■ 今回の通信試験の目的について
今回の通信試験では、冬の北海道の厳しい自然環境において、ミリ波による安定した長距離通信が可能であることを確認します。札幌は冬季には-20℃まで気温が低下し、1mを超える積雪があります。Terragraph準拠製品において、このように寒冷地の厳しい自然環境での長期的な通信試験は初めてであり、ミリ波(60GHz帯)の降雪の影響を把握するとともに、「MLTG-CN LR」で採用された積雪対策デザインが有効に機能することを検証します。
北海道では携帯キャリアの電波が届かない地域が多数存在します。Terragraphと「MLTG-CN LR」の長距離通信技術を組み合わせることで、このような不感地域に低コストかつ短期間で高速通信網を敷設することが可能となります。
■ 「MLTG-CN LR」の積雪対策デザインについて
「MLTG-CN LR」は、台湾 Accton Technology Corporation(本社:台湾新竹市、CEO:Edgar Masri)が開発したTerragraphに準拠した高速無線LAN製品で、1kmの距離で1Gbpsを超える通信速度を提供します。本製品には、降雪地域での使用を考慮した積雪対策デザインが採用されています。
従来製品は、アンテナへの積雪により感度が低下する課題がありました。そこで、「MLTG-CN LR」は電波放射面に雪が積もらない円筒形の形状と、前面にひさしを採用することで、積雪による感度低下を防ぎます。また、本製品はIP66対応の防塵防水仕様に加え、-40℃から60℃まで動作可能であり、寒冷地から砂漠まで様々な環境で利用することができます。
■ 通信試験詳細
今回の通信試験は2台の「MLTG-CN LR」を同大学構内のG館(8階建て)の屋上と、そこから700m離れた体育センターの屋上(2階建て)に設置し、本年11月から翌4月まで実施いたします。
同大学は、今回の通信試験の結果を踏まえ、学内ネットワークの一部として「MLTG-CN LR」の採用を検討しています。
■ 「MLTG-CN LR」について
Terragraphに準拠した長距離クライアントノード。パラボラアンテナを搭載することで、長距離通信を可能にしたモデル。MLTG-360(分散ノード)との通信距離は700m。「MLTG-CN LR」対向で1kmの通信が可能。
<「MLTG-CN LR」の外観>
<「MLTG-CN LR」の特徴>
製品サイト | https://www.wi-fi.bemap.co.jp/ |
Terragraph公式サイト | https://terragraph.com/ |
メーカー公式サイト | https://wifi.edge-core.com/products/wireless-backhaul |
■ Terragraphの展開について
Terragraphは、Meta Connectivity(旧Facebook)が開発した、光ファイバーに近い接続性を空中に拡張するためのギガビット無線技術で、FWA向けの広域無線LANシステムとして標準化が進められています。当社は国内でいち早くTerragraphに着目し、2021年10月よりTerragraphに準拠した60GHz帯高速大容量無線LANシステム・MLTGシリーズの提供を開始しました。さらに2022年1月には三井不動産の屋外ロボット開発検証拠点「KOIL MOBILITY FIELD」に、国内初のTerragraph実験設備「ミリ波ラボ@柏の葉」を開設しています。
また、Terragraph製品は、札幌学院大学での実証実験に加え、芝浦工業大学、東京大学、福岡大学、早稲田大学や企業の研究機関等に多数採用いただいています。
・札幌学院大学ホームページ
https://www.sgu.ac.jp/
・早稲田大学らが実施する研究プロジェクトの詳細(早稲田大学ホームページ/トピック)
https://www.waseda.jp/top/news/83150
・ミリ波ラボ@柏の葉のプレスリリース(ビーマップホームページ/プレスリリース)
https://www.bemap.co.jp/library_file/cms_file/22020100984.pdf
※ FacebookおよびTerragraphは、Meta Platforms, Inc.の商標です。