【2023年10月13日 ニューヨーク発】
迫り来る大規模な攻撃を前に、多くの子どもたちとその家族が、ガザ北部からの避難を開始しています。10月7日の残忍な攻撃の後、ガザへの砲撃が日々続く中、数百人の子どもたちが死亡し、数千人が負傷したと報告されています。
地球上で最も人口密度の高い場所のひとつであるガザへの大規模な軍事攻撃が予想され、110万人(その半数近くが子ども)もの人々への避難勧告が出されたことを受け、ユニセフ(国連児童基金)は、即時停戦を呼びかけています。
ガザの子どもたちやその家族の食料や水、電気、医薬品、病院への安全なアクセスは、数日間にわたる戦闘とすべての物資供給路の遮断により、事実上既に尽きています。
「状況は壊滅的で、容赦ない爆撃が行われ、避難する子どもたちや家族の数が大幅に増加しています。(今、ガザに)安全な場所はありません」とユニセフのキャサリン・ラッセル事務局長は訴えています。「早急な停戦と人道回廊の確保が、ガザの子どもたちや家族に必要な支援を届けるための最優先事項です。誰であろうと、どこにいようと、支援を必要とする子どもたちへ、妨げられることなく安全にアクセスできるようにするために、人道的な観点から一時的な停戦が必要です。戦闘にもルールがあります。ガザの子どもたちは、命を繋ぐ支援を必要としています。」(ラッセル事務局長)
ガザでは、多くの住宅や重要な社会インフラが既に廃墟と化し、42万3,000人を超える人々が自宅を追われています。学校や病院に避難している人もいますが、攻撃で被害を受けた学校もあります。ガザにある2つの主要病院は、すでに燃料が底をつき、負傷した市民であふれかえっています。そうした人々にさえ、数時間以内の避難勧告が出ているのです。
現在、民間人がガザの外に出る方法は、事実上、まったくありません。
ユニセフは、ガザ地区全域で子どもたちの切実なニーズに応え続けています。しかし、支援活動は、ますます困難で危険なものとなっています。また、人道支援関係者もガザ市内から退避するよう警告されていますが、ユニセフのスタッフはガザの南部地域にとどまり、支援を必要としている子どもたちへの支援を続けています。
ユニセフは、事前に配備していた物資のほぼすべてを配布し尽くしました。ガザ地区全体で唯一機能している海水淡水化プラントを、大幅に縮小された能力で稼働させ続けることに努めています。このプラントは、7万5,000人に安全な水を供給しているものですが、発電用の燃料が無くなればすぐに停止する可能性があります。医療物資や医薬品も病院に提供しました。しかし、増え続ける負傷者の数を考えると、病院のベッドや必要不可欠な医薬品(麻酔薬を含む)はすぐに底をついてしまう状況です。
「子どもは子どもです。どの国・地域にいようと、子どもは、常に守られなければなりません。決して攻撃の対象になってはならないのです」とラッセル事務局長は訴えます。「国連事務総長が呼びかけているように、私たちも、100万人を超えるパレスチナ市民に対するガザ北部からの退去命令を撤回し、彼らの安全と保護のためにあらゆる可能な措置を講じるよう訴えます」(ラッセル事務局長)
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ユニセフ「ガザ人道危機 緊急募金」 ご協力のお願い
(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「ガザ人道危機 緊急募金」の受け付けを開始しました。最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。
1. 郵便局(ゆうちょ銀行)から
振替口座:00190-5-31000/口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「ガザ」と明記願います。
*窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。
2. インターネット募金(クレジットカード/コンビニ/ネットバンクから)
※現在、開設準備中です。準備が整い次第開始します。
※公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp )