「発掘された日本列島2022」展がスタート

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全国で毎年約8000件の発掘調査が実施されていますが、一般の方がその成果に実際に触れる機会は極めて限られています。このため平成7年度から、国民が埋蔵文化財に親しみ、その保護の重要性に関する理解を深めることを目的として、近年発掘調査が行われた中で特に注目された出土品を中心とした展示を構成して、全国を巡回する「発掘された日本列島」展がスタートしました。今回で第28回目となります。

 

  • 会場および会期
埼玉県立歴史と民俗の博物館(埼玉県) 令和4年6月11日(土)~7月18日(月・祝)
だて歴史文化ミュージアム(北海道) 令和4年7月30日(土)~9月4日(日)
石巻市博物館(宮城県) 令和4年9月17日(土)~10月23日(日)
宮崎県総合博物館(宮崎県) 令和4年11月5日(土)~12月11日(日)
なら歴史芸術文化村(奈良県) 令和5年1月7日(土)~2月12日(日)

 

  • 展示内容

(1)我がまちが誇る遺跡
(2)新発見考古速報
(3)特集おうちで学び・楽しむ埋蔵文化財

  • 主な展示品

縄文土器 四方神面文深鉢(しほうしんめんもんふかばち)
井戸尻(いどじり)遺跡 出土 <我がまちが誇る遺跡>
(長野県富士見町:縄文時代中期 約5,000年前)
煮炊きに用いる深鉢形の土器ですが、把手が大きく非実用的なフォルムです。口縁部の顔にも見える四つの大きな箱状の造形と、それとは対照的な引き締まった胴体が、絶妙なバランスを保っています。
【高さ34.7㎝、把手部含む最大径36.5㎝ 富士見市教育委員会所蔵】

盾持人埴輪(たてもちびとはにわ)
大谷山(おおたにやま)22号墳 出土 <我がまちが誇る遺跡>
(和歌山県和歌山市:古墳時代中期 5世紀)
盾持人埴輪の頭部片で、胴体部分は失われています。顔には目、鼻、口の表現とともに、全体に入れ墨の表現が線刻で描かれており、頭部に冠帽かんぼうの表現が見られます。入れ墨をもつ埴輪は盾持人のほか、力士や馬曳(うまひき)人等、限られた職種の埴輪にみられる特徴があります。
【縦25㎝、横25㎝ 和歌山市所蔵】

アオトラ石製磨製石斧
宿戸(しゅくのへ)遺跡 出土 <新発見考古速報>
(岩手県洋野町:縄文時代早期 8,000年前)
アオトラ石とは青みがかった縞状の模様を特徴とする緑色岩のことで、北海道で産出します。石斧に適した石材で、北海道から東北の広い範囲に流通しました。アオトラ石製の石斧は何度も研ぎなおしが行われたようで、宿戸遺跡から出土した石斧もかなり使い込まれたようです。
【長さ10.9m (公財)岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センター所蔵】

細形銅剣(ほそがたどうけん)
東小田峯(ひがしおだみね)遺跡 出土 <新発見考古速報>
(福岡県筑前町:弥生時代中期前半 2,000年前)
銅剣は弥生時代の青銅器の1つで、細形、中細形(なかぼそがた)、中広形(なかびろがた)、平形(ひらがた)と時期を経るごとに幅広、大型化します。これは実用の武器から祭器への変化を示しています。本遺跡では甕棺墓(かめかんぼ)に副葬品として納められていましたが、剣身の研磨が進行しており、実用品として使用されたようです。
【長さ26.5㎝、最大幅3.1㎝、筑前町教育委員会所蔵】

  • 展覧会をより楽しむための動画も公開中!

文化庁YouTubeチャンネルにて、展覧会の見どころについて文化庁の調査官が解説する動画『「いせきへ行こう!」解説!「発掘された日本列島2022」』を公開中です。

【文化庁発】遺跡から地域の魅力を発掘!「いせきへ行こう!」
解説!「発掘された日本列島2022」(1) 新発見考古速報<前編>

 

解説!「発掘された日本列島2022」(2) 新発見考古速報<後編>

 

解説!「発掘された日本列島2022」(3) 我がまちが誇る遺跡1~おらあとう(おれたち)の考古学と遺跡の保護-長野県富士見町編

 

解説!「発掘された日本列島2022」(4) 我がまちが誇る遺跡2~公家が繋いだ京都の文化-京都府京都市編

 

解説!「発掘された日本列島2022」(5) 我がまちが誇る遺跡3~岩橋千塚古墳群と紀氏の遺跡-和歌山県編

 

 

  • 詳細

「発掘された日本列島2022」展の開催のお知らせ
 https://www.bunka.go.jp/gyoji/93713001.html

チラシ
 https://prtimes.jp/a/?f=d47048-20220622-b6d45b0cca63a7d8cf1d4b904e5b18e0.pdf

 

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