薬品を使わないボイラ水処理システム「Chemi Free」の販売開始

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IHIのグループ会社である株式会社IHI汎用ボイラ(所在地:東京都江東区,社長:高柳 英司)は,膜を用いた脱酸素装置と電場・磁場処理を組み合わせることにより,薬品を使わずに効果的にボイラの水処理を可能とする「Chemi Free(ケミフリー)」(特許 第7053929取得)を開発し,このたび販売を開始しました。

 ボイラは加熱や滅菌などの熱源として使われる蒸気を作る装置で,多数の管や鋼材で構成されることから,給水による内部の腐食や炭酸カルシウムやシリカなどの堆積物(スケール)が管に固着することを防止するため,薬品による水処理が必要でした。

「Chemi Free」は当社の独自技術により実現した薬品を使用しない環境にやさしい水処理システムです。

Chemi Freeの特徴

環境負荷の低減】

 薬品が不要となるため,薬品の製造・輸送時に発生するCO2のみならず,ボイラ排水の残留薬品を処理する際に生じるCO2を削減できます。また,残留薬品などの漏洩もないことから環境負荷低減に寄与します。

【ボイラの長寿命化】

長年実績のある電場・磁場処理を用いてスケール分を分散,スラッジ化することで固着を防ぐ「スケールキラー」に加え,膜式脱酸素装置を組み合わせました。これにより,鉄錆の原因となる水中の溶存酸素量を低減することで,腐食を防止し,ボイラの高寿命化を実現します。

 

【省人化の実現】

薬品購入のランニングコストや在庫管理に加え,重い薬品の補充作業が不要になります。

 

 カーボンニュートラルの実現に向け,産業現場の熱エネルギー源となる汎用ボイラの高効率化は,環境負荷低減,工程費用削減につながるため,持続的な技術開発と最適化のニーズが高まっています。

 IHI汎用ボイラは,こういった課題やニーズの解決にこれまで以上に貢献するため,さまざまな業種のお客さまに向けて,今後も販売を拡大していきます。また,アンモニア混焼ボイラの開発をはじめ,水素やメタンなど,さまざまな燃料に対応すべく,開発に取り組んで行きます。

 

※参考資料

 ・膜式脱酸素装置(左)と概念図(右)

                                                                           

膜式脱酸素装置とは,液体は透過せず,気体だけ透過する膜の片側に通水し,反対側を真空にすることにより,水中の溶存ガス(酸素含む)を除去する装置です。

・電場・磁場処理装置(スケールキラー)(左)と概念図(右)

 

【会社概要】

株式会社IHI汎用ボイラ(http://www.ibk-ihi.co.jp/index.html

(1)所 在 地  : 東京都江東区深川2丁目8番19号(さくらいビル)5階

(2)代 表 者  : 代表取締役社長 髙栁 英司

(3)資 本 金  : 400,000,000円

(4)事業概要 : 中小型ボイラ・熱管理機器・省エネルギー機器・公害防止機器 及び付帯設備の 設計、製作、 販売、施工、工事監理

・技術指導サポート

・設備診断

・運転,保守,メンテナンスサービス

・部品・水処理薬品供給サービス
 

      

         

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