上陸用舟艇・特殊車両・減容装置など活用 離島海岸に散乱する大型漂着ごみ1.2トンを一掃

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⽇本財団(東京都港区、会⻑ 笹川 陽平)は、広島県及び大竹市などと連携し、海洋プラスチックごみ削減施策の一環としてこの度、人の立ち入りや回収物の搬出が難しい離島海岸にある大量の漂着ごみを効率的に回収・処理することを目的とした実証事業を阿多田島で実施しました。

桟橋などがない場所でも陸揚げできる上陸用舟艇(民間フェリー)で着岸し、貨物運搬やビーチクリーンに使われる特殊車両、卸売市場や工場内などで用いられているプラスチックの減容装置などの機材※1を活用することで、阿多田島の長浦海岸、約350mに渡って散乱していた大型プラスチックごみ(フロート※2)など計約1.2トンを一掃しました。

当日は、阿多田島漁業協同組合の漁業関係者、普段は船舶火災や油等の流出事故対応を行っている海上災害防止センター隊員、広島県庁や大竹市役所の職員、減容装置メーカー関係者など約200名、そして現場を視察した広島県の湯﨑英彦知事と日本財団の笹川陽平会長が活動に参加しました。

今回の実証事業で、大型漂着ごみの回収・処理・運搬の効率化・省力化を達成し、アクセス困難エリアにおいても安全且つ効率的に清掃できることが確認できました。日本財団は、今回得られた知見をもとに、引き続き離島などの接近困難場所におけるより効率的な清掃活動のモデル構築を進めていきます。
※1:今回使用した主な車両・機材などは、別紙2を参照。
※2:フロート(重さ約3kg/本)
発泡スチロール製の浮き。養殖のいけすや、筏(いかだ)を浮かせたり、係船した船舶と岸壁との間にクッション材として、使用されるもの。
 

阿多田島の長浦海岸に散乱する大型のプラスチックごみの回収作業阿多田島の長浦海岸に散乱する大型のプラスチックごみの回収作業

本取り組みは、ごみの新規流入量7割減・回収量1割以上増を達成して瀬戸内海の海ごみゼロを目指す、広島県など瀬戸内4県と当財団が共同して推進している海洋ごみ対策プロジェクト「瀬戸内オーシャンズX」(詳細は別紙3)の一環で実施したものです。

<一掃作戦の概要>
1.主 催:日本財団 共催:広島県
2.後 援:瀬戸内オーシャンズX推進協議会
3.日 時:2022年11月17日(木)9:15~11:35
4.場 所:広島県大竹市阿多田島 長浦海岸

笹川(左)と湯﨑知事(右)もごみ回収に参加笹川(左)と湯﨑知事(右)もごみ回収に参加

 <関係者コメント(一部)>
笹川 陽平(日本財団 会長)
 
ゴミを出さない、海に流さないモデルをつくっていきたい。皆の力で、美しい瀬戸内海にしましょう。
湯﨑 英彦(広島県 知事)
一掃作戦の効率的なごみの回収の実証に期待している。地域の皆様と一緒に、2050年までの新たなプラスチックごみ流出ゼロを目指していきましょう。

■資料車両・機材リスト

<瀬戸内オーシャンズX概要> https://setouchi-oceansx.jp/
瀬戸内海に面する4県(岡山県、広島県、香川県、愛媛県)と日本財団が連携協定を締結(2020年12月)し、共同で推進している包括的海洋ごみ対策プロジェクト。外界からの海洋ごみ流入が少ない海域(閉鎖性海域)である瀬戸内海をフィールドに、①調査研究②企業・地域連携③啓発・教育・行動④政策形成の4つの柱で事業を実施。

                      活動内容4つの柱

                  瀬戸内海における海洋ごみの収支

 

 

■日本財団について https://www.nippon-foundation.or.jp/
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日本財団は1962年、⽇本最⼤規模の財団として創⽴以来、人種・国境を越えて、子ども・障害者・災害・海洋・人道支援など、幅広い分野の活動をボートレースの売上⾦からの交付⾦を財源として推進しています。

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