【木製観戦スタンドの概要】
《設計・構造上のポイント》
仮設構造物としての耐荷重性、耐風性等の安全性は勿論のこと、翌年以降の再利用性も重視した設計となっています。
構造的には、設置場所の不陸に合わせた下部構造と基本部材のユニットで構成する上部構造との2段構造により、あらゆる斜面、設置場所にも対応可能な設計としました。強度については全体荷重および柱1本あたりにかかる荷重を計算し部材強度を確認し、構造計算により転倒等に関する安全性も確認しています。
《スギ材を使用するメリット》
使用する宮崎県産材のスギは、木材の特性として比較的柔らかい材料で靭性があるため、構造物としての粘り強さ、耐震性の点が、今回の骨組みに適しています。
設計担当:エース建築設計株式会社
施工担当:吉本工芸有限会社
【環境への貢献について】
本大会の開催地である宮崎県は、スギ生産量が31年連続で日本一であり、国産スギの15%を占めています。
この度の木製観戦スタンドで使用するスギの量は、約120㎥(0.24㎥/丸太)で、およそ500本になります。これは県産でのスギ生産量の0.013%にしか過ぎませんが、木材利用による炭素貯留の観点から、年間で約18世帯分のCO2削減に相当します。このように、あらゆる場面での木材の使用頻度を高めることで、伐採・加工・再造林による資源循環型の林業生産が可能となり、森林吸収量の維持と木材利用による炭素貯蔵が実現できます。また、スポーツ観戦等における木材の利用は、座席の柔らかさや木のぬくもりを感じ、あたたかな空間を創出できる環境を整備します。
*木材は「炭素の貯蔵庫」であり、木造住宅は「都市の森林」と言われております。光合成で吸収した二酸化炭
素は、炭素として取り込まれ、ブドウ糖となり、幹や枝、葉など樹体を形成され、また樹体内にも炭素が貯蔵
されます。さらに樹木が伐採されて、木材として使用されている間も炭素は貯蔵されたままとなります。
監修:宮崎大学 准教授 櫻井倫/理事・副学長 明石良
【SDGsについて】
SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年の国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられた、国際的な開発目標であり、17の目標と169のターゲットから構成されています。本プロジェクトでは、主に以下の3つの目標達成への貢献を目指します。
目標13. 気候変動に具体的な対策を
目標15. 陸の豊かさも守ろう
目標17. パートナーシップで目標を達成しよう
※社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
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リコーグループは、お客様のデジタル変革を支援し、そのビジネスを成功に導くデジタルサービス、印刷および画像ソリューションなどを世界約200の国と地域で提供しています(2022年3月期グループ連結売上高1兆7,585億円)。
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