本研修は、立教大学の中原淳教授、田中聡助教の著書『チームワーキング ケースとデータで学ぶ「最強チーム」のつくり方』(2021/日本能率協会マネジメントセンター)の内容をもとに、中原教授・田中助教とJMAMにより共同開発されました。
今回は、本研修内容をもとに、VUCA時代のチームワーキングの必要性と「最強チーム」のつくり方について紹介します。
【本資料の要約】 ■世界的にVUCA*の度合いが増す中、生産性を上げるには、組織運営の在り方を見直す必要がある。 ■VUCA時代は、組織運営の過程で“チームの病”に罹りがち。チームを効果的に動かすためには“チームワーキング”という考え方が組織の問題を解決する糸口になる。 ■チームワーキングを実践するには、3つの視点と3つの原理をおさえることが必要。チーム全体に考え方をインストールし実践することが、生産性の高いチームづくりにつながる。 ■「チームワーキング研修」では、チームワーキングのための視点と行動原理について、「半日の双方向オンライン研修→チーム全体での職場実践」を3回繰り返す形で進行。 ■研修には「予習映像」「復習映像」「Pre/Afterでの効果測定サービス」が組み込まれ、職場全体での知識定着と行動変容を着実に促進。 ■大手企業6社でのモニター受講では、受講後アンケートで、受講者の 「チーム運営に関する捉え方や行動」について変化の認識が100%。 |
※VUCA:変動性(Volatility)・不確実性(Uncertainty)・複雑性(Complexity)・曖昧性(Ambiguity)の頭文字を取った造語。もともとは1990年代にアメリカ軍で冷戦後の複雑な国家間の関係を表す言葉として使われたが、近年では現代のビジネス環境をあらわす言葉としても頻繁に用いられている。
- VUCA時代に多発している「チームの病」
IT技術の急速な進展や新型コロナウイルスの影響などにより、世界的にVUCAの度合いが増している近年は、2、3か月先のことでさえ読めない状況です。そうした環境下で企業が生産性を上げるためには、組織運営の在り方を見直す必要性があります。
コロナによる急激な職場環境の変化は、優秀なマネジャーとそうではないマネジャーのマネジメント力の格差を拡大させています。
中原教授、田中助教は、優秀ではないマネジャーの職場で多発している“チームの病“を紹介しています。
- VUCA時代に多発している「チームの病」の例
①「目標って何だっけ?」病
期初にチーム目標を設定したものの、活動がスタートすると、それぞれのタスクをこなすことに精いっぱいで、誰一人としてチームの目標に立ち返ろうとしなくなる現象。
②役割分担したはずのタスクがまったくつながらない病
各メンバーのタスクをつなげようとすると、抜け漏れや重複が多く、1つの成果物にまとまらず、振り出しに戻ってしまう現象。
③フィードバックより仲良し病
目標や計画からずれている行動や考えを目にしても、関係性がギクシャクすることを恐れてフィードバックを避けてしまう現象など。
こうしたチームの病に罹らないようにするためには、現代に即したチームを動かすスキルをリーダー・管理職を中心に、全職場メンバーにインストールすることが必要です。
- 最強のチームをつくる チームワーキングという考え方
チームワーキングとは「Teamメンバー一人ひとり」が主体的かつダイナミックに「Working(動いている)」することを示す概念であり、そうした状態を維持することによって、チームの成果が最大になります。チームを効果的に動かすためには3つの視点と3つの行動原理をおさえることが重要であると中原教授、田中助教は指摘します。
▼チームワーキングの3つの視点
①チーム視点=チームの全体像を常に捉える視点
②全員リーダー視点=管理職だけでなく、メンバー全員が自らもリーダーたるべく当事者意識をもってチームの活動に貢献する視点
③動的視点=チームを「動き続けるもの、変わり続けるもの」として捉える視点
▼チームワーキングの3つの行動原理
①Goal Holding=目標を握り続けること
②Task Working=動きながら課題を探し続けること
③Feedbacking=相互にフィードバックし続けること
チーム全体で、これらの視点・行動原理を共通言語にしていくことが、最強のチーム作りの近道になるといえます。
- チームワーキング研修について
