【調査サマリ―】
1.旅行業界を取り巻く変化と新規求職者数・求人数の月次推移 2021年10月に緊急事態宣言がすべて解除され、旅行者はすぐ増加したが、求職者数は2022年1月以降から、求人数は2022年3月以降から増加傾向となった。また、変異ウイルス「BA.5」による新型コロナ第7派の影響もあったが、2022年10月に水際対策が大幅に緩和したタイミングで求人数が大きく増加。さらにマスク着用が個人の判断とされた2023年3月には求人数が4倍近く、求職者数は2.5倍という結果となった。 ホテル・旅館業界の転職市場が非常に活発であることが伺われる。
新規求人数については、千葉県が5.3倍、大阪府が4.4倍と大きく増加。求職者数は、東京を中心とした首都圏は1.8倍~2.2倍と大きな伸びをみせた。 (※2021年10‐2022年3月/2022年10‐2023年3月のデータと比較、倍数は小数点5以上の場合、切り上げ表記) 3.職種別新規求人数 全ての職種において、新規求人数は伸長している。とくに宿泊・仲居は3.6倍、料飲は3.5倍、マネージャー・管理職は4.8倍と大幅に増えている。 (※2021年10‐2022年3月/2022年10‐2023年3月のデータと比較、倍数は小数点5以上の場合、切り上げ表記) 4.職種別新規求人平均給与額 2021年下期では、新規求人の全国平均給与は337.6万円だったが、2022年下期では361.3万円と約7%増加している。東京都の平均給与は、2021年下期が365.9万円、2022年下期が404.9万円と、10%以上の増加となった。 |
1.旅行業界を取り巻く変化と新規求職者数・求人数の月次推移
※2021年10月の値を100
※国内旅行者数の数値は、国土交通省発表の「宿泊旅行統計調査 令和5年1月分、推移表」より
2021年10月に緊急事態宣言がすべて解除され、旅行者数は大きく伸びるが、求人・求職に関しては静観の構えで、ほぼ横ばいから下落傾向となった。
しかし、2022年1月には求職者数、2022年3月には求人者数が常に100を超える値で推移しており、ホテル・旅館業界の転職市場が非常に活発であることが伺われる。
2022年6月に外国人観光客受け入れを再開、7・8月は夏休みシーズンもあり旅行者数が右肩上がりとなったが、同時期に変異ウイルス「BA.5」による新型コロナ第7派の影響により、求職者数は増加するものの、求人数は横ばいから下落という傾向に。
2022年10月に水際対策が大幅に緩和したタイミングで求人数が大きく増加。10、11月は2.5〜3倍と高い水準となった。さらにマスクの着用が個人の判断とされた2023年3月には求人数が4倍近く、求職者数は2.5倍を超える結果となった。
2.首都圏別、新規求職者数・求人数の変化
(※2021年10‐2022年3月/2022年10‐2023年3月のデータと比較)
求人数については、千葉県(5.3倍)、大阪府(4.4倍)が大きく増加。一方で、福岡県や沖縄県は1.5倍以上ではあるが、全国平均に比べると伸びが小さい。しかし今後も増え続けると想定される。
求職者数については、求人数ほどではないが増加傾向にあり、東京を中心とした首都圏は1.8〜2.2倍と大きな伸びをみせ、大阪や京都などの関西圏は1.3倍の伸び率となった。
(※倍数は小数点5以上の場合、切り上げ表記)
3.職種別新規求人
(※2021年10‐2022年3月/2022年10‐2023年3月のデータと比較)
全ての職種において、新規求人数は伸長している。とくに宿泊・仲居は3.6倍、料飲は3.5倍、マネージャー・管理職は4.8倍と大幅に増えている。
新型コロナによる旅行者数の変化により、お客様と直接関わるポジションのフロント部門(宿泊・仲居)、料飲部門の人員に大きなインパクトを与えたことが影響していると考えられる。
(※倍数は小数点5以上の場合、切り上げ表記)
4.職種別新規求人平均給与額
2021年下期では、新規求人の平均給与は337.6万円だったが、2022年下期では361.3万円と約7%増加している。東京都に絞ると365.9万円から404.9万円と10%以上の増加となった。
新規求人数が増えるとともに、待遇も改善される傾向にあり、業界全体で人手不足解消に向け、ホテル・旅館の各社は給与水準をあげる対応をしている。
この度、弊社が提供する宿泊業界専門の就職・転職支援サービス「おもてなしHR」のデータをもとに、採用・転職の動きを見える化しました。
2020年のコロナ禍以降、最も大きな打撃を受けた業界の一つが旅行であり、宿泊業界です。
政府は「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」を決定し、インバウンドの旅行者数をコロナ禍前の水準以上にする取り組みを進めており、旅館・ホテル需要が回復し、人材確保のハードルが上がっています。また、ホテル・旅館各社では、コロナ禍で減少せざるを得なかった従業員の募集を強める傾向が目立っています。それにあわせて求職者の動きも活発となり、一度は別の業界に転職したが、改めてホテル・旅館業界に戻りたいと考えている方や、より良い条件の職場を求めて転職活動をされている方など様々です。
当社は、喫緊の課題となっている宿泊業界の「人手不足」に対し、今後もソリューションを展開し、人と地域を繋ぐことで、新たな「おもてなし」を創出します。そして、観光業界を盛り上げ、市場全体の活性化を支援してまいります。
■調査レポート詳細は、下記URLよりダウンロード可能です
https://prtimes.jp/a/?f=d16431-217-005e5f4cc101f37efa8f49455164dfb4.pdf
※新時代のインバウンド拡大アクションプラン(令和5年5月30日観光立国推進閣僚会議決定)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kankorikkoku/kettei/siryou16.pdf
■おもてなしHRについて
「おもてなしHR」は、ホテル・旅館業界などの宿泊業界で働きたい求職者と、日本のおもてなしを担う人材を求めるホテル・旅館をマッチングする宿泊業界に特化した就職・転職支援サービスです。
専任のキャリアアドバイザーによる希望や条件のヒアリング、面接の日程調整などトータルで求職者をサポート。現在累計31,000名以上の求職者様にご登録いただいており、日本全国、800以上の宿泊施設の求人情報を取り扱っています。
■株式会社ネクストビートについて
「人口減少社会において必要とされるインターネット事業を創造し、ニッポンを元気にする」という理念を掲げ、2013年に創業しました。人口減少に伴い多方面に広がる社会課題に対し、「テクノロジーの力」を駆使し、子育て支援分野を中心としたライフイベント領域・グローバル領域・地方創生領域という3本柱を軸に、専門職向けの人材紹介サービスや業務支援システム、メディア事業などを展開・拡張しています。
※「ネクストビート」、「おもてなしHR」の名称及びロゴは、株式会社ネクストビートの商標または登録商標です。
以上