出産(育児)や介護、家事にかける時間は、国際的に見ても女性に比重が偏っています。
少子高齢化に伴った労働力の不足により、育児・介護に従事している人々の能力を活かす取り組みや長期的なキャリアの形成が求められる現代。
育児・介護を担いながら働くには、どんな取り組みが必要なのでしょうか。
アントプロダクション株式会社(代表取締役:河村 達也)が運営する、仕事に関する悩みに向き合うWebメディア「リバティワークス」(https://liberty-works.jp/)は、「出産・育児」「介護」と仕事の両立や働き方改革の影響に関するアンケート調査を実施しました。
◆調査概要
概要 |
育児・介護と仕事の両立に関するアンケート |
有効回答数 |
300人 |
調査対象 |
日本在住/18歳以上の男女 |
調査実施日 |
2023/7/3~2023/7/5 |
調査方法 |
インターネットによる任意調査 |
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回答者の属性は30~40代が7割超え
今回の調査に回答した300人のうち、30代が109人(36.3%)、40代が114人(38.0%)となりました。
回答者の7割以上が30代~40代。育児・介護の双方に関わりが多い年代と言えるでしょう。
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男性は正社員雇用、女性は非正規雇用が過半数
かつて、日本における女性の労働力率は出産を機に大きく減少する「M字カーブ」を描いていました。
2023年現在、正社員雇用率が25~29歳にかけて上昇した後に下降する「L字カーブ」から徐々に非正規雇用で働く女性の割合が増えています。
アンケート結果から見ても、男性の正社員は125人中83人(66.4%)、女性の正社員は175人中42人(24.0%)と、大きな差が開いていました。
最も差が顕著なのは専業主婦(夫)で、女性は39人(22.3%)いる一方、男性は2人(1.6%)。
非正規雇用者は女性の占める割合が多く、女性回答者66人(37.7%)の雇用形態が契約・派遣社員もしくはパート・アルバイトです。
性別によって雇用形態の割合に大きな差があるのが、アンケート結果からも見て取れます。
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育児を担っている割合は女性が圧倒的に多い
2023年現在、育児・家事に携わっている回答者の割合はどの程度なのでしょうか。
「育児をしている」と回答したのは男性48人(38.4%)、女性96人(54.9%)と、女性回答者の過半数が現在も育児に関わっているのが分かりました。
介護では男女の割合が逆転し、男性25人(20%)、女性28人(16%)となっています。
本人ではなく、配偶者や親・子ども・親戚などの家族が育児・家事をしていると回答したのは男性21人(16.8%)、女性16人(9.1%)。
最も顕著に性差が出るのが育児で、他の項目では育児に比べると男女差が少なくなっていました。
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多くの人が育児・介護で仕事に支障をきたしている
現在/過去を問わず、育児や介護によって仕事に支障があったかどうかを質問しました。
はい(支障があった)」と回答したのは男性が63人(50.4%)、女性は123人(70.2%)。
割合に男女差はあれど、約61%の回答者が育児・介護による仕事への弊害を感じています。
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「育児・介護」より「仕事」を増やしたい女性が多い
「仕事」「育児・介護」にかける時間(現在、過去を問わない)を比べて、どちらを増やしたいと思っているか質問しました。
「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会」(厚生労働省)の調査結果と同じく、女性は仕事にかける時間を増やしたいと考えている方が多数派です。
育児・介護の時間を増やしたい回答は男性の割合が少し多く、男性31.2%、女性22.3%となっています。
男性27.2%、女性19.4%は仕事と育児・介護の時間を「どちらも減らしたい」と回答していました。
「仕事をしていない」とする回答者の割合は男性4.8%、女性12.6%。雇用形態の項目でも顕著だった専業主婦(夫)の割合が影響していると考えられます。
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働き方改革で良い影響を受けた労働者は少ない
2019年4月1日に施行された「働き方改革」は、長時間労働の是正や正規雇用・非正規雇用の格差解消などを目的とした取り組みです。
働き方改革の目的には、育児や介護との両立を含めた労働者のニーズに合わせた柔軟な働き方・環境づくりも提唱されていました。
育児・介護を含めたプライベートと仕事のバランスや労働環境は働き方改革によって改善されているのでしょうか。
「労働環境に良い変化があった」とする回答は、63人(21%)にとどまっています。
