コロナ禍で悩む中小企業を支援するため、無利子無担保で資金を融資する「コロナゼロゼロ融資」。
2020年の3月に始まったこの制度も3年が過ぎ、そろそろ返済が気になる経営者も多いかと思います。
返済計画を立てるためには、自社の経営状況を把握し、損益収支と資金収支の見通しを立てることが肝要です。
例えば、「試算表」は決算書を作成するためだけでなく直近の経営状態や財務状況を把握できることから、経営目標の達成において重要な指標が汲み取れます。
また、「資金繰り実績表」や「資金繰り予定表」「日次資金繰り表(日繰り表)」は資金繰りが正常なのかどうかを判断するために欠かせない資料です。
しかしながら、試算表や資金繰り表を作成できる人材が確保できないといった理由で、会計事務所に記帳代行を依頼している経営者が多いのが現状です。
そのため、損益収支や資金収支の見通しが立たない中小企業も多いのではないでしょうか。
そこで今回、資金会計連動システム『HiGlee(ヒグリー)』 を開発している『ひょうご税理士法人』 (https://www.hyogo-houjin.or.jp/)は、コロナゼロゼロ融資を受けた従業員数300人以下の中小企業経営者を対象に、「コロナゼロゼロ融資(経営者)」 に関する調査を実施しました。
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【コロナゼロゼロ融資に関する調査】返済が予定通りにいっている企業は半数
はじめに、コロナゼロゼロ融資の返済状況について伺っていきたいと思います。
「コロナゼロゼロ融資の返済は問題なく行えていますか?」と質問したところ『返済の目処は立っており、予定通りに進んでいる(57.9%)』『目処は立っていないが、何とか返済できると思う(34.9%)』『目処が立っておらず、具体的な返済計画も立てられていない(7.2%)』 という回答結果になりました。
半数以上の方が予定通りに返済が進んでいる一方で、返済計画も立てられないという方もいるようです。
そのような方のために、認定経営革新等支援機関が経営状態を改善していくための策定を支援する「経営改善計画策定支援(ポストコロナ事業・405事業等)」という支援制度がありますが、知っている方はどのくらいいるのでしょうか。
前の質問で『目処が立っておらず、具体的な返済計画も立てられていない』と回答した方に、「中小企業活性化協議会による経営改善計画策定支援(ポストコロナ事業・405事業等)を知っていますか?」と質問したところ『すでに取り組んでいる(18.2%)』『知っているけれどまだ取り組んでいない(18.2%)』『知らなかった(63.6%)』 という回答結果になりました。
6割以上の経営者が知らなかったと答えており、認知度が低い様子がうかがえます。
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試算表を自計化できている企業は約6割という結果に
コロナゼロゼロ融資の返済状況や、中小企業活性化協議会による経営改善計画策定支援を認知している方の割合が分かりました。
経営していく中で欠かせないのが試算表ですが、自社で作成する(自計化)方法と会計事務所等に外注する方法があります。
では、コロナゼロゼロ融資を受けた方はどのような方法で試算表を作成しているのでしょうか。
「試算表作成は自社で作成(自計化)していますか?会計事務所に依頼していますか?」と質問したところ『自社内で作成している(59.9%)』『会計事務所に依頼している(40.1%)』 という回答結果になりました。
4割の中小企業が、試算表作成を自計化ではなく会計事務所に依頼しているようです。
先ほど、試算表作成を自計化するメリットは業績の把握が早くなることだと紹介しましたが、会計事務所に依頼した場合、当月の業績を把握できるまでにどれくらいの時間を要するのでしょうか。
前の質問で『会計事務所に依頼している』と回答した方に、「会計事務所に記帳代行を依頼している場合、当月分の試算表はいつ入手できますか?」と質問したところ『翌月中旬くらい(23.8%)』『翌月末くらい(39.3%)』『翌々月中旬くらい(23.0%)』『翌々月末くらい(9.0%)』『3か月目以降(4.9%)』 という回答結果になりました。
翌月中旬くらい、翌月末くらいと回答した方が6割以上いることが分かりました。
当月の試算表を確認するにはやや遅いように感じられます。
