この度、6月22日の第26回参議院議員通常選挙公示にあたり、前回選挙期間中のデータ分析から判明した利用傾向を発表します。参院選版特別サイトについては、現在リニューアル準備中につき、近日中に公開・リリース予定です。
- 低下する政治への関心と投票率。
近年の投票率低下など“若者の政治離れ”が加速しています。原因のひとつに政党や候補者が掲げる公約や政策への立場が見えづらいことが挙げられます。2022年4月の総務省資料によると、投票の棄権の最多理由「選挙にあまり関心がなかったから (30.9%)」の次に、「政党の政策や候補者の人物像など、違いがよくわからなかったから(23.7%)」が続いています。
(参考:「総務省選挙部」https://www.soumu.go.jp/main_content/000696014.pdf)
また、政治に民意が反映されない、声が届きにくいといった課題もあります。
特に同性婚については、世論調査などで6割以上が同性婚へ賛成しているにも関わらず、国会では、政府により、「慎重な検討が必要」といった答弁が繰り返され、世論との間に大きな乖離があるのが現状です。
- 関心が高まる「同性婚」をテーマに、政治の可視化&参加を促進
マリフォー国会メーターは、LGBT法案や同性婚への注目を集めた2021年衆議院選挙に合わせて公開された政治の可視化アプリ。約20年の間実施されている「東京大学谷口研究室・朝日新聞社共同調査」の回答を元に、どの政治家が同性婚に賛成/反対しているか、インターネット上で簡単に調べることができます。さらに、マリフォー国会(院内集会)への出席状況やマリフォーへの賛同メッセージなど、同性婚についての「議員の意向」が分かります。
マリフォー国会メーター:https://meter.marriageforall.jp/
マリフォー国会メーターでは、賛成反対の全体割合のほか、国会議員を政党別、都道府県別、50音順で検索できます。「同性婚」に賛同しているかどうかチェックできる他、それぞれ議員のSNSアカウントや事務所の連絡先などを記載。政治家との直接的な繋がりが生まれ、市民一人ひとりの意見が届けられるように、議員に送るメッセージの見本文章など、ユーザーがより気軽な政治参加・議員に対しての働きかけが実現できるようにするためのサポート情報も載っています。
- 選挙期間中にPVが約3倍に増加、投票直前に検索ピーク。
政治への関心が高まる、2021年の衆院選の利用傾向を調べたところ、選挙の前後期間中の合計PV数は約18万にも上りました。また、10月21日の公示前後の期間で比較すると、選挙期間中のPVが約3倍にあたる278.5%上昇。10月31日の投開票日前にはピークに達し、投票行動の参考情報として活用されたことが伺えます。
(計測対象は、公示日~投開票日及び前後期間の2週間である10/1~11/15)
- 「都道府県別」の検索が最も高い。
検索方法では、都道府県別(49.8%)、政党別(44.7%)、50音順別(5.5%)の順に多く利用され、地域毎に議員に関する情報や同性婚への意向が調べられていることが分かりました。また、政党別検索の割合が多かった点からも、特定の議員ではなく、政党比較に繋がったと考えられます。
一方で、議員別のページでは、公約に同性婚について掲げていない自由民主党総裁の他、政党としては同性婚に賛成の立場である立憲民主党でも個人として反対の立場にある議員、マイノリティーの当事者である議員などのページの閲覧数が高い傾向にありました。
- 市民の参加を通じて、結婚の平等(同性婚の法制化)へ。
6月20日、大阪地裁で行われた「結婚の自由をすべての人に」関西訴訟では、法律上同性同士の婚姻を認めていない現在の法律は憲法に違反しないと判断し、原告らの請求を棄却する判決を下しました。 当日の記者会見では、原告である当事者から「立法で議論が進まないからこそ、司法に判断を委ねたのに、逃げられた。国にたらい周りにされた。」といった趣旨の発言が出ました。今後、国会での議論形成を進めるためにも、市民主体の活動が重要になっています。 |
私たちは、「結婚の平等(同性婚の法制化)に関心がない国会議員、反対の国会議員も、直接、メッセージ が届けば考えが変わるはず。」という考えのもと、マリフォー国会メーターで国会議員や候補者の方々のSNSや連絡先、メッセージ方法などを載せています。
参院選候補者特別サイトについては、近日中に発表予定。6月23日または24日頃の予定です。特別サイト開設後は、トップページが特別サイトになります。マリフォー国会メーターでは議員個別の意向が調べられる一方で、MFAJでは政党への公開質問状の送付も実施しています。特設サイトには、主要8政党に対して行ったアンケート結果へのリンクも掲載します。
マリフォーは、今後も結婚の平等(同性婚の法制化)のため、マリフォー国会メータ―を通じた若者を中心とするすべての人の政治参加及び投票促進に寄与できるよう活動してまいります。
- Marriage For All Japan(MFAJ)について
性のあり方に関わらず、誰もが結婚するかしないかを自由に選択できる社会の実現を目指して活動しています。2019年2月提起の「結婚の自由をすべての人に」訴訟の弁護団に所属する弁護士の一部と、社会課題の解決に取り組む様々な専門家等のプロフェッショナルによって、同性婚(婚姻の平等)を実現させるために設立されました。「2人で一生を共に生きていきたい」と考えたとき,カップル双方が結婚したいと望めば結婚することができ、また、結婚という形をとらないことを望むならば結婚を強制されないということ。それが「結婚の自由」です。
「Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に」という法人名は、そのような結婚の自由(結婚という選択肢)が、異性カップルであるか同性カップルであるかにかかわらず、平等に用意されるべきであるという思いを表したものです。私達は、この「結婚の自由をすべての人に」訴訟を全面的にサポートするほか,イベントやセミナー、メディア出演、調査研究、ロビイングなどを通じて、結婚の平等(同性婚)の実現を目指します。
- 団体概要
◆名 称:公益社団法人 Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に
◆設 立: 2019年1月
◆代表理事:寺原真希子・三輪晃義
◆理 事:上杉崇子・加藤丈晴・松中権・柳沢正和