半導体パッケージ用接着フィルムの生産能力を約1.6倍に増強

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株式会社レゾナック(社長:髙橋秀仁)は、五井事業所(鹿島)(住所:茨城県神栖市)において、半導体のパッケージング工程(後工程)で使用する接着フィルムである、「ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム」の生産能力を増強します。主にメモリ半導体向けに使われる同製品の生産は、中長期的に堅調な成長が見込まれており、こうした需要拡大に対応するため、52億円を投じてグループ全体の生産能力を従来の約1.6倍に増やします。稼働開始は2026年の予定です。

 近年、クラウドサーバーの利用やデータセンター等通信インフラの需要が拡大し、世界のデータ量は増加しています。今後もメタバースなど新しいテクノロジーの発展により、世界のデータ量は継続的に増加し(*1)、この膨大なデータの蓄積・処理を行う高性能メモリ半導体やAR(拡張現実)/VR(仮想現実)に関連する新たなハードウェア向けメモリ半導体の需要拡大が予想されます。

 こうしたメモリ半導体の需要拡大に伴い、半導体チップを積層する際に使用するダイボンディングフィルムの需要拡大も見込まれています。

 ダイボンディングフィルムは、積層化が進む半導体チップの接着に不可欠な超薄型フィルム状接着剤であり、当社は世界トップシェアを有します(*2)。当社ラインアップの一つである、「ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム」は、ウエハから半導体チップを切り出す際に使用するダイシングテープの機能を併せ持つ一体型フィルムで、ウエハ裏面へのフィルムの貼付けを一度に行うため、お客さまの製造工程の短縮に貢献しています。一体型フィルムへのニーズは強く、ダイボンディングフィルムの市場も成長していることから、当社は同製品の能力増強を決定しました。

 レゾナックグループは、半導体材料を今後の成長を担うコア成長事業に位置付けています。当社はこれまで、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを五井事業所で製造していましたが、2021年からは中国のグループ会社 SD Materials (Nantong) Co., Ltd.でも生産を開始し、2拠点の供給体制を構築しています。今回の投資により、グループ全体における同製品の生産能力はさらに高まり、半導体の需要拡大に対応するとともに、半導体の安定供給に貢献してまいります。

 

ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムダイシング・ダイボンディング一体型フィルム

*1 世界のデータ量 年平均成長率28.9%、データセンターサーバーの世界市場規模 年平均成長率14.5%
  出典:2021年10月 経済産業省
 「次世代デジタルインフラの構築」プロジェクトに関する研究開発・社会実装計画(案)の概要
*2 出典:株式会社富士経済「2022年半導体材料市場の現状と将来展望」

 【レゾナックグループについて】
レゾナックグループは、2023年1月に昭和電工グループと昭和電工マテリアルズグループ(旧日立化成グループ)が統合してできた新会社です。
半導体・電子材料の売上高は、全体の3割にあたる約4,000億円に上り、特に半導体の「後工程」材料では世界No.1の企業です。2社統合により、材料の機能設計はもちろん、自社内で原料にまでさかのぼって開発を進めています。新社名の「Resonac」は、英語の「RESONATE:共鳴する・響き渡る」と、Chemistryの「C」の組み合せです。今後さらに共創プラットフォームを生かし、国内外の半導体メーカー、材料・装置メーカーとともに技術革新を加速させます。詳しくはウェブサイトをご覧ください。
株式会社レゾナック・ホールディングス https://www.resonac.com/jp/

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