令和4年度全国発明表彰「文部科学大臣賞」を受賞

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セイコーエプソン株式会社は、このたび令和4年度全国発明表彰(主催:公益社団法人発明協会)において、『インクジェット双方向印刷における印刷ムラ低減法の発明(特許第4635762号)』が「文部科学大臣賞」を受賞したことをお知らせします。当社が同賞を受賞したのは、平成18年度の「プリチャージ駆動方式の液晶表示装置の発明(特許第2669418号)」以来、2回目となります。全国発明表彰における当社の受賞は、昨年の「内閣総理大臣賞」に続いて2年連続です。
表彰式は、6月30日(木)にオークラ東京(東京都港区)にて開催される予定です。

「文部科学大臣賞」受賞者:角谷 繁明(かくたに としあき)「文部科学大臣賞」受賞者:角谷 繁明(かくたに としあき)

全国発明表彰*は、日本における優れた発明・意匠を完成した者、並びに発明の実施及び奨励に関し、功績のあった方々を顕彰することにより発明の奨励・育成を図り、我が国科学技術の向上と産業の振興に寄与することを目的に開催されるものです。今回受賞した文部科学大臣賞は、科学技術的に秀でた進歩性を有し、かつ顕著な実施効果を挙げている発明などを対象とする第1表彰区分において、恩賜発明賞、内閣総理大臣賞に次ぐ賞となります。

*大正8年(1919年)の第1回帝国発明表彰に始まり、文部科学省、経済産業省、特許庁、日本経済団体連合会、
 日本商工会議所、日本弁理士会、朝日新聞社の後援により開催。

今回表彰の対象となった発明は、プリントヘッドを往復走査する双方向印刷を行うインクジェットプリンターにおいて、往走査と復走査の各走査でのインク吐出により形成されるドットパターンをおのおののドット分布に偏りがないように分散配置することによって、双方向印刷時の画像ざらつき発生を防止した技術が評価されました。
本技術により、ホーム・ビジネス、写真、商業産業のさまざまな分野への高速・高画質印刷のインクジェットプリンターの提供を実現しました。

【受賞および受賞者】
<文部科学大臣賞>
角谷 繁明(かくたに としあき)セイコーエプソン株式会社 IJS事業部 IJS開発戦略部

<発明実施功績賞>
小川 恭範(おがわ やすのり) セイコーエプソン株式会社 代表取締役社長

【受賞者:角谷 繁明コメント】
栄誉ある賞を頂き光栄の至りです。入社以来インクジェットプリンターの画質向上に全身全霊で取り組んできた
結果が2003年の経済産業大臣発明賞に続く受賞という形で報われ、また、画像処理技術の持つ力を多くの人に
アピールできたことは、この上ない喜びです。
このたびの受賞は、当社が多くの仲間と共に、画質では妥協しないという姿勢を貫いてきた長年の苦労が認められた結果であり、インクジェットの応用範囲が広がりを見せる中、今後もあらゆる分野で高速で高画質なプリント手段を提供できるように努めてまいります。

【本発明の概要】(図1)
本発明は、プリントヘッドを紙面上に往復走査してドットを形成するインクジェットプリンターの双方向印刷に関するものです。
双方向印刷は、高速印刷のためには必須ですが、プリントヘッドの往復両走査にて形成されるドット間の位置ずれにより、印刷ムラなどの重大な画質劣化を伴います。この位置ずれ自体は各種要因から発生するため解消は困難でした。
本発明では、往走査時に形成するドットと復走査時に形成するドットのおのおのについて、偏りがないようにドットを分散配置し、ドット分布を人が認識できないブルーノイズ特性とすることにより、位置ずれがあってもドットの偏りの発生を抑えて高速・高画質印刷を可能にしています。
本発明によって、ホーム・ビジネス、写真、商業産業のさまざまな分野への高速・高画質印刷のインクジェットプリンターの提供が可能になり、印刷のデジタル化による環境負荷低減・生産性向上や写真・ファッション・アートなど芸術文化の醸成にも貢献しています。
 

図1:本発明と従来技術におけるドット配置と 印刷結果の比較例図1:本発明と従来技術におけるドット配置と 印刷結果の比較例

本発明を搭載したインクジェットプリンターの製品例本発明を搭載したインクジェットプリンターの製品例

「文部科学大臣賞」を受賞した発明の詳細は、以下WEBサイトをご覧ください。
・ハーフトーニング
 https://www.epson.jp/technology/core_technology/inkjet/half_toning.htm

・ドットコントロール
 https://www.epson.jp/technology/core_technology/inkjet/dot_controll_technology.htm

以 上

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