草の根レベルの保健分野で活動する市民社会組織をまとめる二つのNGOネットワーク(「東アフリカ地域全国エイズ・保健サービス組織ネットワーク連合」[EANNASO: Eastern Africa National Networks of AIDS and Health Service Organizations 本部アルーシャ(タンザニア)]、「必須医薬品アクセスネットワーク」[Réseau d’Accès aux Médicaments Essentiels 本部ワガドゥグ(ブルキナファソ)]と連携して実施し、31ヵ国から105件の回答を得ました。この調査は、誰もが質の高い保健・医療サービスを受けられる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」(UHC)のアフリカでの実現に向けて、日本の援助の在り方を検証し、日本政府および関連機関に提言することを目的としたものです。

調査では、一部の国を除いて、日本の援助が十分にコミュニティ・レベルに届いていないこと、また、75%が日本のODA全般について認知しているものの、保健医療分野に限定すると、プロジェクトの実施や研修への参加、機材供与、インフラ、保健システムの形成・確立などについての現地NGOの認知及び関与は乏しいことが判明しました。同時に、アフリカのNGOからは、日本の援助機関との定期的な対話や、連携・協力の機会を得たいという要望が寄せられました。

アフリカ日本協議会では、これらの調査の結果をもとに、日本の保健分野の二国間援助の仕組みをどのように変えていけば、日本の援助がコミュニティ・レベルでの保健の向上に資するようになるかについて提言をまとめ、報告書を日本語、英語で公開しました(仏語版制作中)。また、8月23日(火)には、現地で調査に協力した二つのネットワークからスピーカーを招き、TICAD公式サイドイベントとしてウェビナーを開催します。

報告書掲載サイト https://ajf.gr.jp/surveyreport-oda202208/

報告書
(日本語版) https://ajf.gr.jp/wp-content/uploads/2022/08/JP_Survey-Report_Access-to-Japanese-bilateral-DAH-from-Commmunity-in-Africa0819.pdf
(英語版)
https://ajf.gr.jp/wp-content/uploads/2022/08/EN_Survey-Report_Access-to-Japanese-bilateral-DAH-from-Commmunity-in-Africa0819.pdf

【8月23日(火)19時~21時 TICAD公式サイドイベント】
「UHC達成にはコミュニティとの連携を:アフリカにおける日本の保健ODAの在り方についての調査と提言」
日時:8月23日午後7時~9時
形式:ウェビナーによるオンライン会議
お申し込み: https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_Tsgpy2y_Se-6RXyZB_D2EA
主催:(特活)アフリカ日本協議会、東アフリカ地域全国エイズ・保健サービス組織ネットワーク連合(EANNASO、本部 アルーシャ(タンザニア))、「必須医薬品アクセス連合」(RAME、本部 ワガドゥグ(ブルキナファソ))

【アフリカ日本協議会について】
特定非営利活動法人 アフリカ日本協議会 https://ajf.gr.jp/
国際保健・食料の課題などに取り組んでいるアフリカの市民団体と連携し、課題解決につながる情報提供やアドボカシーを行っています。
設立:1994年3月
共同代表:稲場雅紀、玉井隆
事務局長:廣内かおり
 

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