同病院の周辺では爆撃が止まず病院の50m先に着弾、病院の窓ガラスが吹き飛ぶような状況です。(※)
現在、同病院には、入院患者400人のほか、約1万4000人の市民が避難してきており、危険が迫っています。入院患者を動かせないことや多くの市民が避難してきている状況のため、日赤の支援事業に携わるローカルスタッフを含め、有志のスタッフが病院に残り、一人でも多くの命を救うために全力を尽くしています。
この事態を受け、同支援事業を担当する日赤職員が、レバノンから緊急オンライン報告を行います。ぜひこの機会にご取材ください。
1 日時
令和5年10月30日(月) 16時30分~
2 開催方法
オンライン(Microsoft Teams)
3 報告者
松永 一(まつなが はじめ)
日本赤十字社 中東地域現地代表部 首席代表(レバノン・ベイルート駐在)
<業務内容>
日赤と中東地域の赤十字社等との人道支援の調整を行う。特に「パレスチナ赤新月社」との医療協力事業を担当し、ガザ地区にある「パレスチナ赤新月社アルクッズ病院」の医療技術支援事業を指揮しており現地病院のアセスメントなどを実施してきた。
4 パレスチナ赤新月社の活動
※最新情報は、パレスチナ赤新月社のX(旧Twitter)からご覧いただけます。
パレスチナ赤新月社はパレスチナの赤十字組織であり、ガザ地区での緊急医療を中心的に担っています。救急車による緊急搬送のほか、アルクッズ病院(ガザ域内北部)、アル・アマル病院(同南部)の2病院を運営しており、これまでに負傷者6114人に対し、応急手当や緊急医療を提供してきました。(治療者数 アルクッズ病院:845人、アル・アマル病院:668人、10月24日時点)
しかし、ガザ地区の物資不足は病院にも大きな影響を及ぼしています。医薬品や医療資機材だけではなく特に発電機の燃料不足は深刻です。電気がないと特に集中治療室の患者のケアや生命維装置などが使えなくなるため、多くの患者の命に危険が及びます。また燃料が尽きると給水ポンプも作動しなくなるため、病院は機能不全に陥ってしまいます。
病院では、多数の避難民が廊下に座り込んでいます。病院はいまや治療を提供するだけの場所ではなく避難所にもなっています。
しかし、そのような中でも攻撃は続いており、先日も、アルクッズ病院の隣の建物やアル・アマル病院の目の前の建物が攻撃の影響で爆発しました。
6 ガザ地区における日赤の活動
日赤は、2019年10月からアルクッズ病院で医療技術支援事業を展開しています。コロナ禍を経て、ようやく支援活動が本格化してきたところでした。
7 参考
国際人道法では、病院や医療従事者への攻撃を禁止しています。また、全ての紛争当事者は、民間人や民用物が軍事行動から生じる危険に巻き込まれないよう努力することも定めています。
8 ご取材のお申込み
10月30日(月)16時までに、下記専用フォームよりお申込みください。