「多様化時代の最強チームのつくり方を学ぶ チームワーキング研修」は、立教大学 中原淳教授・田中聡助教と日本能率協会マネジメントセンターにより共同開発されたプログラムです。変化の激しい経営環境下で管理職がチームを効果的に動かしていくために必要なチームワーキングの3つの行動原理を、チーム全体で着実に身に着けるためのアクションラーニング型のプログラムです。
URL:https://www.jmam.co.jp/hrm/training/special/teamworking/index.html
【特徴】
●「1)予習映像での学習→2)オンライン双方向研修での講師・他の管理職との討議による理解の深化→3)復習映像・復習テストでの知識の定着→4)職場チーム全体でのチーム改善活動」を3サイクル実践
●研修の場だけでなく、「1)予習映像での学習」「3)復習映像・復習テストでの知識の定着」「4)職場チーム全体でのチーム改善活動」が連動することで、学びの効果が持続
●「2)オンライン双方向研修での講師・他の管理職との討議による理解の深化」「4)職場チーム全体でのチーム改善活動」により、研修で学んだ原理原則を自職場に適用する方法をチューニング
●映像コンテンツは、研修参加者である管理職から職場メンバーにも共有し職場全体での学びを実現
●研修のPRE/AFTERでは、研修参加者である管理職が担当する職場メンバー全体でチームの状態を評価。PRE/AFTERの比較から研修効果測定が可能
<対象者>
・部下をもつ既任管理者(推奨)
・新任管理者の場合は、就任後3ヶ月以上経過後(チーム運営の実際の経験に即した議論を行うため)
<日数・実施形態>
日数:半日×1ヶ月に1回ペースで合計3回
実施形態:オンライン双方向研修
その他:予習・復習映像、チームの状態をPre/Afterで評価する効果測定サービス付き
- 大手企業6社の声(モニター受講)
チームワーキング研修(全3回)を体験できる、モニター受講を2021年10月~12月にかけて開催し、電力・不動産・製薬など大手企業6社が参加しました。研修後のアンケートでは、受講者の 「チーム運営に関する捉え方や行動」について「変化の認識あった」との回答が100%という結果となりました。
●モニター受講 参加企業の人事担当者様の反応の一例
「受講者の一人は、研修で学んだことを自分たちのチームだけではなく、自分が所属する部全体で共有を行ったと話してくれました。自分のチームだけではなく所属する部全体で今回のチームワーキングの学びを共有したことで、受講者の一段上の上位層もチームワーキングの考え方を学び、それが部員全体に周知されました。研修に参加したのは管理職だけですが、チームワーキング研修の仕組みを通じて、考え方が部全体に広がり、組織開発のきっかけになったというのは非常におもしろかったと思います」
さらにWEBサイトでは、モニター受講参加企業の座談会の様子を公開し、人事担当者のリアルな声をご紹介しています。
URL: https://www.jmam.co.jp/hrm/training/special/teamworking/case/index.html
【チームワーキング研修 監修者】
■中原 淳(なかはら じゅん
立教大学 経営学部教授。立教大学大学院経営学研究科リーダーシップ開発コース主査、立教大学経営学部リーダーシップ研究所 副所長などを兼任。博士(人間科学)。
専門は人材開発論・組織開発論。東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院人間科学研究科、
員、東京大学講師・准教授等をへて、2017年-2019年まで立教大学経営学部ビジネスリーダーシッププログラム主査、2018年より立教大学教授(現職就任)。
■田中 聡(たなか さとし)
立教大学 経営学部助教。東京大学大学院学際情報学府博士課程 修了。博士(学際情報学)。慶應義塾大学商学部卒業後、株式会社インテリジェンス(現・パーソルキャリア株式会社)に入社。大手総合商社とのジョイントベンチャーに出向して事業部門を経験した後、人と組織に関する調査研究・コンサルティング事業を専門とする株式会社インテリジェンスHITO総合研究所(現・株式会社パーソル総合研究所)の立ち上げに参画。同社リサーチ室長・主任研究員・フェローなどを務め、2018年より現職。専門は、経営学習論・人的資源開発論。働く人とチームの学習・成長について研究している。