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【産後パパ育休制度の認知度・理解度】知っている人は75.5% 理解している人は47.0%と全体の約半数
昨年10月、男性が育休を取得しやすくするための法改正として、「産後パパ育休(出生時育児休業)制度」が施行されました。それから1年が経過した今、男性ビジネスパーソンは「育休取得」に対してどのような価値観を持っているのでしょうか。1年前に当社が実施したアンケート調査(※)の結果と比較しながら現状を調査しました。
はじめに、対象者全員に産後パパ育休制度を知っているか聞いたところ、「言葉も意味も知っている」が47.0%、「意味は知らないが見聞きした」が28.5%と、理解の有無に関わらず制度を「知っている」人が75.5%となりました。1年前の調査では男性の認知度は63.2%だったことから、認知度としてはやや増加していることがわかります。また、意味まで理解している人が半数近くにのぼったことから、制度に関する理解も徐々に浸透しつつあるようすがうかがえました。
(※調査内容:産後パパ育休制度について 詳細:https://www.workport.co.jp/corporate/news/detail/817.html)
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【育休取得経験】育休を取ったことがある男性は9.6%と少数 約9割の男性が取得経験なし
次に、対象者全員にこれまで育休を取ったことはあるか聞いたところ、「ある」とする回答は9.6%と全体の1割程度に留まり、育休の取得経験は「ない」男性がほとんどを占めました。
育休を取ったことがあると回答した男性に取得理由を聞いたところ、「妻の負担軽減と子供の成長を見守りたかったため」(30代・男性・機械系エンジニア)、「育児に参加したかったため」(30代・男性・営業)など、パートナーの負担軽減や育児に積極的に取り組むことを目的とした意見が多数寄せられました。
▼育休を取った理由(一部抜粋) 「第二子が生まれ、幼い第一子と二人の育児を妻だけに任せるわけにはいかないと思ったため。また、育児をする機会は一生に一度くらいであるため、経験したいと思ったから」(40代・男性・管理) 「妻の職場復帰と入れ替わりで育児をするため」(30代・男性・企画マーケティング) 「子供が小さい間は家族と過ごすことに大きな価値を感じるため」(30代・男性・運輸交通) 「会社から取得をお願いされたから」(30代・男性・営業) …など |
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【育休取得の所感】全員が「育休を取って良かった」と回答 とくに9割以上は大満足のようす
続いて、前出の回答者に育休を取って良かったと思うか聞いたところ、育休の取得経験がある男性の全員が「そう思う」と回答しました。さらに、そのうち約9割の人が「かなりそう思う」と強い満足感を示しました。
育休を取って良かったと感じる理由を聞いたところ、「子どもたちの貴重な瞬間を共有できたから」(40代・男性・管理)、「小さい頃の子供の成長スピードは早いが、それを毎日見られたから」(30代・男性・機械系エンジニア)など、貴重な乳児期の子供の成長に立ち会えたことを喜ぶ意見が中心となりました。また、「子育ての一番大変な時期を体験できたから」(40代・男性・事務)、「妻の負担を軽減できたから。また、負担を知れたから」(40代・男性・企画マーケティング)など、育児の大変さを実感できたとする意見も多く挙がりました。
▼育休を取って良かったと感じる理由(一部抜粋) 「育児が世間一般のマニュアルどおりにいかないことが多いと、身をもって知れたため」(40代・男性・管理) 「子供が生まれてすぐの貴重な時間を妻と一緒に過ごし、楽しいことも大変なことも共有できたから」(30代・男性・製造) 「子供の新生児の時期は後から取り返せるようなものではないから」(30代・男性・運輸交通) 「唯一無二の家族との時間が作れたため」(30代・男性・営業) …など |
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【育休未取得の理由】半数近くが「子供がいたけど取らなかった」 制度や環境の不備が主な原因
さらに、育休を取ったことがないとする男性に状況を聞いたところ、「子供がいたけど取らなかった」人が42.9%と半数近くにのぼりました。
子供がいたけど育休を取らなかったと回答した男性に理由を聞いたところ、「男性の育休という概念がまだ浸透しておらず、制度も整備されていなかったから」(40代・男性・その他)、「職場の人員が少なくて育休を取れる環境ではないから」(30代・男性・製造)、「上司や先輩からの圧力があったため」(40代・男性・製造)など、制度や環境が整っていないことが原因で育休を取りたくても取れなかったとする意見が大半を占めました。その他には、「収入が減るため」(30代・男性・管理)など経済面がネックになったとする意見や、「育休を取得することへの大きい不安や抵抗感があったため」(30代・男性・営業)、「妻が育休を取得してくれたため」(40代・男性・システムエンジニア)など、あえて育休を取らなかったとする意見も寄せられました。