では、試算表に並び、融資を受ける際や経営判断を下す際に重要なデータとなる資金繰り表は作成しているのでしょうか。
そこで、「資金繰り表は作成していますか?」と質問したところ、7割以上の方が『はい(70.7%)』 と回答しました。
やはり、重要なデータだけあって多くの方が資金繰り表の作成を行っているようです。
一方で、資金繰り表を作成していない方が少数いましたが、どのような理由で資金繰り表を作成していないのでしょうか。
前の質問で『いいえ』と回答した方に、「資金繰り表を作成していない理由は何ですか?」と質問したところ『ノウハウが不十分(34.8%)』 という回答が最も多く、次いで『やる必要がないと考えている(34.8%)』『時間がない(16.9%)』『人手が足りない(12.4%)』 と続きました。
資金繰り表を作成するにも知識が足りない、重要性を感じないという回答がそれぞれ3割以上を占めています。
では、もう少し簡単な方法で資金繰り表や試算表が作成できるとしたらどうでしょうか。
続いて、「自社で日々の資金データを入力し、そのデータを会計事務所と共有することで翌月初旬には試算表と資金繰り表が同時に見れるソフトがあれば活用してみたいと感じますか?」と質問したところ『ぜひ活用したい(19.4%)』『金額次第で検討したい(57.6%)』『活用はしたくない(8.6%)』『分からない(14.4%)』 という回答結果になりました。
より簡単な方法で、翌月初旬には試算表と資金繰り表が同時に見れるソフトがあれば活用したいと考える経営者が7割以上いることから、資金管理に関するデータ入力や共有に対して、中小企業経営者の間では高い関心があるといえます。
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【会計事務所の不満な点】顧問報酬が高いことやレスポンスが遅いことが多数
ここまでの調査で4割の中小企業が会計事務所へ依頼していること、その場合は試算表を入手するまでにかなりの時間を要することが分かりました。
では、資金繰りに関して会計事務所から指導などはあるのでしょうか。
「会計事務所から資金繰りに関する指導(情報提供)は、どのくらい得られていますか?」と質問したところ『満足のできる指導が得られている(19.1%)』『ある程度の指導が得られている(53.3%)』『あまり指導は得られていない(19.4%)』『まったく指導は得られていない(8.2%)』 という回答結果になりました。
指導が得られていると回答した経営者は7割以上と大半を占めていますが、その中でも満足をしているという回答は約2割しか見られません。
こういった結果のばらつきは、依頼している会計事務所の対応の違いが密接に関係していると考えられます。
では、現状の会計事務所に対して不満などはあるのでしょうか。
そこで、「現状の会計事務所の不満点を教えて下さい(複数回答可)」と質問したところ『顧問報酬が高い(29.6%)』 と回答した方が最も多く、次いで『レスポンスが遅い(19.7%)』『補助金、助成金の支援がない(18.4%)』 と続きました。
報酬の高さや円滑なコミュニケーションをとることができないこと、また政府の取り組みとは違い補助金や助成金の支援がないのが不満だという意見があるようです。
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【中小企業の経営課題】「人手不足」と回答した経営者が最多
現状の会計事務所についての不満が明らかになりました。
では、経営していく中で経営者が感じた中小企業の経営課題とは何なのでしょうか。
「今感じている中小企業の経営課題について教えて下さい(複数回答可)」と質問したところ『人手不足(40.1%)』 と回答した方が最も多く、次いで『売上の減少(39.8%)』『人件費・固定費の増大(30.6%)』 と続きました。
先程の質問で、資金繰り表を作成していない理由として「人手不足」「売上の減少」が見られましたが、経営課題も同じであることが分かりました。
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【まとめ】経営判断を下すには試算表、資金繰り表といったもので現状を理解することが重要
今回の調査で、コロナゼロゼロ融資を利用した経営者が経営判断のための取り組みについてどう考えているのかが明らかになりました。
コロナ禍により、多くの企業が売上減少や経営の不安定化に直面しています。
