【マルイチ、宮崎保健福祉専門学校×ATOMica宮崎】フードロス削減や福祉のイメージ向上を目指したプロジェクトの成果発表会「DEMODAY」開催

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ソーシャルコワーキングスタートアップの株式会社ATOMica(本社:宮崎県宮崎市、代表取締役:嶋田 瑞生、南原 一輝、以下ATOMica)が運営するATOMica宮崎では、株式会社マルイチと宮崎保健福祉専門学校からの依頼を受け、2023年1月より実施した長期実践型インターンシッププログラムの成果発表会「DEMODAY」を4月27日(木)に開催いたしました。
今回の「DEMODAY」では、宮崎県や京都府の大学生13名が、マルイチと宮崎保健福祉専門学校が抱える課題を解決するためのプログラムを発表いたしました。

  • 開催の背景

ATOMicaは、学生と地元企業がコラボレーションし、新規事業開発や既存サービスをアップグレードさせ運営する、長期実践型インターンシッププログラム「ATOMatch(アトマッチ)」を実施しており、その取り組みを発表する成果発表会「DEMODAY(デモデイ)」を開催しております。
今回の「ATOMatch」には、マルイチと宮崎保健福祉専門学校の2社が参加しており、「DEMODAY」では各社が抱える課題を解決するための取り組みについて、大学生が発表いたしました。

マルイチコミュニティでは、8ヶ月間に渡り、「食の社会課題に向き合い、行動する」プロジェクトを行います。前半の4ヶ月は、日本の食糧問題であるフードロス削減の解決方法を考えるために、消費者の意識調査を実施し、後半の4ヶ月では、意識調査を元にしたオリジナルフードロス削減コーナーを展開する予定です。今回は前半の活動を発表いたしました。

宮崎保健福祉専門学校コミュニティは、福祉のネガティブなイメージをポジティブに変えていくための動画制作やイベントを開催した様子とその道程について報告いたしました。
 

  • マルイチコミュニティの発表

宮崎県や京都府の大学生8名で、「マルイチで売れ残ったり、消費・賞味期限が近かったりする商品の廃棄ロス削減を目指し、消費者の食意識を向上させる」ことをゴールにした8ヶ月間に渡り、活動していきます。
1月は、食糧問題やフードロスに関する授業を受けたり、マルイチについての話を聞いたりして理解を深めていきました。2月には、日向百生会の畑で農業体験やファーマーズマーケットで野菜の販促活動を行いました。これらの活動を通じて、学生たちは改めてこのコミュニティが向かうゴールへの思いが強くなったと話しました。

1、2月の学習や体験を通じて、改めてユーザー調査の内容について深掘りを行い、3月にはマルイチ一の宮店でユーザー調査を一週間実施しました。4月には、「はれやかチーム」と「ムササビランナーず」に分かれて、ユーザー調査の結果を基にフードロス削減に関するアイデアを考えました。

「はれやかチーム」は、①一人暮らしをしている20代男性向けに、傷みやすい食材を中心に、最適な保存方法を紹介したポスターをマルイチの店内に掲示するとともに持ち帰り用としてチラシも配布する企画、②4人家族の40、50代女性向けに、売れ残りやすい食材を使ったレシピや料理行程を動画で紹介する企画、③フードロスの現状を伝えるポスターを掲示し、消費・賞味期限の近い商品の前に”手前どりPOP”を設置し、手前にある商品からの購入を促す企画を提案しました。

「ムササビランナーず」は、①4人家族の30〜40代の女性向けに、「SDGsシールを集めて割引券get!」、②2人家族の50〜60代女性向けに「レスキューコーナー(見切り品コーナー)の売り場をつくろう!」の2つの企画を発表しました。