▼育休を取らなかった理由(一部抜粋) 「会社に男性育休の制度や前例がなかったため」(30代・男性・営業) 「今のように職場で育休取得の推奨はなく、取れる雰囲気ではなかったから」(40代・男性・営業) 「会社側に拒否されたから」(30代・男性・製造) 「制度はあったが会社に言い出せなかった。また、育休取得で収入を減らす余裕がなかったから」(40代・男性・その他) 「妻が専業主婦で、私自身も休みを取るのに比較的融通が利き、育休まで取る必要は感じなかったから」(40代・男性・接客販売) 「子の祖父母から充分な支援を受けることができたため」(40代・男性・製造) …など |
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【男性育休への価値観】積極的に取得すべきと回答した男性が90.4% 大多数が男性育休に賛成
対象者全員に、男性も積極的に育休を取るべきだと思うか聞いたところ、「かなりそう思う」(59.3%)、「ややそう思う」(31.1%)が合わせて90.4%と9割を超えました。男性ビジネスパーソンの大部分が、男性も積極的に育休を取るべきという考えを持っているようです。
男性も積極的に育休を取るべきと回答した人にその理由を聞いたところ、「育児参加は義務だと思うから」(30代・男性・製造)、「育児は一人でするものではなく、夫婦で協力して行うものであるため」(30代・男性・その他)、「子育てに男性も女性も関係ないため」(40代・男性・営業)など、男性も育児をするのが当たり前とする意見が多く挙がりました。
▼男性も積極的に育休を取るべきと思う理由(一部抜粋) 「親として性別関係なく責任があるから」(40代・男性・管理) 「家族で育児をするのが当たり前。子供を産んで大変だった妻を労ることができないのは良くないと思うから」(30代・男性・公務員) 「男性でも仕事とプライベートを両立できる環境や雰囲気をつくることで、女性が産後に働きやすくなるから」(40代・男性・管理) 「身をもって妻の大変さを知ることにより、夫婦間の絆も強くなると思うから」(40代・男性・接客販売) 「女性だけが育休を取るという固定概念はなくすべきだと思うから」(30代・男性・医療福祉介護) 「育児をすることは人生の幸福度に大きく関わると感じるため」(20代・男性・営業) …など |
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【育児負担の割合】パートナーと「半分」ずつ負担が理想 「6~7割」とやや多めの負担を求める人も
次に、対象者全員にもしご自身に子供が生まれた場合、パートナーには何割育児を負担してほしいか聞いたところ、「5割」と答えた男性が60.4%で最多となりました。前出の質問でも「育児は男女平等に」といった意見が多く挙がりましたが、育児の負担量についてもパートナーと半分ずつを理想とする人が多いことがわかりました。ただしその他の意見では、「6割」が17.8%、「7割」が8.9%と、パートナーにやや多めの負担を望む声が多い傾向にありました。
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【自身の育休取得意欲】これから子供が生まれたら「育休を取りたい」とする男性は86.6%と8割以上
次に、対象者全員にもしご自身に子供が生まれた場合、育休を取りたいか聞いたところ、「かなりそう思う」(58.1%)、「ややそう思う」(28.5%)が合わせて86.6%でした。中でも「かなりそう思う」と回答した男性は半数を上回っており、育休取得の意欲が高い人が多いことがわかりました。
子供が生まれたら育休を取りたいと回答した男性に理由を聞いたところ、「自分の子どもなので、育児に関わりたいから」(20代・男性・企画マーケティング)、「子供が小さいときの貴重な時間を、できるだけ一緒に過ごしたいから」(30代・男性・製造)、「育休なしでは家事・育児に必要な時間をまかなえないから」(40代・男性・事務)など、育児に積極的に取り組みたいとする意見が多数寄せられました。
▼子供が生まれたら育休を取りたいと思う理由(一部抜粋) 「仕事と家庭を両立してパートナーと平等な育児を行いたい、子どもの成長に立ち会いたいから」(30代・男性・事務) 「子供は両親によって世話をされる必要があると考えているから」(30代・男性・機械系エンジニア) 「パートナーの負担を減らすため。仕事で疲れて育児ができないという事態を減らしたいから」(30代・男性・事務) 「子供の世話は昼夜問わないため、仕事に影響を出さないためにも育休が必要だから」(20代・男性・コールセンター) 「制度を活用しないと下の世代も取り辛くなる。男性育休を当たり前にしたほうがよいと思うから」(40代・男性・機械系エンジニア) 「仕事をやりながらよりも子育てに集中できるから」(40代・男性・営業) …など |
