NPO法人eboard、フリースクール向け研修プログラム eDojo の実証成果を報告、新規受講団体の公募をスタート

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NPO法人eboardは、2022年8月より開始したフリースクール向け研修プログラム「eDojo(イードウジョウ)」の実証事業において、現場スタッフに求められるコンピテンシー習得への寄与が認められたことを、報告いたします。この成果を受け、NPO法人eboardは、2023年6月に開始する正式プログラムの受講団体(10団体)の募集を開始しました。

  • 研修プログラム「eDojo」について

◆eDojoホームページ:https://info.eboard.jp/edojo

2013年の設立以来、NPO法人eboardは、不登校の子がいるご家庭だけでなく、民間のフリースクールや学校の相談室、教育委員会が運営する教育支援センター等へのICT教材の提供を通じて、不登校の子ども達の学びをサポートしてきました。

一方で、最新の文部科学省による調査では、小中学校における不登校児童・生徒数は24万人を超え、その約3人に1人がサポートを受けられていない状況にあります。NPO法人eboardでは、学習支援にとどまらず、不登校の子ども達がつながりを持てる「居場所」「学びの場所」を社会全体で整備していく必要があるとの考えから、フリースクールなど不登校支援を行う現場を対象とした研修プログラム「eDojo(イードウジョウ)」を開発、2022年8月より実証事業をスタートしました。

eDojoは、株式会社セールスフォース・ジャパンの支援を受け、eラーニングと現場でのグループワークを組み合わせたハイブリッド型の研修プログラムとして開発。プログラム内の講座は、対人支援のための教育心理、学習支援、こども家庭福祉の3分野、フリースクール等民間団体の運営のための組織運営分野の計4分野で、構成されています。対人支援分野については、文教大学教育学部・会沢信彦教授をはじめとした各分野専門家の監修を、組織運営分野については、フリースクール全国ネットワークの協力の下、制作を進めました。

  • 実証事業の成果

実証事業には、2022年8〜9月(第1期)と2023年2月〜3月(第2期)において、全国のフリースクール計6団体が参加。スタッフに求められるスキルセット及び評価基準の開発・測定については、NPOや企業の社会的インパクト評価を専門に行う特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパンが実施し、事後成果を分析しました。

▲ソーシャルバリュージャパン作成の報告書より▲ソーシャルバリュージャパン作成の報告書より

受講者へのアンケートから、スキル分野別にeDojo受講前後の比較をした結果、5領域のうちeDojoを受講した4領域すべてにおいて、プラスの変化が見られました。「認知→意識→行動」の変容プロセス別で見ると、変容に時間を要する「行動」については、統計的に有意な差が見られなかったものの、「学習支援」「子ども家庭福祉」を中心に確かな変化が見られ、講義内容についての理解や意識の変容が進んでいることが、確認されました。

▲ソーシャルバリュージャパン作成の報告書より▲ソーシャルバリュージャパン作成の報告書より

さらに、eDojoの受講によって間接的にもたらされることを想定したスタッフのコンピテンシーについて、「参加者の学びを促進する能力」「参加者の意思決定のサポート能力」「安全な環境作り」について有意な差が見られ、eDojoの受講が居場所のスタッフに求められるコンピテンシーの習得に寄与していることが、確認されました。

実際の受講者からは、eラーニングの分かりやすさを評価する声とともに、日々子どもたちと向き合う上でのマインドセットの変化や意欲の向上、自分自身を客観視するきっかけになった等、組織・スタッフとしての成長につながったという声が多く聞かれました。

<受講者の声>

・イベントの進め方や子どもとのミーティングについて、今までの経験による「感覚」だけで乗り切ってしまっているところがあったが、その子一人ひとりの発達特性を理解した上でのアプローチや心の寄り添い方をもっと学んでいきたいと思った。

・今回のプログラム受講を通して、自分の言動を見直し、改善して、より良いスタッフになれるように努力しようと漠然と考えるだけでなく、具体的な行動や変化につなげられるよう強く意識するようになった。

・普段、スタッフ間のコミュニケーションがなかなか取れていないことを自覚した。今回の受講を通して、それぞれのスタッフの考え、姿勢を知り、自分自身を内省する機会にもなった。日々子ども達と向き合う上で、とても重要なことだと思う。

・ワークショップは周りの人から学ぶ場であると同時に、自分のことを伝える場として、インプットとアウトプットを同時に行うことができ、とても自分のためになる時間だった。

  • eDojoを受講する10団体を公募開始

NPO法人eboardは、実証での成果を受け、このたびeDojoを受講する10団体(フリースクール、支援団体など)を公募します。

<eDojoの特徴>

・eラーニング+ワークショップのハイブリッド形式。eラーニングは1本8分未満の動画で、スマホでも受講可能。

・子どもの心理・発達や不登校支援を専門とした監修・制作で、体系的に学べる。

・フリースクール運営に関する組織運営講座も提供。

・毎月開催するオンラインイベントでは、各分野に精通した講師によるセミナーを受講可能

今回の公募について、NPO法人eboardではオンライン説明会を開催します。eDojoに興味・関心のある団体の参加申込みを受け付けています。

◆オンライン説明会申し込みフォーム:https://forms.gle/euzYCdsQBuksBxgVA

<オンライン説明会日程>

・5月30日(火) 12:00-13:00

・6月9日 (金) 20:00-21:00

  • NPO法人eboardについて

NPO法人eboardは「学びをあきらめない社会の実現」をミッションに、子ども達一人ひとりの学びを保障する活動を行う団体です。映像授業とデジタルドリルで個々に応じた学習をサポートするオンライン教材eboardは、全国2,000カ所以上の現場で利用され、毎月20〜30万人が利用しています。ろう・難聴の子、外国につながる子等を対象に、映像授業にわかりやすい字幕をつける「やさしい字幕」プロジェクトを実施するなど、学べない・学びづらい子ども達のための取り組みも、進めています。

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