【2022年12月19日 キーウ発】
ウクライナの人々が聖ニコラウスの日を迎えるにあたり、ユニセフ(国連児童基金)は脆弱な立場にいる全国の子どもたちとその家族が、祝祭期間に経済的・教育的・精神的な支えを受けられるよう、新たな取り組みや活動を通じて支援を強化します。
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ユニセフはウクライナの社会政策省と協力して、4人以上の子どもがいる家庭や障がいのある子どもを持つ家庭など、12万3,000世帯に総額1億200万米ドルの追加現金給付を行い、子どもを含む50万人近くの人々を支援します。
ユニセフはまた、東部の戦闘の影響を受けた子どもたち、特にハルキウ州やヘルソン州など新たにアクセスが可能になった地域の子どもたちへ、楽しみながら学べる贈り物を届けるために、ウクライナ社会政策省とウクライナ鉄道がこの祝祭期間に行っている取り組みも支援しています。ユニセフはこの取り組みに対し、スクールバッグや文房具など約3万点を提供し、子どもたちの学習やメンタルヘルスを支えます。
ユニセフ・ウクライナ事務所代表のムラート・シャヒンは、「ウクライナの家庭に祝祭シーズンの喜びはほとんどありませんが、最も弱い立場にある家庭に不可欠な現金給付と学用品の提供をユニセフが行うことで、特に厳しい冬の中にいる親と子どもたちに少しでも希望を持ってもらえたらと願います」と述べています。
冬の寒さが厳しさを増し、エネルギーインフラへの攻撃で電気や暖房手段が不足する中、ほとんどの家庭は暖を取ることに懸命です。ユニセフは、ウクライナ全土の家族に暖かい空間を提供するため、140以上の「スピルノ・チャイルド・スポット」(「スピルノ」はウクライナ語で「一緒に」という意味)を開設しています。ここは子どもたちが遊び、心理社会的支援を受け、仲間とのつながりを持てるような、子どものための暖かい場所で、同時に子どもの健康診断や他の社会サービスの紹介も行っています。
「家族がこの1年の経験を振り返り、新しい年を迎えるこの時期、最も見通しの立たない時にもほんの少しの日常を感じ、未来への希望を持ってもらうことは非常に重要です。2022年を通して行ってきたように、ユニセフは新しい年を迎えるにあたり、ウクライナの子どもたちとその家族を支援するためにできる限りのことを行っていきます」と、シャヒン代表は述べました。
2022年3月31日、ユニセフはウクライナ社会政策省と共に、子どもを持ち、戦闘の影響に最もさらされている家庭のニーズに応えるため、人道的現金給付プログラムを開始しました。2022年11月30日現在、ウクライナにいる計19万6,435世帯が総額1億9,100万米ドルの給付支援を受けています。
ユニセフは引き続きウクライナ社会政策省と協力し、同国の最も弱い立場にある家庭に対して、効率的かつタイムリーな現金給付が行えるよう取り組みます。本現金給付プログラムは、国連中央緊急対応基金、欧州連合、欧州各国政府、ならびにユニセフの緊急・復興予算のうち使途を柔軟に定められる資金からの拠出によって賄われています。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/