- 調査報告書の概要
本調査は、様々なバックグラウンドやスキルをもった人材が企業の枠組みを「越境」して副業・プロボノ等で課題解決に取り組むことが、社会課題解決を加速させるために有効であるという仮説のもと、デスクトップリサーチおよびアンケート、インタビューによる調査をおこない、社会課題解決における外部人材活用の実態と活用の活性化へ向けた課題と取り組みの示唆を出しました。
1.社会課題解決における副業・プロボノ等の広がり「登録者数は1年間で3倍以上に増加」
・コロナ禍で社会課題解決に係る副業・プロボノ等のマッチングサイトへの登録者数は2020年の1年間で3倍以上増加している。
・登録者数に対して募集案件数はまだ少なく、越境人材(※)の予備群が多数存在し、外部人材活用にはまだ伸びしろがある。
(※)越境人材…ここでは「所属する組織の枠を越え(“越境”して)、経験・学びを得るビジネスパーソン」のことを指しています。
2.送出企業・受入団体における外部人材活用の効果「上司の8割以上が部下の成長を実感」
・受入団体にとって、外部人材活用は様々な経営課題の解決、事業の相談相手の獲得や、従業員が外部人材からスキル・知識を学ぶ機会としても有効である。
・送出企業にとって、社員の社会課題解決に関する副業・プロボノ等への参画は越境経験を通じて多様な視点を得る好機。副業・プロボノ等を経験した部下を持つ上司の8割以上が部下の成長を実感している。
3.外部人材活用の活性化へ向けた示唆「自治体・大手企業等の先行投資が更なる外部人材活用活性化へ向けた好循環を生み出す」
・外部人材活用の活性化には、受入団体・送出企業・仲介事業者の自助努力だけではなく自治体・大手企業等が人的・経済的なリソースを先行投資して仲介事業者の市場開拓を促すための下地作りが重要。
・自治体・大手企業等が投資を続けることで仲介事業者に余力が生まれ、社会課題解決の現場である受入団体と外部人材を繋ぐきっかけづくりが進むことで、自律的な外部人材活用が進むと期待される。
・副業・プロボノ等の外部人材活用を進めることで、これまで情報や資金不足で外部人材の活用が難しかった受入団体における課題解決の可能性が広がる。
- 調査報告書(全文)
社会課題解決の加速へ向けた副業・プロボノ等人材活用の調査
〜コロナ禍で3倍に伸びた越境人材予備群をどう活かすか〜
https://www.etic.or.jp/press/covid-19_etic_analysis-report_3.pdf
<目次>
・Executive Summery
・第1章:本調査結果の概要
・第2章:調査方法
・第3章:社会課題解決を取り巻く環境
・第4章:外部人材活用による効果
・第5章:社会課題解決の加速へ向けた外部人材活用の活性化:①受入団体
・第6章:社会課題解決の加速へ向けた外部人材活用の活性化:②送出企業
・第7章:社会課題解決の加速へ向けた外部人材活用の活性化:③仲介事業者
・第8章:社会課題解決へ向けた外部人材活用の可能性
・Appendix.:インタビューサマリ
- 調査概要
●調査機関(調査主体)
・NPO法人ETIC.(エティック)
・アビームコンサルティング株式会社
●調査の位置付け
アビームコンサルティングのプロボノ活動の一環として、ETIC.との共同調査を実施。アビームコンサルティングの調査・分析力と、ETIC.のソーシャルセクターとのネットワークと双方の強みを生かした取り組みで、本調査は2021年3月に発行した調査報告書「変化の激しい時代における社会課題解決主体の進化・適応に関する調査」に続くものです。
・前回の調査報告書
https://www.etic.or.jp/press/covid-19_etic_analysis-report_2.pdf
・前回のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000082.000012113.html
●調査期間
<アンケート>
・受入企業:2022年2月9日〜2022年3月8日
・仲介事業者:2022年2月2日〜2022年2月16日
・外部人材:2022年2月3日〜2022年2月18日
<インタビュー>
・2021年9月〜2022年9月
●調査対象
・送出企業:社内人材の外部への活用を考える企業等
・受入企業:受入側であるNPOや中小企業等
・仲介事業者:送出企業と受入企業の両社を仲介する団体等
・外部人材:送出企業の副業・プロボノ等に外部人材として参画した(もしくは参画希望のある)送出企業の従業員
●有効回答数(サンプル数)
・送出企業:インタビュー調査3件
・受入企業:インタビュー調査7件、アンケート調査12件
・仲介事業者:インタビュー調査8件、アンケート調査14件
・外部人材:インタビュー調査4件、アンケート調査143件
●調査方法(集計方法、算出方法)
・オンライン対面インタビュー調査
・Google Formを活用したアンケート調査
●団体概要
<NPO法人ETIC.(エティック)>
1993年設立、2000年にNPO法人化し、人口減少、経済縮小、超高齢化社会における都市と地方の関係や、日本や世界の未来を考え、実践し、支え合い、学びを共有し、また次の未来を描く、未来をつくる人たちのコミュニティづくりの活動を推進しています。日本初の長期実践型インターンシップの事業化や若手社会起業家への創業支援を通じこれまで約11,000名の若者たちが変革・創造の現場に実践者として参加、1,800名を超える起業家を輩出。またその仕組みを全国80地域の連携組織へ広げています。変革の現場に挑む機会を通して、アントレプレナーシップ(起業家精神)溢れる人材を育み、そして、創造的で活力に溢れ、ともに支え合い、課題が自律的に解決されていく社会・地域を実現していきます。ホームページ:https://www.etic.or.jp
<アビームコンサルティング株式会社>
アビームコンサルティングは、アジアを中心とした海外ネットワークを通じ、それぞれの国や地域に即したグローバル・サービスを提供している総合マネジメントコンサルティングファームです。戦略、BPR、IT、組織・人事、アウトソーシングなどの専門知識と、豊富な経験を持つ約7,000名のプロフェッショナルを有し、金融、製造、流通、エネルギー、情報通信、パブリックなどの分野を担う企業、組織に対し幅広いコンサルティングサービスを提供しています。アビームコンサルティングは、企業や組織とともに新たな未来を共創し、確かな変革に導く創造的パートナーとして、企業や社会の変革に貢献します。ホームページ:https://www.abeam.com/jp/ja
- 本件に関するお問い合わせ先
NPO法人ETIC.(エティック)
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1丁目19−19 恵比寿ビジネスタワー12階
TEL:050-1743-6743 / FAX:050-3606-6347 / E-mail:info@etic.or.jp
アビームコンサルティング株式会社
サステナビリティーユニット
〒100-0005 東京都千代田区丸の内一丁目4番1号 丸の内永楽ビルディング
TEL:03-6700-8800 / FAX:03-6700-8801 / E-mail:JPABSustaina@abeam.com