会津若松市の「複数分野のデータ連携による共助型スマートシティ推進事業」がデジタル田園都市国家構想交付金事業(デジタル実装タイプTYPE3)へ採択

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コスモ石油マーケティング株式会社(代表取締役社長:森山 幸二、以下「当社」)は、一般社団法人AiCT コンソーシアム(以下「AiCTコンソーシアム」)(※1)が交付決定を受けた福島県会津若松市の「複数分野のデータ連携による共助型スマートシティ推進事業」(以下「本事業」)において、「環境価値の地域循環サービス」(以下「本サービス」)の社会実装に向けた取り組みを開始しました。

1.「複数分野のデータ連携による共助型スマートシティ推進事業」の概要

会津若松市は、10年以上にわたりオプトインデータを活用し、市民一人ひとりのニーズに寄り添った、データ駆動型スマートシティに向けた取り組みを実施してきました。

2022年6月に採択された内閣府の「デジタル田園都市国家構想交付金事業(デジタル実装タイプTYPE3)」(※2)のデジタルサービス6分野(ヘルスケア、行政、観光、防災、決済、食・農業)に加えて、本事業は会津若松市が「スマートシティ会津若松」の発展・深化に向けたプロジェクトとして、新たに地域活性化、行政(デジタル給付)、エネルギー分野のサービス実装を目指して「デジタル田園都市国家構想交付金事業」に申請をしたものです。

そしてこの度、マイナンバーカードを活用したモデル的な取り組みとして、2023年3月、内閣府よりデジタル実装タイプTYPE3の採択を受けました。今回デジタル実装タイプTYPE3として採択を受けたのは、全国で8地域となり、会津若松市は東北地方で唯一の都市/地域となります。

 

<本事業の取り組み内容>

複数分野のデータ連携による共助型スマートシティ推進事業」出典:会津若松市複数分野のデータ連携による共助型スマートシティ推進事業」出典:会津若松市

 

2.環境価値の地域循環サービスの概要及び当社の取り組みについて

当社は、AiCTコンソーシアムのエネルギーワーキンググループのメンバーとして「ゼロカーボンシティ会津若松」の実現に向け、省エネ・節電に繋がる行動変容プログラムの研究を行ってまいりました。

このたび当社は、住宅用太陽光発電に関し自家消費に含まれる「環境価値」が未活用となっていることに着目し、取り組みを開始する本―ビスにおいて、当該価値を可視化・価値化することで環境価値の地産地消を目指してまいります。

当社がプロジェクトリーダーとして昨年実施した「電力使用量可視化による行動変容実証(※3)」で得た知見をもとに、「HEMSゲートウェイ(※4)」を用いた技術により住宅用太陽光発電設備の発電量を割り出し、Jクレジット制度(※5)を利用してクレジット化した「環境価値」を地域内で流通可能にするプラットフォームを構築します。

また、環境価値取引のプラットフォーマーとしてアプリの提供を含むシステム開発を行うとともに、対象世帯の会員化促進とJクレジットの調達・販売を行います。さらにサービス実装段階においては、ゼロカーボンイベント等による告知や地域企業との連携も併せて行う予定です。

 

会津若松市が目指す複数分野の連携については、2022年6月に採択された「デジタル田園都市国家構想交付金事業」で実装された都市OSを通じ、クレジット売却益をデジタル地域通貨(会津コイン)へ還元し、地域経済活性化への更なる貢献を目指してまいります。

 

本サービスの実装化を果たすことで、電力使用量可視化がもたらす利用者のニーズを確実に捉え、全国での展開も視野により高度化したデジタルサービスへと発展させてまいります。

 

<本サービスのイメージ図>

「複数分野のデータ連携による共助型スマートシティ推進事業」より抜粋 出典:会津若松市「複数分野のデータ連携による共助型スマートシティ推進事業」より抜粋 出典:会津若松市

※1 AiCTコンソーシアムは、オプトインによるデータ活用とパーソナライズによる市民中心のスマートシティ実現に向け、国内外の有力企業、会津地域の企業や団体など、約90の会員企業・団体で構成されているコンソーシアムです。2011年に会津若松市・会津大学・アクセンチュアの産学官連携で始まった、東日本大震災からの復興に向けた取り組みを端緒として、先進的なスマートシティの取り組みが進み、多数の企業が会津若松市に集積したことを受けて、2021年に設立されました。会員企業・団体は、スマートシティのデータ連携基盤となる都市OSを軸に、ヘルスケア、防災、データ利活用、ものづくり、エネルギー、教育、食・農、地域活性化、観光、行政、決済、モビリティインフラ、IoT/ネットワーク、サーキュラーエコノミー、API、コミュニケーション領域など、幅広い分野のスマートシティサービスを、組織の枠を超えて開発、運用しています。本コンソーシアムでは、会津地域で10年以上をかけて培われた知見、プラットフォーム、ネットワークをもとに、会津地域におけるDX(デジタル変革)を目指すとともに、日本のあるべきスマートシティのモデルとして全国に発信しています。

 

会員企業の詳細は、AiCTコンソーシアムのWebサイトをご覧ください。

会員企業一覧 - 一般社団法人AiCTコンソーシアム

 

※2 デジタル田園都市国家構想では、デジタル技術の活用により、地域の個性を活かしながら地方を活性化し、持続可能な経済社会を目指しています。日本政府は、その実現に向けて、デジタルを活用した地域の課題解決や魅力向上のための地方公共団体の施策を、デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ)により支援しており、その取り組みの先進度に応じてTYPE1 から3及びマイナンバーカード利用横展開事例創出型 のカテゴリーで採択しています。

会津若松市が採択されたデジタル実装タイプTYPE3は、データ連携基盤を活用した複数のサービス実装を伴う取り組みに加えマイナンバーカードの新規用途開拓かつ総合評価が優れている取り組みが対象となっております。

 

※3 2022年8月30日プレスリリース「会津若松市において家庭の電力使用量可視化による行動変容実証を実施」

| 会津若松市において家庭の電力使用量可視化による行動変容実証を実施~電力需給ひっ迫改善を目指す、参加型節電アクション~ | コスモエネルギーホールディングス
コスモのプレスリリース「会津若松市において家庭の電力使用量可視化による行動変容実証を実施~電力需給ひっ迫改善を目指す、参加型節電アクション~」をご紹介します。

 

※4 HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)。本実証においてはNextDrive株式会社製のゲートウェイ「Cube J」を使用します。

 

※5 J-クレジット制度とは、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や適切な森林管理によるCO2等の吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。本制度は、国内クレジット制度とオフセット・クレジット(J-VER)制度が発展的に統合した制度で、国により運営されています。本制度により創出されたクレジットは、経団連カーボンニュートラル行動計画の目標達成やカーボン・オフセットなど、様々な用途に活用できます。

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