世界初 低温はんだを用いたフロー実装を家電製品の量産に適用

この記事は約3分で読めます。
パナソニック株式会社(以下、パナソニック)は、低温はんだを用いたフロー実装を、世界で初めて(※)家電製品の量産に適用しました。

環境問題に対する世界的な気運の高まりを背景に、鉛の有毒性を考慮して開発された鉛フリーはんだが主流となっています。しかし、鉛フリーはんだにすることではんだの融点が高くなってしまうという問題がありました。

融点が184度以下のはんだを低温はんだと呼び、スズ(Sn)やビスマス(Bi)をベースにすることではんだの融点を下げる開発が進められています。当初は、強度や耐久性などがネックとなり、なかなか実用化に至りませんでしたが、温度条件や各種信頼性の確認が進み、高密度実装に用いられるリフロー実装での採用が増えています。パナソニックの家電製品では、2012年から他社に先駆けて低温はんだのリフロー実装を量産適用しています。

一方、家電製品などで多く用いられるフロー実装では、加熱して液体状になったはんだをプリント基板の実装部に噴流するため供給量のコントロールが難しいほか、はんだ槽の表面に浮くはんだの酸化物(はんだドロス)の生成などが課題となり、低温はんだの実用化は困難でした。

この度、パナソニックは材料メーカーと協力し、はんだ組成を最適化。フロー実装に適したSnとBiの合金はんだ(Sn-58Bi)およびSn-58Bi専用のフラックスを開発しました。さらに、これまで培ってきた実装技術の知見をいかして、温度や噴流条件など実装条件を最適化するとともに、新開発のフラックス採用によりはんだドロスを低減。低温はんだを用いたフロー実装を、世界で初めて家電製品の量産に適用しました。

Sn-58Biは、従来の鉛フリーはんだと比べて融点が約90度下がるため、実装工程の消費電力が約30%削減します。さらに、CO2排出係数が小さいBiを用いるため、はんだ自体のCO2排出係数も大幅に減少。Sn-58Biへの切り替えによってCO2削減に貢献します。

パナソニックは、今後も環境負荷の小さい材料や工法を積極的に開発・採用し、Panasonic GREEN IMPACTの実現を加速していきます。

※2022年8月3日時点、パナソニック調べ

全文は以下プレスリリースをご覧ください。
▼[プレスリリース] 世界初 低温はんだを用いたフロー実装を家電製品の量産に適用(2022年8月3日)
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2022/08/jn220803-2/jn220803-2.html

タイトルとURLをコピーしました