大地震直後のシリア北部アレッポをICRC総裁が視察

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赤十字国際委員会(ICRC)のミリアナ・スポリアリッチ総裁は、トルコ南部とシリア北西部で大勢の死傷者を出した大地震発生から5日後の2月10日、シリア北部の都市アレッポを訪問しました。

以下は、現地を訪問したスポリアリッチ総裁の報告です。

「私がここで実際に目の当たりにした現状に加えて、人々が語る壮絶な犠牲や苦しみ、破壊は、言葉では伝えられないほどです。シリアやトルコで大切な人を失ったすべての人々に、心より哀悼の意を捧げます。

紛争によりすでに荒廃していた地域を、今回の地震が襲いました。大惨事としか言いようがありません。人々は疲れ果て、おびえています。長年にわたる紛争により、人々には立ち上がる余力もありません。アレッポをはじめ多くの場所で、ようやく故郷に戻り、暮らしを再建し始めようとしていた人々は、突如としてほぼすべてを失い、凍てつく寒さの中を生き抜くことを余儀なくされています。

水や暖房、医療、電気など、人々の命を支える公共サービスは、地震前から無いも同然でしたが、今や現地の人道状況はよりいっそう深刻さを増しています。

どこにいようと被災者すべてに対して、ICRCは最大限の支援を行います。そのためにも、被災地全域への完全なアクセスが許可される必要があります。人道支援が妨げられるようなことはあってはなりません。今こそ、援助と政治問題を切り離すときです。人命救助は、共通の最優先事項でなければなりません。

2月6日以降、昼夜を問わず救命活動に当たっている、赤新月社のパートナーをはじめとしたボランティアや救助隊に心より敬意を表します。長年にわたる紛争の影響と今回の被災により苦しむ人々を救うためのたゆまぬ活動に、深く感銘を受けています」。
 
今回の地震発生前に、既にスポリアリッチ総裁のシリア訪問は計画されていました。国際社会に、現地の人々の窮状と必要な支援に関心を持ってもらうためです。地震で被災したアレッポも、6日間の訪問日程に含まれていました。国際赤十字・赤新月運動は、トルコとシリアの両国で被災者の緊急ニーズに対応しています。

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