東洋建設株式会社(証券コード:1890)に対する臨時株主総会招集許可申立てについて

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 本日、Yamauchi‐No.10 Family Officeは、以下の通り「東洋建設株式会社(証券コード:1890)に対する臨時株主総会招集許可申立てについて」を公表いたしましたので、お知らせいたします。

東洋建設株式会社(証券コード:1890)に対する臨時株主総会招集許可申立てについて
(株主総会招集許可申立書添付)

サマリー:

  • 当社らは、当社ら及び東洋建設の双方から独立した調査者による調査によって、①取締役会等の再編に係る株主の皆様の判断のため正確な情報提供を行うこと、また、②当社らが把握しているガバナンス上の瑕疵の「全貌」を解明することで、取締役会等の再編後に東洋建設において改善・健全化すべき事項を明らかにすることを目的として、これをもって東洋建設の健全なガバナンス体制を再構築することが東洋建設の企業価値及び株主共同の利益に資すると考え、調査者選任提案をしました。
  • しかし、現任の東洋建設の経営陣は、これに応じず、臨時株主総会を招集しないことを決議しましたので、本日当社らは、会社法297条4項に基づき、大阪地方裁判所に臨時株主総会の招集の許可を求める申立てを致しました。
  • 本来、東洋建設の現任取締役にとっても、仮に当社らの指摘する瑕疵が事実無根であるならば、本調査によって株主の皆様に対してそのことを証明し、以後、後顧の憂いなく株主の皆様から経営を負託された者として東洋建設の企業価値及び株主価値向上に向けてその責務を果たしていくことができるため、本調査はむしろ望ましいものであり、そもそも本調査を拒む理由はありません。
  • それにもかかわらず、東洋建設の現任取締役会は、本臨時株主総会によって客観的な事実の解明の必要性について株主の意思・意向を確認するということすら拒絶しており、その姿勢には遺憾に存じます。
  • 当社らは、引き続き、東洋建設の企業価値及び株主共同の利益の向上のために、本年定時株主総会における取締役会及び監査役の再編、及び臨時株主総会における株主の皆様の承認を得た上での独立調査者による東洋建設のガバナンス上の瑕疵の全貌の調査に向けて尽力してまいります。

 合同会社Yamauchi‐No.10 Family Office(以下、個別に又はその関係会社と併せて「YFO」といいます。)及びそのグループ会社であるWK 1 Limited(以下、YFOと併せて「当社ら」と総称します。)は、2023年3月3日付けで、会社法297条1項に基づき、東洋建設株式会社(以下「東洋建設」といいます。)の臨時株主総会の招集を請求(以下「本臨時株主総会」といいます。)するとともに、会社法316条2項に定める株式会社の業務及び財産の状況を調査する者の選任を提案(以下「本提案」といいます。)しました。
 しかし、現任の東洋建設の経営陣(以下「現任経営陣」といいます。)は、2023年3月10日付け「当社株主による臨時株主総会の招集請求に対する当社の対応等に関するお知らせ」(以下「東洋建設招集拒絶プレスリリース」といいます。)のとおり、臨時株主総会を招集しないことを決議しましたので、当社らは、会社法297条4項に基づき、大阪地方裁判所に臨時株主総会の招集の許可を求める申立てを致しました(別添「株主総会招集許可申立書」)。

東洋建設招集拒絶プレスリリースに関する当社らの考えは、以下のとおりです。

1.   当社らは東洋建設のガバナンス上の瑕疵を指摘している一方、東洋建設は客観的な事実を否定しており、株主の皆様の判断及び東洋建設のガバナンスの是正には、独立調査者の調査による全貌解明が必要であること

