社会が大きく変動する中で、企業が実行すべき「生産性の向上」とは何か?ゲームチェンジャー人材を社内で創出していくためには何が必要か?幅広いジャンルの経営層やアカデミアが集結し、熱い議論を交わしました。
4/21付朝刊の日本経済新聞にて、この内容を掲載。
また公式サイトでも1万字で読むダイジェスト記事とアーカイブ映像を公開しています。
https://whgcforum.org/forum2023
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「50年後、100年後の日本を私たちは、どんな社会にしたいのか?」
■「公益資本主義のもと、生産性の向上と公正な分配を実践する経営へ」 (原 丈人)
WHGC設立発起人である原丈人(アライアンス・フォーラム財団 会長)から、日本の未来に向けた提言と、その実現に向けたWHGC設立の目的が語られました。
「企業に求められるのは、生産性の向上と上がった利益の公正分配である。そのためには高い理念を持った経営と、俯瞰的に物事を捉えられる人材を社内に数多く創出することが重要だ。」
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「目指すべきは全要素生産性の向上」
■「生産性運動3原則に全ての経営者は立ち返るべき時だ」 (レンゴー 代表取締役会長兼CEO 大坪 清氏)
基調講演では、大坪清さんから企業が目指す生産性とは、雇用の維持拡大、労使の協力と協議、成果の公正な分配という3原則が重要であると、力強く語られました。
「生産性向上とは、単に生産力を上げる取り組みをいうのではない。資本など量的な要素だけではなく、測定できないが生産性に影響をもたらすあらゆる要素を含めた全要素生産性を高めるべく、不断の進歩を目指す経営が肝要だ。」
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新産業の創出へ。まず価値ある失敗を認める社会づくりと、俯瞰的な視点を持った人材づくり
50年先、100年先の日本を描いていく上で、重要な課題が新たな基幹産業をどう創出していくか。その核となりうるのが「バイオエコノミー」です。 神戸大学 近藤昭彦氏(写真左)、塩野義製薬 小林博幸氏(同中央)、デフタ・キャピタル 葛城禎之氏(同右)による、パネルディスカッションでは、新産業創出に向けたビジョンや課題について、議論が交わされました。
「社会課題解決と収益化は両立できる、技術で社会は変えられる、という姿を示す。失敗も含めてさらけ出すことで、次代のゲームチェンジャーを志す若者を増やしていく。」(近藤さん)
「強みを補い合いながら双方が成長していけるフラットなパートナーシップも重要だ。事業規模や領域に関わらず連携していくことで、新たな価値創出が促進される。」(小林さん)「ベンチャー企業の経営者は強い信念と、知的好奇心、情熱を持っているが、それだけでは不十分。なぜこの会社が社会に存在しなくてはならないのか?俯瞰的な視点を持った人材を育てていく必要。」(葛城さん)
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社会課題を問う力を磨く 〜 WHGC分科会報告
人材創出のエコシステムとして、WHGCが力を入れているのが分科会です。
2022年10月〜2023年3月までの第1期 分科会の活動報告が行われ、WHGCとして今後取り組んでいく社会課題を4つの問い、という形で提示されました。
写真左より、「医療制度チーム」岡本将隆氏(JCRファーマ)、「食の未来チーム」大森健氏(江崎グリコ)「Well-Beingチーム」大西聡子氏(JCRファーマ)、「健康寿命チーム」笹岡歩氏(日清食品)
4月からWHGC分科会の第2期がスタート。会員企業から次世代のリーダー候補が集結し、社会課題の本質を問い、解決の糸口を議論していきます。
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ゲームチェンジャー創出へ。一人でやらない。皆でやるから社会が変わる!
公開討論では、ゲームチェンジャーを社内で創出していくために求められる経営のあり方について、幅広い業界の経営者および教育者が登壇。これから重要となる人材像や、その創出に向けた、組織や仕組みのあり方などについて、幅広い意見が交わされました。
「自らが課題を見つけて問い、仮説でも良いので答えを出す、本分が大切だ。そこでは幼虫がさなぎへと羽化するような様態変化を繰り返す必要。本分と羽化を繰り返すことが、人を絶えず成長させるプロセスだ。」(江崎グリコ 本澤 豊氏・左写真)
「自分たちだけではやってはダメだ、という気概が必要。課題解決に立ち向かう人や組織の環を広げることが大切だ。一人でやってはいけない。皆とやればそれが社会に貢献することになり、社会を変えうる。それこそがゲームチェンジャーだ。」(デフタ パートナーズ 神永 晋氏・右写真)
■WHGCフォーラム2023春のアーカイブ映像および、1万字で読むダイジェストは、公式サイトで公開中!
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World Healthcare Game Changers Forum について
企業の未来を牽引する人材創出のための会員制フォーラム「World Healthcare Game Changers Forum(WHGC)」は、公益資本主義の提唱・政策提言・実践を行うアライアンス・フォーラム財団と日本経済新聞社が共同で設立し、2022年10月より本格活動をスタートしました。
人間と社会の健康の両面から俯瞰的に物事を捉え、現場感覚を持ち、深い思考力を発揮できる人材こそが、ゲームチェンジャーとなり、会社の未来を切り拓いていく、頼もしい存在となります。そうした人材創出のエコシステムとして、WHGCは健康で豊かな社会を目指すための議論・提言型プログラムをご提供します。
【主なプログラム】
● Game Changer セミナー(人数制限なく参加可能)
● WHGC 分科会(1社2名様まで参加可能)
● WHGC フォーラム(春・秋の年2回開催)
● WHGC 交流会(参加人数は都度ご案内)
【特別会員(年会費 300万円・税別)】
江崎グリコ株式会社 株式会社学研ホールディングス 株式会社カネカ JCRファーマ株式会社
塩野義製薬株式会社 株式会社竹中工務店 株式会社デフタ・キャピタル 日清食品株式会社
三井不動産株式会社 レンゴー株式会社 ロート製薬株式会社 計11社
幅広い業種から理念に賛同した企業に参画いただいています。
【一般会員(年会費 100万円・税別)】
募集中。 入会お申込み・お問合せは WHGC事務局(info@whgcforum.org)まで
【アドバイザー陣】
認知症、バイオ、教育、科学技術政策など幅広い分野から日本の第一人者が参画。
【お問合せ】
WHGC事務局 info@whgcforum.org
担当: 太田・岩田(佳)
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アライアンス・フォーラム財団 について
アライアンス・フォーラム財団(国連経済社会理事会の特別協議資格を有する非政府機関)
目的:
「世界中に教育を受けた健康で豊かな中間層を創る」ことを理念とし、公益資本主義の提唱と政策提言、実践をおこなう。
主な活動:
●RCEPを軸とした新産業創出の政策提言
●先端医療技術の事業化と産業化の促進を目的として、日・米・欧・アジア・アフリカにて、フォーラムを開催
●アジア、アフリカなど途上国での社会事業、事業開発支援事業
公益資本主義とは?
世界中に教育を受けた健康で豊かな国民(中間層)を作るための資本主義。
会社は株主のものとする株主資本主義は、株主最優先の制度を生み、短期主義と格差の拡大しかもたらしません。
適正な社中分配と中長期視点でイノベーション精神を持った経営により、持続的な成長を目指すことを提言。
岸田政権の「新しい資本主義」の理論的バックボーン。