働き方改革によって起こった変化を実感できていない回答者が212人(70.6%)と、大多数を占めました。
育児・介護と仕事を両立できる環境づくりは、労働者の視点から見るとまだ整っているとは言えません。
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育児・介護と仕事の両立は無条件では不可能とする声が多数
2023年現在の日本は「育児・介護をしながら働ける環境だ」と考えている回答者の割合について調査しました。
「現実的ではない・不可能」と回答したのは男性10人(8%)、女性29人(16.6%)に対して、「問題なく可能」としたのが男性9人(7.2%)、女性2人(1.1%)。
育児・介護と仕事に強く困難を感じている層は女性に多いと分かる結果になりました。
他の回答割合に性差は少なく、289人(96.3%)が無条件での両立は難しいとしています。
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多くの女性は働き方の選択肢を求めている
育児(出産)や介護によって、離職や正規雇用(フルタイム)から非正規雇用(パートタイム)への転換を余儀なくされる労働者は数多いです。
育児休業・介護休業によってキャリアが途絶える現状について、回答者の意見を調査しました。
最も数が多かったのは「本人に選択権があるべき」とする回答で、男性が57人(45.6%)、女性が102人(58.2%)。
男性の回答者が女性よりも多かった回答は「育児・介護によって働き方を変えない方が良い」16人(12%)でした。同じ回答をしている女性は10人(5.7%)にとどまっています。
厚生労働省の調査によると、育児休業の取得率は男女ともに増加が認められますが、2021年度で女性85.1%に対して男性14.0%と、依然男性の取得率は低いのが現状です。
選択権を求める回答が多数派でしたが、「なるべく同じように働き続けたい」のか「自分でできる働き方を選びたい」のかは、現時点では男女差があると考えられるでしょう。
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仕事との両立に必要とされているのは「働き方の選択肢」
育児・介護と仕事の両立に向けて必要だと思う施策・働きかけに関する8通りの選択肢を作成し、回答を集めました。
男性の回答は比較的分散していますが、男女ともに多数派だったのは「多様な働き方の選択肢」(男女計92人、30.6%)でした。
状況に応じた働き方の選択は、育児・介護の負担と合わせて無理のない範囲で労働力を活かすのに必要不可欠だと言えます。
給料水準の改善や長時間労働の防止など、働き方改革で提唱された施策を必要とする労働者も数多いです。
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育児・介護と仕事の両立=労働力の定着
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育児・介護と仕事の両立に困難を感じる人は約61%
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「働き方改革」の良い効果を実感したのは21%
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多様な働き方の選択肢を求める層が最多(30.6%)
「ワークライフバランスの向上」「同一労働同一賃金」をはじめとした、労働環境の改善が掲げられる昨今。
従来の雇用形態を前提とした働き方、育児・介護に関する負担、キャリアへ及ぼす影響の強さなど、育児・介護と仕事の両立を阻む課題は数多くあります。
育児・介護と仕事の両立に求められる施策の例
● テレワーク ● 時短勤務、フレックスタイム制の導入 ● キッズスペース・社内保育所の設置 ● ベビーシッター・デイサービス・在宅介護サービスの利用補助 |
上記は一見すると労働者側のメリットだけが大きい施策に感じますが、育児・介護の都合による離職が減ると、労働力の定着やモチベーションの向上につながります。
国全体だけでなく、企業にとっても、育児・介護と仕事の両立を目指すメリットは大きいでしょう。
◆Liberty Worksについて
「Liberty Works(リバティワークス)」では転職活動をスムーズに進めるコツや就職・転職エージェントの使い方、職場の問題、将来のキャリアアップなど、仕事に関する全ての悩みを解決するための情報を発信しています。
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◆会社概要
会社名:アントプロダクション株式会社 / Ant Production Inc.
代表者 :代表取締役 河村達也
所在地 :(大阪本社)〒531-0075 大阪府大阪市北区大淀南1丁目5-1 ケイヒン梅田ビル2F
(東京支社)〒104-0033 東京都中央区新川1-6-11 ニューリバータワー B1(1号室)
設立 :2011年4月1日
URL :https://ant-production.co.jp/
事業内容 :制作・プロモーション / メディア事業 / webコンサルティング