 当社らは、従前から株主の皆様に対して開示をしているとおり[1]、東洋建設のガバナンス上の瑕疵を既に認識しており、2023年6月に開催予定の東洋建設の本年定時株主総会(以下「本年定時株主総会」といいます。)において、かかるガバナンス上の瑕疵を是正するため、取締役会及び監査役の再編を目指す方針を決定しております。
 他方、東洋建設は、従前より当社らが指摘するガバナンス上の瑕疵及びその根拠となる客観的な事実を否定しており、株主の皆様からすると、東洋建設のガバナンス上の瑕疵の「全貌」が分かりにくい状況が継続しております。そこで、当社らは、2023年3月3日付け「東洋建設のガバナンス上の問題点の解明・改善・健全化に向けた臨時株主総会の招集(調査者選任の提案)について」(以下「YFO臨時株主総会招集プレスリリース」といいます[2]。)に記載のとおり、本提案に基づく調査(以下「本調査」といいます。)により、現在の東洋建設のコーポレートガバナンス上の問題点の「全貌」を解明し、東洋建設の取締役会等の再編[3]によってガバナンス上の問題点を改善・健全化し、東洋建設の企業価値及び株主価値の最大化を実現できるガバナンス体制を構築することを目指しています。
 また、YFO臨時株主総会招集プレスリリースに記載のとおり、当社らが指摘している東洋建設のガバナンス上の瑕疵は、いずれも客観的な証拠及び具体的な事実に沿ったものですが、これに対して、東洋建設は、(当社らによる情報開示には)「一方的に事実関係を歪曲化した記載や誤解を生じさせる内容が多数含まれている」、「コーポレートガバナンス上の問題は存在しない」との主張を繰り返し、あたかもガバナンス上の問題がなかったかのような印象操作を行なっています。

 こうした状況の中、株主の皆様からは、当社らから指摘のあるガバナンスの問題点について、東洋建設は「事実を歪曲化している」といった抽象的な主張をし続け、双方の情報開示が食い違う中で、正確な事実及び瑕疵の重大性が客観的に確認できない不透明な情報開示状況では株主としての意思決定がしにくいとの意見が多数寄せられております。また、取締役会等の再編後に東洋建設のガバナンス上の瑕疵を是正するにしても、具体的に改善・健全化すべき事項を明らかにする上で、当社らが既に認識済みの瑕疵に加えて、ガバナンス上の瑕疵の「全貌」を客観的に確認することは株主及び会社にとって有益なことです。
 そのため、当社らは、当社ら及び東洋建設の双方から独立した調査者による調査によって、①取締役会等の再編に係る株主の皆様の判断のため正確な情報提供を行うこと、また、②当社らが把握しているガバナンス上の瑕疵の「全貌」を解明することで、取締役会等の再編後に東洋建設において改善・健全化すべき事項を明らかにすることを目的として、これをもって東洋建設の健全なガバナンス体制を再構築することが東洋建設の企業価値及び株主共同の利益に資すると考え、本提案を行っております。

 特に、東洋建設招集拒絶プレスリリースでは、東洋建設は、当社らが指摘する東洋建設のガバナンス上の瑕疵の根拠となる経緯を引き続き否定しております。当社らとしては、正確な事実はいずれにせよ独立調査者による調査によって明らかとなると考えているため、ここでは詳細な反論を行うことは控えますが、東洋建設招集拒絶プレスリリースにより両者の食い違いが解消され得ないことが明らかとなったことから、本調査を実現し、株主の皆様に対する正確な情報の提供及び事実確認を行う必要性が一層顕著となったと考えております。

 また、本来、東洋建設の現任取締役にとっても、仮に当社らの指摘する瑕疵が事実無根であるならば、本調査によって株主の皆様に対してそのことを証明し、以後、後顧の憂いなく株主の皆様から経営を負託された者として東洋建設の企業価値及び株主価値向上に向けてその責務を果たしていくことができるため、本調査はむしろ望ましいものであり、そもそも本調査を拒む理由はないはずです。東洋建設招集拒絶プレスリリースにおいては「当社株主その他市場関係者皆様に適切な情報開示を行う」という目的を記載していますが、もし東洋建設の現任取締役がその目的を真摯に実現したいと考えているのであれば、当社らとの主張の食い違いの状態を続けるのではなく、むしろ本調査に賛同するはずです。
 それにもかかわらず、東洋建設の現任取締役会は、本臨時株主総会によって客観的な事実の解明の必要性について株主の意思・意向を確認するということすら拒絶しています。これは、むしろ本調査によって株主に明らかにされたくない実態が存在するため、それを隠蔽しようとしているのではないかと考えざるを得ません。また、このような対応それ自体が、まさに、株主の皆様に対する透明性のある情報開示を怠ってきた現任取締役会の問題が顕在化したものとも言えます。