各チームからの発表後には、学生から本プロジェクトを通じて学んだことの報告がありました。

【参加学生の声】
・フードロスについて考え直す良い機会になりました。消費者の声を聞けることはあまりないので、ユーザー調査 
 を通して、耳を傾けることは大事なことだと感じました!
・ユーザー調査&分析が一番印象に残っていて、自分が得たい情報を得るために必要なアンケートの項目を考える
 ことが一番大変でした。
・今まで深く考えてこなかったフードロスの現状を体感し、学ぶことで、生産者の思いやフードロスを削減する難
 しさに気づくことができました!
・この活動を通して、日常の中で、フードロスについて考える場面が増え、積極的に取り組むようになりました。
 これからの取り組みを念頭に置いて、そのために必要な消費者の声はなんなのかを考えながらのアンケート調査
 はとても難しく感じましたが、今までにはできなかった経験ができて良かったと思います。
・フードロスの実態を詳しく知り、自分自身がフードロス削減の取り組みを意識するようになりました!
・アイデアを具体的にするためにスーパーマーケットを回り、商品がなぜ値引きされるか、消費者の行動原理につ
 いて学べた!
・農業体験で実際に廃棄されている現状を目の当たりにし、生産者の生の声を聞けたことで、今後の意識変革につ 
 いての重要性を学べました。
・消費者側、企業側の二つの視点でフードロスに取り組んだことがなかったため、自分自身に新しい視点を持つこ
 とができました!

今後の活動として、7〜10月にアイデアを実現するための準備を行い、マルイチ店舗での展開を目指していくと話しました。
 

  • 株式会社マルイチ  商品部 グロサリー・海産トレーナー 甲斐聖海さまからのコメント

学生がやってみたいことと企業側がして欲しい事のミスマッチを懸念していましたが、とても現実的に企業側の立場に立って色々とアイデアを出してもらえたこと、私達の知らないところをたくさん勉強していて私自身学ぶこともたくさんあったこと、とても勉強になりました。
また私達もチームで働く仕事なので、チームで一生懸命に取り組んでいる姿を見るととても勇気をもらえました。これからはPDCAサイクルで言うならば一番大切なDの部分に入ってきますので、より企業の目線に立った活動になってくると思いますが、一緒に取り組んでいければ幸いです。

 

  • 宮崎保健福祉専門学校コミュニティの発表

宮崎県や京都府の大学生6名で、「動画制作やイベント開催を通じて、福祉のイメージをマイナスからポジティブに変えること」を目指し、1〜4月の3ヶ月間、活動してきました。

1月には、福祉に関する知識を高めるためのディスカッションを行ったり、福祉のイメージを言語化するためのワークショップやアイデア出しを行いました。2月からは動画制作を進めるための企画立案を行い、制作に入っていき、2本の動画を制作いたしました。1本目の動画は、福祉に興味のない層だけではなく、福祉従事者もターゲットにし、福祉の面白い要素を取り上げて、前向きな印象を与えることを目的とした「かるたで福祉あるある」です。2本目は、周りと隔たりを感じていた車いすの女の子が新たな仲間と共に本当の福祉の景色を見つけるという「福祉の本当の景色」です。

4月16日(日)には、福祉のイメージをポジティブに変えることを目的に、「新世界で固定概念をぶっこわせ!テレパシーでつながる?!体験型交流イベント」を開催いたしました。イベント集客におけるポイントとして、いっせいに多くの人に宣伝するのではなく、一人ひとりに宣伝するとともに、イベントの目的や楽しさをそれぞれにあわせて詳しく伝えていったと話しました。
イベント当日には、「手話しりとりゲーム」、「私は誰でしょうゲーム」「テレパシーゲーム」が行われました。こだわった企画である「テレパシーゲーム」は、見えない・聞こえない・話せない状態のいずれかになった3人が1つのグループになり、行います。それぞれ異なったお題カードが配られ、そのお題をグループの他メンバーに10分以内で言葉やジェスチャーで伝えていき、各自のお題を想像し、当てるというゲームです。
イベント後の参加者アンケートでは、イベント前後で福祉のイメージが変わったという方が81%(参加者31名中25名)と過半数以上の結果になったうえ、参加者からは「福祉は意外と楽しくて面白い」「他人事ではなく、全ての人に関係することだと思った」「見えなくても、話せなくても、聞こえなくても、周りの方と楽しく自分らしくいられることを知った」という声があがりました。

