近赤外光を利用するリアルタイム成分分析向け拡散反射光源を開発

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食品、薬剤、プラスチック製品の生産効率、品質管理の信頼性を向上
リアルタイム成分分析向け光源を開発
2月1日よりサンプル出荷開始
当社は、市場からの要求に対応するため、波長2500ナノメートル(以下nm、nは10億分の1)までの近赤外光を試料に照射し拡散反射光(※1)を高い効率で集光する「拡散反射光源 L16462-01」を開発しました。
本製品により、近赤外光を利用するリアルタイム成分分析において、従来は光量が不足していた波長1700nmから2500nmまでの光の利用効率を高めることができます。本製品と当社の小型、高感度のFTIR(※2)分光器を組み込んだ小型分析装置により、食品や薬剤、プラスチック製品の製造ラインにおける品質管理の工程を自動化することで、生産効率や品質管理の信頼性を高めることができると見込まれます。また、プラスチックの選別に応用することで、プラスチックリサイクルを促進し資源循環社会の実現に貢献できると期待されます。
本製品は、国内外の食品や薬剤、プラスチック製品の製造装置メーカーなどに向け、2023年2月1日(水)よりサンプル出荷を開始します。なお、本製品は1月31日(火)から2月2日(木)までの3日間、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催される国際会議「SPIE Photonics West(フォトニクス ウエスト)2023」の併設展示会に出展します。
※1 拡散反射光:試料に照射された際に試料内部で屈折や透過などを繰り返した後、表面から放出される光。食品や粉体など不透明で表面が不均一な試料の分析に応用される。
※2 FTIR:Fourier Transform Infrared Spectroscopyの略で赤外分光分析法の一種。対象物に赤外光を照射し、透過または反射した光の波長ごとの強さを測定することで、対象物に含まれる成分の種類や量を分析することができる。

本製品による分析のイメージ本製品による分析のイメージ

<製品の概要>
本製品は、波長2500nmまでの近赤外光を出力する4つのランプを内蔵した、近赤外光を利用するリアルタイム成分分析装置向けの光源です。中心に光ファイバを接続することで、光を試料に照射するとともに微弱な拡散反射光を高い効率で集光し、分光器に導光することができます。
分子には固有の振動があり、そのエネルギーに起因する特定の波長の赤外光を吸収します。この性質を利用して試料に含まれる成分の種類や量を分析することができるため、当社は、製造ライン上での近赤外光を利用する非破壊、非接触の成分分析用途に向け、波長1100nmから2500nmまでの近赤外光に高い感度を持つ小型のFTIR分光器を開発、製造、販売しています。現在、市販の光源と組み合わせて使用されていますが、光源からの光は光ファイバを通して試料に照射しているため、波長1700nmから2500nmまでの光がファイバに吸収され光量が不足するという課題がありました。
ランプを試料に近接させ直接照射することで、光ファイバによる吸収を減らし光の利用効率を高めることができますが、ランプの光が拡散反射光に混ざり迷光(※3)が生じるため正確な測定ができません。今回、ランプの個数や位置、照射角度などを一から設計するとともに光源の構造を工夫することで、ランプを試料に近接させながらも迷光の発生を抑える拡散反射光源の開発に成功しました。また、試料からの微弱な拡散反射光を高い効率で集光することができる構造としています。

従来の測定(左)と本製品による測定(右)のイメージ従来の測定(左)と本製品による測定(右)のイメージ

本製品により、近赤外光を利用するリアルタイム成分分析において、光量が不足していた波長1700nmから2500nmまでの光の利用効率を高め、脂肪やタンパク質などを含む試料をより正確に分析することができます。本製品とFTIR分光器を組み込んだ小型分析装置により、食品や薬剤、プラスチック製品の製造ラインにおける品質管理の工程を自動化することで、生産効率や品質管理の信頼性を高めることができると見込まれます。また、汎用プラスチックや増加傾向にある生分解性プラスチックの選別に応用することで、プラスチックリサイクルを促進し、資源循環社会の実現に貢献できると期待されます。
今後、より使い勝手が良い光源の開発を進めるとともにFTIR分光器の性能を高めることで、市場からの要求に対応していきます。
※3 迷光:測定に使用する信号光以外の不必要な光で、測定誤差が生じる要因となる。
 

主な仕様主な仕様

●サンプル出荷開始   2023年2月1日(水)
●販売価格(税込)   拡散反射光源 L16462-01  193,600円
●販売目標台数     初年度300台/年、3年後1,000台/年
 

拡散反射光源 L16462-01拡散反射光源 L16462-01

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■報道関係の方 浜松ホトニクス株式会社 広報室 野末迪隆 
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■一般の方 浜松ホトニクス株式会社 固体事業部固体営業推進部 渥美利久
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