2.   「不当な目的」との現任経営陣の主張は全く的外れであり、不当な印象操作を行うための詭弁であること

 東洋建設は、東洋建設招集拒絶プレスリリースにおいて、本提案は東洋建設の取締役会及び特別委員会による当社買収提案の検討に圧力を加えて当社らに有利な判断を引き出そうとする不当な目的があると主張しております。
 しかしながら、上記説明のとおり、当社らが求めているのは、株主の皆様の判断のための情報提供と健全なガバナンス体制を再構築する上で必要な事実の全貌解明であり、なぜ株主の皆様への情報提供と事実の全貌解明に向けた行為が東洋建設の取締役会及び特別委員会による検討の圧力になり得るのか、理解に苦しみます。そもそも、仮に東洋建設においてガバナンス上の瑕疵が存せず、当社買収提案を含む対抗提案について真摯な検討が行われる(行われてきた)のであれば、独立調査者による調査が実施されることにより、むしろ東洋建設の対応の適切性(ガバナンス上の瑕疵の不存在)が、独立調査者によって確認・報告されるはずです。したがって、調査者による調査が、取締役会及び特別委員会の検討に圧力を加えることなど考えられません。

 また、当社らは、これまでの交渉経緯から判明した現在の東洋建設のコーポレートガバナンス上の重大な瑕疵を踏まえて、東洋建設の現任取締役会との建設的な協議は難しいと判断し、既に取締役会等の再編を含む新たな対応方針により、東洋建設の企業価値及び株主価値の最大化できるガバナンス体制の再構築を目指しており[4]、また、下記のとおり特別委員会の設置経緯やプロセスの適切性にも疑念を有しており、もはや東洋建設の現任取締役会や特別委員会による当社買収提案の検討には期待をしておりません。したがって、東洋建設の現任取締役会及び特別委員会による検討に圧力を与える理由もそもそもありません。
 すなわち、現任経営陣としては、「当社買収提案には賛同しない」という結論を早々に示し、最終的に、現任代表取締役社長から当社買収提案への不賛同の表明を記した書簡を既に手交している事実経緯から、非上場化が前提である当社買収提案及び企業価値向上策は検討の余地がないという立場と理解しています。特に、現任経営陣は、理由として開示できる「他の理由」を作り出すことさえも示唆しました。その後、現任取締役会が当社買収提案に賛同しないための上辺だけの理由を取り繕う「体裁を整えること」を目的として、今更このタイミングになって、10ヵ月も前の昨年5月に当社らが行った当社買収提案及び経営方針・企業価値向上策に関して当社らに提供要求する行動や特別委員会の設置をする対応をしています。当社らとしては、これらの不自然・不適切なプロセスについて現任の取締役会及び特別委員会から合理的な説明をいただけない限り、「体裁を整えるためだけの現任の取締役会及び特別委員会による検討」へ協力することは、東洋建設の現任取締役会による後付けの弁解等に手を貸すこととなり、東洋建設の企業価値及び株主価値最大化のための適切なプロセス・判断の実現にかえって妨げになりかねないとも考えており、当社ら、2023年2月15日及び2023年3月9日付書簡にて現任取締役会に対して既にこのような考え方を伝達しています。このため、当社らが現任取締役会及び特別委員会による検討に圧力を与える理由がそもそもないことについては、現任経営陣自身もよく理解されているはずです。現任経営陣は、それを理解しつつ、「圧力」や「不当な目的」と主張しておりますが、当社らによる本提案の目的を歪曲し、不当な印象操作を行おうとする詭弁と言わざるを得ません。

3.   その他東洋建設招集拒絶プレスリリースについての当社らの考え
(1)  「疑惑」・「疑い」の具体的根拠について
 東洋建設は、当社らが、YFO臨時株主総会招集プレスリリースに記載した「疑惑」・「疑い」について何ら具体的な根拠を示していないと主張しています。しかし、当社らが指摘する事実は、いずれも、東洋建設との協議・交渉過程での客観的記録及び外部の信頼できる情報ソースからの確認等に基づくものであり、当社らは、本調査においても、当社らが有する客観的な記録等をすべて独立調査者に提出する所存です。そして、それらを端緒に、独立調査者による本調査により全貌を解明し、正確・客観的な情報が株主の皆様に対して報告されることを期待しています。

