2023年7月27日にガリアン財団が発表した2023 Prix Galien USA AwardのBest Startupに、当社子会社のEmendoBio社がノミネートされました。
EmendoBio社のCEOであるDavid Baramは、
「EmendoBio社が、権威あるPrix Galien USA AwardのBest Startupにノミネートされたことを大変嬉しく思います。これは、EmendoBio社が、バイオ医薬の最前線にいることを再認識する良い機会になります。」
とコメントしています。
Prix Galien Award(プリ・ガリアン賞)は、フランスの薬学者ローランド・メールが先進的かつ卓越した医薬品の研究開発を促すことを目的に1969年に創設しました。その名称は古代の医学者ガレノスに由来して命名され、1970年より臨床医・薬学者・薬剤師・製薬会社などを対象に始まりました。1980年代以降は、各国で学識経験者らが選考し、授与を行うようになり、フランス、ドイツ、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、スペイン、ポルトガル、イギリス、アメリカなどが自国や地域の名を冠した賞を制定しています。
現在のプリ・ガリアン賞は、毎年10カ国以上の国や地域で選定が行われ、今や製薬分野のノーベル賞とまで言われており、画期的な医薬品を開発した者に授与する国名を冠して贈られる賞となっています。
Prix Galien USA Awardは2007年に開始し、最初は独自の医療製品、後にデバイス、最終的には革新を通じて患者ケアに影響を与えた個人を表彰していましたが、現在は、過去5年間にFDAによって承認された最優秀医薬品製品、最優秀バイオテクノロジー製品、最優秀医療技術に加えて、最優秀デジタル ヘルス ソリューション、最優秀インキュベーター/アクセラレーター/エクイティ、最優秀スタートアップに賞を授与しています。
Prix Galien USA
【EmendoBioについて】
・商号 :EmendoBio Inc.
・本社所在地:400 W 61st St, New York, NY, 10069
・代表者 :David Baram(CEO)
・HP :https://www.emendobio.com/
当社は、2020年12月に究極の遺伝子治療法ともいわれるゲノム編集における先進技術及びそれを活用した開発パイプラインを持つEmendo社を子会社化しました。
Emendo社では、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼを探索・最適化するプラットフォーム技術(OMNI Platform)を確立しており、ゲノム編集でしばしば問題視される「オフターゲット効果」を回避できるなど、新たな特徴をもった新規ヌクレアーゼ(OMNI ヌクレアーゼ)を数多く作出し、特許を出願しております。
Emendo社ではOMNI Platformの更なる性能向上、効率化を目指した開発を継続しております。
同時にEmendo社では、様々な遺伝子疾患について、その疾患と遺伝子変異の分子機構の理解に基づき、疾患に応じてゲノム編集戦略を構築し、数多くのOMNIヌクレアーゼの中から適切なヌクレアーゼを選択し、それをさらに標的配列に対して最適化して、これまでゲノム編集では対象とできなかった疾患を含め、様々な疾患に対する安全で有効な治療の開発を進めております。
なかでも、ELANE(好中球エラスターゼ遺伝子)の異常によるELANE関連重症先天性好中球減少症では、対立遺伝子配列の一方のみの変異により発症するため、その治療は、ほとんど同じ配列をもつ対立遺伝子のうち、変異のある遺伝子のみを破壊するという非常に精度の高いゲノム編集が必要となります。
Emendo社では、ELANE関連重症先天性好中球減少症を対象とするゲノム編集治療について、2023年度中に米国での臨床試験開始に向け、FDAと協議を実施しております。
【アンジェスについて】
・商号 :アンジェス株式会社
・本社所在地:大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目7番15号 彩都バイオインキュベータ
・代表者 :山田 英(代表取締役 社長)
・事業内容 :遺伝子医薬品の研究開発
・資本金 :34,559百万円(2023年5月10日現在)
・設立日 :1999年12月17日
・証券コード:4563(東京証券取引所グロース)
アンジェスは、遺伝子医薬技術を活用し、革新的な医薬品開発に取り組むバイオ製薬企業です。遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指し、遺伝子の働きを利用した新しいタイプのバイオ医薬品である遺伝子医薬の開発を行っています。
当社は、大阪大学の基礎研究を基に1999年12月に設立されて以降、研究と開発の段階を経て、足の血流が極度に悪化する慢性動脈閉塞症を対象としたHGF遺伝子治療用製品については、2019年3月、国内における条件及び期限付製造販売承認を取得し、同年9月に田辺三菱製薬より製造販売を開始しました。これは国内では初の遺伝子治療用製品となります。またプラスミドDNAを使用した製品化は世界初となります。
さらに、2023年5月31日には、再生医療等製品の条件及び期限付承認制度の導入後初めて、条件解除のための本承認申請を行いました。
当社はその他にも、椎間板性腰痛症を対象とした核酸医薬「NF-κBデコイオリゴ」の開発や、大変希少な致死性の遺伝的早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロジェロイド・ラミノパチーの治療薬ゾキンヴィの日本での独占販売契約を2022年5月に米国のバイオ医薬品企業Eiger BioPharmaceuticals Inc.と締結し、2023年5月12日、厚生労働省に国内製造販売承認申請を行いました。ゾキンヴィは厚生労働省により希少疾病医薬品(オーファン・ドラッグ)に指定されました。
さらに、当社子会社であるEmendoBio社では、究極の遺伝子治療であるゲノム編集について先進技術を保有しており、今まで治療法のなかった疾患の治療を可能にするゲノム編集製品を患者の方々に届けできるよう研究開発を進めております。