アフリカ サブサハラ地域でデジタル金融サービスを展開するM-KOPA 社への追加出資について

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住友商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 CEO:兵頭 誠之、以下「住友商事」)は、アフリカのサブサハラ地域においてモバイルマネーを活用したデジタル金融サービスを展開する M-KOPA Holdings Limited(本社:ケニア・ナイロビ、CEO兼共同創業者:Jesse Moore(ジェシー・ムーア)、以下「M-KOPA(エムコパ)」)に 36.5百万米ドルの追加出資を行いました。2018 年に続く今般の出資により、M-KOPA のさらなる成長と同社との協業をベースとした新規事業創出を目指します。

現在 14 億人が暮らし、年率 2 パーセントで経済成長を続ける巨大なアフリカ市場では、安定収入がないために銀行口座を持たず、経済的な信用を必要とする金融サービスを利用できない人々が 7 割を占めています。近年では、携帯電話によって通信環境が整ったことを背景にモバイルマネーがサブサハラ地域の多くの国々で普及しています。モバイルマネーは、携帯電話のショートメッセージ(SMS)機能などを利用して遠隔地への送金を可能にしたことで、金融インフラが整備されていないサブサハラ地域において爆発的に普及しました。現在は送金のみならず、日々の支払いにおいてもモバイルマネーが利用され、モバイルマネーを活用した金融サービスのエコシステムが形成されつつあります。

M-KOPA は、ケニア、ウガンダ、ナイジェリア、ガーナにおいて、スマートフォン、家庭用ソーラーシステム、電動バイクといった日々の生活および経済活動に必要な商品をユーザーに割賦販売しています。日払いで少額の返済を続けることで、ユーザーは支払った期間のみ商品を使用し、日々の支出を抑えることができます。2011 年の創業以来、M-KOPA は 300 万人を超えるアフリカの人々に商品・サービスを提供してきました。IoT 技術とソフトウェアへの投資を推進し、2023 年末までにさらに 100 万人の顧客を獲得することを目指しています。

住友商事は、長年にわたりアフリカで事業に取り組んでおり、近年ではテクノロジーやデジタル分野への投資を行っています。2020 年には、英国の Vodafone Group Plc(以下「Vodafone」)とグローバルな戦略的パートナーシップを締結し、アフリカにおいては通信・フィンテック分野を中心に共同で事業を進めて行くことで合意しました。2021 年には初めての共同投資案件として、エチオピアで初となる民間通信事業者のライセンスを取得し、通信事業会社 Safaricom Ethiopia(サファリコム・エチオピア)を設立。2022 年 10 月から本格的に事業を開始しました。

住友商事にとって M-KOPA への追加出資は、エチオピア総合通信事業に続く、アフリカにおけるテクノロジーやデジタル分野への投資です。住友商事と Vodafone は戦略的パートナーシップに基づき、Vodafone が事業を展開する国・地域において M-KOPA のサービス展開を共同で推進していきます。また、住友商事は、多岐にわたる事業領域での知見・ネットワークを活用することで、M-KOPA の顧客基盤を拡大し、顧客の需要に応じた新たな商品・サービスの拡充を図ります。

ユーザーは、M-KOPA が提供するモバイルアプリを通じて、スマートフォンをはじめとした各種製品・サービスの申し込みや支払いが手軽にできる

例えば衣料品店を経営するユーザーは、M-KOPA が提供するスマートフォンを用いて自身の商品を SNS で販売し、所得を増やすことが可能

経済成長に伴い人・モノの移動が増加するケニア。配送業などに携わるギグワーカーの需要に応えるべく、スマートフォンだけでなく電動バイクの提供も開始

※ギグワーカー:主にインターネット経由で、雇用契約を結ばずに、短期や単発の仕事を請け負う労働者のこと

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