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【職場の現状】「男性は育休を取りにくい」と感じている人が過半数 環境不備や人手不足など多くの課題
続いて、対象者全員に職場は男性も育休を取りやすい環境だと思うか聞いたところ、「まったくそう思わない」(38.1%)、「あまりそう思わない」(24.8%)が合わせて62.9%と半数を超えました。ちなみに1年前の調査では61.3%だったことから、産後パパ育休制度の施行から1年経った今も職場環境はあまり変化していないことが明らかになりました。
職場で男性は育休を取りにくいと回答した人にその理由を聞いたところ、「制度も前例もないため」(30代・男性・営業)、「従業員数が少ないため」(40代・男性・コンサルタント)、「男性は取らないのが当たり前という雰囲気があるから」(30代・男性・異様福祉介護)など、制度や環境の不備、人手不足、古い体質といった多くの課題が浮き彫りになりました。
▼職場で男性は育休が取りにくいと感じる理由(一部抜粋) 「会社から育休に関するアナウンスなどを一度も聞いたことがないから」(40代・男性・製造) 「先輩社員で育休を取得している人がいないから」(20代・男性・営業) 「周りが取らないし、取る人を陰で馬鹿にしているから」(20代・男性・企画マーケティング) 「一人の業務負荷・責任が大きすぎて、穴を空けることができない環境や雰囲気があるため」(40代・男性・製造) 「人手不足であるため、よい顔をされないことが目に見えているから」(40代・男性・公務員) 「実際に上司に相談したら評価を下げると言われたから」(30代・男性・製造) …など |
男性の育休を推進するための産後パパ育休制度が施行されてから1年が経過し、制度への理解も徐々に深まりつつある一方で、実際にはいまだに多くの男性ビジネスパーソンが「男性は育休を取りにくい」と感じていることがわかりました。しかし、大多数が「男性も積極的に育休を取得すべき」という価値観を持ち、自身も取得を希望していることから、今後職場の環境が整えば男性の育休取得者が増えていくことは間違いないでしょう。社内制度を整備するだけでなく、積極的に事例をつくって周知させ、取得しやすい雰囲気を醸成するなど、企業による中身の伴う取り組みにますます期待が高まります。
■調査概要 調査内容 :男性ビジネスパーソンの育休に対する意識調査 調査機関 :自社調査 調査対象 :当社を利用している全国のビジネスパーソン(20代~40代・男性) 有効回答 :270人 調査期間 :2023年9月21日~9月27日 調査方法 :インターネット調査 ※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。 |
■ワークポートの取り組み
ワークポートは2023年3月、おかげさまで設立20周年を迎えました!
ワークポートは、求職者のキャリアを一緒に考え、ベストな企業、仕事を見つける転職エージェントです。ワークポートでは、良質で満足度の高いサービスを提供したいという思いを込め、キャリアコンサルタントを“転職コンシェルジュ”と呼んでいます。転職希望者のキャリアや人生設計に適う求人のご紹介のほか、ご要望に合わせて年収交渉や退職のアドバイスなどをいたします。転職コンシェルジュとしての質の向上のため、人間性と専門性を高める取り組みなども行っています。
また、転職をもっと身近なものにしたいという思いから、全国への拠点拡大を進めております。どのエリアでも転職エージェントを気軽にご利用いただける環境を整備することで、雇用機会の創出や労働移動の活発化に貢献してまいります。
※「転職コンシェルジュ®」はワークポートの登録商標です。https://www.workport.co.jp/trademark/
■会社概要
商号 :株式会社ワークポート
代表者 :代表取締役社長 林 徹郎
本社所在地 :〒141-0032 東京都品川区大崎1-2-2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー9F・6F
設立 :2003年3月
事業内容 :人材紹介サービス(有料職業紹介事業 許可番号:13-ユ-040590)
従業員数 :1,022名(2023年4月現在)
拠点 :【職業紹介拠点】東京、札幌、青森、仙台、郡山、茨城、宇都宮、高崎、埼玉、千葉、横浜、新潟、金沢、山梨、長野、岐阜、静岡、名古屋、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫(神戸・姫路)、和歌山、岡山(中四国)、広島、高松、松山、高知、福岡(天神・小倉)、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄、韓国【その他】新宿、宮崎、タイ
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