(2)  本提案の時期について
 東洋建設招集拒絶プレスリリースでは、①本提案が2023年3月末頃に予定されている東洋建設特別委員会の答申の直前でなされたこと[5]、②本調査による調査報告が、当社らが取締役会等の再編を目指している2023年6月に予定されている東洋建設の本年定時株主総会までに間に合わない可能性があることを指摘しております。
 まず、①の点について述べるならば、東洋建設招集拒絶プレスリリースまで、そもそも特別委員会の答申のスケジュールを開示されていなかったため、本提案の時期と特別委員会の答申のスケジュールとの間には、一切の関連性はなく、これは言い掛かりに過ぎません。
 また、②の点については、仮に現任取締役会の拒絶等により本調査の報告・公表が本年定時株主総会に間に合わない場合においても、本年定時株主総会における取締役会等の再編の方針に変更はなく、その後の東洋建設のガバナンスの問題点の改善及び健全化のために本調査は変わらず必要なものです
 すなわち、取締役会等の再編について、当社らは東洋建設のガバナンス上の瑕疵が存在することを既に把握しており、このまま現状の形だけのガバナンスで実効的な監督規律のない経営体制が放置され続ければ、一部の現任経営陣の利益や考えを優先し、対抗買収提案を誠実に検討しないといった株主や会社の利益を阻害する経営意思決定が続くことになります。それにより、当社買収提案を含む対抗買収提案に対し、公正なプロセスにより、企業価値・株主価値の観点で優位であるかを検討した上での意思決定がなされず、本来株主が享受すべき1株当たり1,000円以上の株主価値の実現機会や会社の成長機会が奪われるおそれがあります。このため、当社らとしては、本年定時株主総会前に本調査の報告が間に合わなかった場合でも、(東洋建設の対応によって株主の皆様の判断のための正確な情報提供が行われない点は問題視しますが、)いずれにせよ、本来可能な東洋建設の企業価値及び株主価値の最大化に向けて、本年定時株主総会で取締役会及び監査役の再編を行い、健全なガバナンス体制を再構築する予定には変わりはありません。当社らとしては、引き続き本年定時株主総会における取締役会及び監査役の再編を目指し、株主の皆様のご賛同を頂けるように尽力してまいります
 他方で、本調査には、ガバナンス上の瑕疵の「全貌」を解明することによって、本年定時株主総会での取締役会及び監査役の再編後に具体的に改善すべき点を明らかにする目的もあるため、万が一東洋建設の対応によって本年定時株主総会より後に調査報告書が報告・公表されることとなっても、いずれにせよ、取締役会等の再編後の東洋建設のガバナンスの問題点の改善及び健全化のための具体的な対応に関して重要な情報を株主の皆様に対して明らかにすることによって、企業価値及び株主共同の利益に資するものであり、本調査は必要であると考えております。

以 上

[1] 2023年1月23日付け「東洋建設株式会社に関する当社らの新たな対応方針」(https://prtimes.jp/a/?f=d71768-20230123-37ed4259a9cc2c4a2113376752c52dc1.pdf)中の別紙「当社買収提案の検討過程及びコーポレートガバナンスにおける重大な問題点」、及び、YFO臨時株主総会招集プレスリリース(次の脚注)中の「請求者らが把握している問題点・本調査により解明する必要がある事項」を参照ください。
[2] https://prtimes.jp/a/?f=d71768-20230303-ead9a6c56d0f7c6ad0efc790180de529.pdf
[3] YFO及び株式会社KITEは、2022年5月18日付けで、1株当たり1,000円での東洋建設の非公開化を提案(以下「当社買収提案」といいます。)しており、また、その後、当社買収提案の協議過程で判明した東洋建設のコーポレートガバナンス上の問題点を改善・健全化するため、2023年1月23日付けで、東洋建設の取締役会及び監査役の再編を提案し、その具体案も今後お示しすることとしております。
[4] 2023年1月27日付け「「東洋建設株式会社(証券コード:1890)の株券等に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」に関する当社らの今後の対応方針」(https://prtimes.jp/a/?f=d71768-20230127-0fb620cd81b3017a716d575327d89ded.pdf
[5] 東洋建設招集拒絶プレスリリースの公表まで、そもそも特別委員会の答申のスケジュールを開示されていなかったため、本提案の時期と特別委員会の答申のスケジュールとの間には関連性はありません。

〈本件に関するお問い合わせ先〉
広報事務局
PRエージェント:ボックスグローバル・ジャパン株式会社
TEL: 03-6204-4337 担当田邊・久原
EMAIL: yfo.inquiry@voxglobalasia.com

株主様窓口:Innisfree M&A Incorporated
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