そういった中で経営判断を下すためには、試算表や資金繰り表といった財務分析を行うことが大切ですが、資金繰り表を作成していない企業が非常に多いことが分かりました。
財務分析を行うためには、専門的な知識や経験が必要であり、会計事務所に依頼するのが一般的ですが、会計事務所への依頼はコストがかかる場合が多く、特に長く依頼し続けていくとなれば、中小企業にかかる負担の大きさが問題となります。
現在、上記のような問題に直面している企業は、自社で完結する会計システムなどの導入を考えてみてはいかがでしょうか。
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月次試算表、資金繰り計画相談など、アドバイスや指導は『ひょうご税理士法人』にご相談を
今回、「コロナゼロゼロ融資(経営者)」に関する調査 を実施した『ひょうご税理士法人』 (https://www.hyogo-houjin.or.jp/)では、資金会計連動システム『HiGlee(ヒグリー)』を開発しています。
また、月次試算表や資金繰り計画相談はもちろんのこと、経営全般に関するアドバイスや指導も行っています。
■『HiGlee(ヒグリー)』の紹介
HiGlee(ヒグリー)とは、オンライン上で提供される資金会計連動システムです。
「利益が出ているはずなのに、なぜかキャッシュがない」
「資金繰り表は、Excelで一から作成して手間がかかる」
このような方のためにHiGlee(ヒグリー)では、試算表や決算報告書と資金繰り表を連動してデータの一元管理をします。
■未来会計で中小企業の成長・拡大と安定に貢献する
税金を計算するための「過去会計」はもちろん大切ですが、それ以上に私たちが大切にしているのは経営者が未来の意思決定するために会計を使う「未来会計」です。
厳しい環境の中で業績を保ちつつ、さらに業績を上げ続けている会社に共通してる「数字に強い」経営者になるための支援をしています。
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ひょうご税理士法人の紹介
【中小企業経営支援】
1.試算表の説明(MQ会計)。会計を経営に活かし、社員を元気にさせる
2.資金繰り実績表・予定・日繰り
3.税法・会計判断アドバイス
■基本サービス ( 税務顧問、月次試算表、資金繰り計画相談 )
<基本サービス01.>税務顧問について
顧問税理士として毎月の会社の経理状況を把握し、年間を通して税務代理として税務署への対応や、会社の税務処理や節税のアドバイスなどを適切に行います。
税務調査がいつきても大丈夫ように経理体制を整備していきます。
<基本サービス02.>月次試算表について
毎月作成する月次試算表によって、会社の現状を数値で把握し、その結果を踏まえて現場の仕事に反映してもらい、PDCAサイクルを構築することで数字に強い経営者になって頂きます。
<基本サービス03.>資金繰り計画相談
資金繰り表を作成してキャッシュフローの管理を行います。
キャッシュフローの見える化を行うことで、いつ・いくら危険なのかを察知し、未然に防ぐことが可能になります。
必要な場合は資金調達と返済計画、金融機関との交渉のアドバイスを行います。
試算表や資金繰り表などに関してお困りの場合は、『ひょうご税理士法人』へ相談してみてはいかがでしょうか。
■ひょうご税理士法人:https://www.hyogo-houjin.or.jp/
■お問い合わせURL:https://www.hyogo-houjin.or.jp/contact
■お問い合わせTEL:06-6429-1301
調査概要:「コロナゼロゼロ融資(経営者)」に関する調査
【調査日】2023年3月9日(木)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】304人
【調査対象】コロナゼロゼロ融資を受けた従業員数300人以下の中小企業経営者
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ
【記事等でのご利用にあたって】
本プレスリリースの内容を引用される際は、以下のご対応をお願いいたします。
・引用元が「ゼネラルリサーチ調査」「ひょうご税理士法人」である旨の記載
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