今回改良したモジュールは、その特長である「自動ビームフォーミング、500mの距離で1Gbps以上のスループット」と言う世界トップレベルの性能を維持しており、2023年度第1四半期の製品化を目指して検討を進めています。当社は本モジュールの提供を通じてお客様の通信機器開発をサポートしていくと共に、市場のニーズを吸収し、付加価値の高い産業用ミリ波通信モジュールの開発を推進してまいります。
技適取得済み60GHz帯ミリ波無線通信モジュール諸元
Radio interface | 57-66 GHz *1 |
Interface | PCIe x2 lane |
Power supply | DC +12V |
Size | Typ. 62mm(W) x 113mm(H) x 17.4mm(D) / 150g |
*1:海外向けには57-71 GHzまで対応
【用語説明】
※1 技術基準適合証明(技適証明)
特定無線設備(小規模な無線局に使用するための無線設備として総務省令に定められたもの。携帯電話や無線LAN機器などが含まれる)が電波法令の技術基準に適合している証明のことです。
60GHz帯を利用する機器は、この技適証明を取得する必要があります。そのための検査・測定の難しさや費用の高さが課題となっており、限られた専門企業のみが機器を開発しているのが現状です。今回開発したモジュールは、この課題に対応し、当社内に構築した60GHz帯の検査・測定環境により、技適証明に必要な各種データを全て取得し、認証機関による技適証明を取得した状態で出荷します。
※2 60GHz帯ミリ波無線通信
周波数60GHz帯のミリ波を利用した無線通信です。
近年、産業用途としてのギガビット級高速無線通信のニーズが高まっていますが、現在注目されている第5世代移動通信システム(5G)やローカル5Gの利用には無線局免許の取得が必須であることから、産業用システムとしては設置などの柔軟性、コスト等が課題となっています。
一方、60GHz帯は、無線局免許の取得が不要であることから、簡便なシステム構成で使用が可能であり、この周波数帯を利用する通信機器や産業機器の開発が期待されています。
リリースページ
https://www.fujikura.co.jp/newsrelease/products/2066392_11541.html