株式会社メニコン(本社:名古屋市中区葵三丁目21-19、代表執行役社長:田中英成)は、2022年5月よりシンガポールに設立されたMyopia Specialist Centre(代表:Stan Isaacs)と、近視に関する先端研究、及び近視教育についての協力体制を構築し、近視進行抑制に関する研究を開始することをご案内致します。
<近視研究及び教育における協力体制の背景>
近視人口は、特にCOVID-19のパンデミック以降、世界的に増加傾向にあります。パンデミック全盛期に取り入れられた家庭学習、在宅勤務、スクリーン時間の延長などのライフスタイルの変化により、近視に悩む子どもの数が急増し、子どもと大人の両方で課題となってきています。また、2050年には全世界人口の約50%が近視に、約10%が強度近視になると推測されています¹。近視の頻度は特に東アジア諸国で高く、一部の地域では90%を超えるとも報告されています²。さらに、強度近視になると、網膜や視神経が障害され、失明の原因となります。将来的な眼疾患リスクの低減や医療費の削減等の点からも、近視進行に対する対策は重要な課題であり³、研究の発展が期待されています。
<Myopia Specialist Centreの概要>
・研究開始:2022年9月
・研究拠点:Myopia Specialist Centre (カムデン医療センター、シンガポール)
・代表者 :Stan Isaacs (オプトメトリスト)
Myopia Specialist Centreは、アジアで初めての近視専門の最先端の施設です。近視専門家や業界とのパートナーシップにより設立され、近視に対する認知度を高め、教育や専門的な近視管理方法を通じて 「近視」に対応していきます。世界的に著名な近視専門家を外部コンサルタントに迎え、近視研究のための最新設備も有しています。 また、提供するサービスやプログラムは、デジタル時代における目に与える影響を緩和するためにカスタマイズされています。
特に、子どもの近視の管理には、最新の臨床研究に基づいたソリューションを提供することに重点を置き、近視の進行を遅らせ、子どもの視力の質を向上させることを目的としています。
「世界の近視研究の中心地として知られるシンガポールで開業しているオプトメトリストして、当時はできることが少なくもどかしさを感じていました。1995年から近視の研究に力を入れるようになり、近視のコントロールへ向けて世界に変革をもたらすという私の夢を実現するためにメニコンと協働することは大きな前進です。メニコンの保有する最新技術、及び近視専門家の豊富な知識を統合させ、新製品の開発や管理方法に変化をもたらすことができるでしょう」(Stan Isaacs氏談)。
メニコンは、オランダ現地法人においてオルソケラトロジーレンズとして、世界ではじめてCEマーク認証を取得した近視進行抑制用レンズ「Menicon Bloom Night」を販売しております。オランダに続き英国、フランス、スペイン、イタリア、オーストリア、オーストラリア、シンガポールの7ヵ国ヘも導入しております。また、Visioneering Technologies, Inc.社が近視矯正及び近視進行抑制用としてCEマーク認証を取得した1日使い捨てソフトコンタクトレンズのOEM供給を受け、「Menicon Bloom Day」として販売しております。これらの製品を含む包括的な近視進行抑制システム「Menicon Bloom」を主に欧州市場に展開しております。
また、日本国においては、愛知医科大学眼科クリニックMiRAI内に寄附講座を開設し、本件と並行して日本国内においても近視研究を推進し、国内外の連携によって「近視」という社会問題に取り組んでまいります。
1) Holden BA et al. Global prevalence of myopia and high myopia and temporal trends from 2000 through 2050. Ophthalmology 2016; 123, 1036-10423
2) Rudnicka AR, et al. Global variations and time trends in the prevalence of childhood myopia, a systematic review and quantitative meta-analysis: implications for aetiology and early prevention. Br J Ophthalmol 2016; 100, 882-890
3) Flitcroft DI et al. IMI – Defining and classifying myopia: a proposed set of standards for clinical and epidemiologic studies. IOVS. 2019; 60(3): M20-M30