3ヶ月間に渡る活動の報告後には、本活動を通じて変化した福祉への思いを話しました。

【参加学生の声】
・イベントで福祉のイメージを上げたり、動画作英で福祉の良さを伝えるなど、福祉のイメージをポジティブなも
 のにしていく取り組みをもっともっとしていこうと思いました。
・福祉は自分にも関係のあること。障害があるなしに関係なく、人にはできなことや苦手なことがあるので、それ
 ぞれの得意な分野でそれぞれのできないことを補い合うようなみんなで助け合う世界が本当の福祉なのかなと思
 うようになりました。福祉を身近に感じるようになりました。
・福祉はどんな人にも当てはまる、人を幸せにするための考え方、よりよい生活に必要なものであると思いまし
 た。
・福祉と聞いたら、イメージを変えるために頑張っている業界と浸透させていくことが大切だと感じました。
・福祉が身近にあるものだと気がつきました。また、職種で福祉を見るのではなく日常の中にあるものと思うこと
 が大切でだと感じました。
・福祉は全ての人にとって身近で一番大切にしないといけないものだなという考えに変わりました。そして、自分 
 自身もこの何ヶ月間で周囲の人も含め、多くの病や事故に遭い、福祉を身をもって感じました。だからこそ、福
 祉がもっといい方向に進むように自分にできることから始めたいと思いました。

そして、最後には学生全員の想いとして、「福祉とは本来”すべての人が無条件に幸せになること”である。誰か一人のためのモノではなくみんなのためのモノであるということを発信し続けていきたい」と話し、発表を終えました。
 

  • 宮崎保健福祉専門学校 事務長 松村健吾さまからのコメント

今まで全く考えたことのなかった展開を考えていた時にATOMicaとの出会いがあり、ATOMatchを通じて福祉業界という閉じられた世界の中では聞いたことのないような大学生の意見を聞くことができました。4か月でガラッと変わったわけではないですが、世間が持つ「福祉」のイメージをネガティブなものからポジティブなものに変えていく、そのスタート地点に立てたのではないかというように感じました。
 

  • 開催概要

・開催日時:2023年4月27日(木) 15:00〜17:00 
・開催場所:ATOMica宮崎(宮崎県宮崎市橘通西3丁目10-32 宮崎ナナイロ東館 8F)
・当日のスケジュール
  15:00-15:05 開会あいさつ 宮崎保健福祉専門学校/マルイチコミュニティ紹介  
  15:05-15:40 マルイチコミュニティ成果発表  
  15:40-15:50 総評・質疑応答
  15:50-15:55 休憩  
  15:55-16:30 宮崎保健福祉専門学校コミュニティ成果発表 
  16:30-16:40 総評・質疑応答
  16:40-16:50 MVP発表 
  17:00 閉会
 

 宮崎県日向市に本社を置くスーパーマーケット企業。県内に9店舗を展開しています。 ネットスーパー事業にも10年以上前から参入し、インターネットを使った買い物の仕組みを広域に提供しています。その他にもDXを活用した取組みを積極的に行う一方で、化学肥料を使わず無農薬で育てた「日向百生会」のオーガニック野菜に栽培から携わり、現在は全店舗での拡販に取り組んでいます。
 

宮崎保健福祉専門学校は、開校20年目を迎える医療・福祉のプロフェッショナルであり、「思いやりのある優しい心を持つ」人材育成を心がけています。 また、正社員就職を実現する為の、国家資格取得を目指す公共職業訓練も行っております。
 

  • ATOMatch参加企業、学生の募集

ATOMatchは地元企業と学生がコラボレーションし長期間に渡って共同プログラムに取り組む活動です。ご興味のある方は下記の「お問い合わせ」より、お気軽にご連絡ください。
・お問い合わせ先:< https://atomica.co.jp/contact/ > 
 

2019年4月の創業以来、「どこに住んでいても、どんな場面でも、誰もが仲間を経由することで、無限の機会に出会える場と仕組みを実現する」というミッションを実現すべく、日本各地で地域の人々と相談を集めて繋ぎ、出会いや共創を産む活動を続けています。2025年までに全国122拠点への進出を目指しています。
【会社概要】
・社名:株式会社ATOMica(アトミカ)
・設立:2019年4月5日
・代表取締役:嶋田 瑞生、南原 一輝
・所在地:東京都中央区日本橋1-4-1日本橋一丁目三井ビルディング5階
 THE E.A.S.T. 日本橋一丁目(東京オフィス)
・事業概要:Social CoWorkingの企画・開発・運営・共同運営、コミュニティテックの企画・開発・運営、
コワーキングスペースの立ち上げ・運営支援、産学協同プロジェクトの企画、運営

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